STVラジオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 10:21 UTC 版)
概要
前身は札幌テレビ放送(STV)内のラジオ事業部門(札幌テレビ放送株式会社ラジオ局)[5]。多くのラジオ・テレビ兼営局がラジオ放送を先に開始した中、テレビが先行開局し、その後ラジオ放送を開始した全国唯一の放送局となった[6]。このため、送信所・中継局のコールサインはラジオとテレビでそれぞれ異なっている(一部を除く)。
STVの100%出資による子会社で、STVから中波放送(AMラジオ)無線局の免許を承継することを目的として設立。2005年(平成17年)10月1日よりSTVから放送免許を承継し、独立した別会社として放送を開始した[5]。これを記念して、毎年10月1日を「STVラジオの日」とした[7]。
道内で唯一のAMラジオ単営局であるが、本社と演奏所はSTV本社(放送波を厳密に区別するため「STVテレビ」とも表記される)と同じで、自社ではアナウンサーを雇用せずにSTV本社から派遣されるアナウンサーを番組に起用するためアナウンサーがラテ共通[注 2]、メンテナンスに至るまで本社に委託等、実質的には相変わらずのラテ兼営局同然の運営体系である[注 3]。分社前より「STVラジオ」の名称は一般的な通称として定着していたが、分社により正式な社名となった。
番組表では、分社前から「パーソナリティ」とは呼ばず「お相手」と称している[8]。
リスナー向けの番組表は、年2回の改編期に合わせて発行している[9]。
所属するアナウンサー
- 木村洋二 - 2019年7月1日、取締役エグセクティブアナウンサーに就任[10]。ただし、10月31日のSTV定年退職までSTVからの出向扱いで、定年退職を以て当社へ移籍。2022年6月24日の定時株主総会において常務取締役に昇進した。
スタジオ
- 第1スタジオ
- STVラジオで最大規模のスタジオ。観覧用のひな壇が常設されている。2018年(平成30年)までは『ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー』で使用していた。
- 2019年(平成31年/令和元年)まで生放送対応スタジオだったが、現在は収録番組用スタジオに改修されている。主な使用番組は『しゃかりき!ようへい商店』等。
- 第3スタジオ
- 生放送と収録番組に対応。主な使用番組は『松山千春 ON THE RADIO』『まるごと!エンタメ〜ション』『吉川のりお スーパーLIVE』『明石のいんでしょ大作戦!』等。
- 第4スタジオ
- 第5スタジオ(CMスタジオ)
- 第6スタジオ
- 第7スタジオ
- 第9スタジオ
- 第10スタジオ
- Vスタジオ
- 1995年(平成7年)から運用している最も新しいスタジオ。[11]
- 生放送と収録番組に対応。主な使用番組は『北海道ライブ あさミミ!』『リクエストプラザ』『工藤じゅんきの十人十色』『牧やすまさ 路地裏のスピリッツ』『ごきげんようじ』『洋二と明石の無口な二人』等。
聴取率
1985年(昭和60年)6月の札幌地区聴取率調査で初めて全日聴取率でHBCラジオを上回った[12]。以降、27年連続53回1位を記録した[13]。年2回の調査回数が2011年(平成23年)から年1回へ変更。
2012年(平成24年)12月の調査では、全日聴取率1位がHBCラジオ[注 4]となり2位へ陥落。翌年2013年(平成25年)8月の調査では再び1位を奪取。
しかし、2014年(平成26年)〜2018年(平成30年)の調査では全日聴取率1位をHBCラジオが維持し、2019年(平成31年/令和元年)の調査においては、全日聴取率1位をAIR-G'が初めて獲得し、その間僅差ながら2位か3位が続いていた。
2020年(令和2年)12月には北海道全域へ範囲を広げた聴取率調査に変更されたが、全日聴取率1.7%となり、7年ぶりに1位を奪還した。なお、全日とともに、平日平均、土曜、日曜のすべてのカテゴリーでも1位となった。背景には土曜日の『ごきげんようじ』が好調なことと、平日もデイタイムにおいて安定的に数字をキープしており、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、在宅率が高い中でラジオのコアリスナー層の聴取時間も長くなっているため[15]。
翌年2021年(令和3年)9月の北海道地区聴取率調査で全日聴取率1.6%、翌々年2022年(令和4年)11月は1.7%となり、3年連続で単独1位を達成した。2021年(令和3年)まではHBCラジオ・AIR-G'と僅差だったが、2022年度はAIR-G'と僅差[16][17]。
2023年度は全日で4年連続首位を獲得したが、5時から29時までのオールタイムでは首位を獲得することが出来なかった[18]。
主な受賞歴
『足寄のスーパースター松山千春 ~45年の時代をこえて~』で2022年日本民間放送連盟賞ラジオエンターテイメント番組優秀賞を受賞した[19]。またラジオCM『日本航空 企業CM/よっ、山浦機長!なまらんいいでないかい!篇』(120秒)も同賞CM部門ラジオCM第2種(21秒以上)優秀賞を受賞した。
『先生たちが敵だった~夢を奪われた看護学生たち~』で2023年日本民間放送連盟賞ラジオ報道番組優秀賞を受賞した。また『こどものミライと不登校』も同賞ラジオ教養番組優秀賞を受賞した。同賞を同じ年に複数の番組で受賞するのは開局以来初めてだった。更に『公共キャンペーン・スポット/街の音は道しるべ 一人で歩くということ』(120秒)も同賞CM部門ラジオCM第2種(21秒以上)優秀賞を受賞した[20]。
注釈
- ^ ただし殆どのパーソナリティーはエスティービーと発音する。
- ^ 最初に東京放送から分社化したTBSラジオ(兄弟会社・TBSテレビからの派遣)と同様。その上同様の体制は中部日本放送から分社化したCBCラジオ(兄弟会社・CBCテレビからの派遣)や朝日放送から分社化した朝日放送ラジオ(兄弟会社・朝日放送テレビからの派遣)や〈新〉毎日放送から分社化したMBSラジオ(MBSテレビ部門が残る兄弟会社・〈新〉毎日放送からの派遣)にも引き継がれている。
- ^ 会社が別に存在するため民放連にはそれぞれ加盟しており、民放連からも「STV本社=TV単営」「STVラジオ=AM単営」の扱いは受けている。
- ^ 2010年冬期の1週間平均はSTVラジオ2.0%、HBCラジオ1.8%だったものの、平日平均はHBCラジオ2.1%、STVラジオは2.0%となっている[14](但し、平日午前中に放送されている『オハヨー!ほっかいどう』『9時ですリクエストプラザ』『工藤じゅんきの十人十色』は、HBCラジオを上回った)。
- ^ 開局時の送信所は札幌市北区新琴似に設置されていた。
- ^ 現在の周波数(1440kHz)は出力が50kWに変更された1971年より使用。それ以前は1460kHzだった。
- ^ なお、1440kHzは9でも10でも割り切れることから、国際電気通信連合の取り決めで1978年11月23日より周波数を9kHzステップに変更後も、周波数は変更されなかった。
- ^ 室蘭の取り扱いは各ラジオ局で異なり、NHK室蘭放送局は単独でエリア展開(ラジオの独自番組はなし)。HBCラジオ室蘭はコールサインこそ設定されているが、函館に機能統合され、道南地域に組み込まれている。
- ^ JOWL-TVは、帯広アナログテレビ放送局に付与されていた。旭川アナログテレビ放送局のコールサインは、「JOKY-TV」。
- ^ 周波数は開局当初1557kHz(1978年11月22日までは1550kHz)で、その後1197kHzに変更、1995年より現在の639kHzに変更された。
- ^ 先述の通りSTV帯広アナログテレビ放送局のコールサインは「JOWL-TV」である。
- ^ 開局当初の周波数と出力は1490kHz・100Wで、その後1485kHz・1kW→1530kHz・1kWに、1995年より、現在の1071kHzに変更。
- ^ 全国のラジオ単営局では、唯一コールサインの末尾が「X」である。
- ^ 周波数は開局当初1062kHzで、その後936kHzに変更、1995年に現在の909kHzに変更。
- ^ 札幌と同一に扱われている(苫小牧・室蘭を除く)。余談だが、テレビは旭川放送局管内で、北見放送局自体も2022年度に廃止・統合された。
- ^ 旧送信所は釧路市緑ヶ岡のSTV釧路放送局内にあった。STVラジオとHBCラジオは釧路町中央10に新たに建設したラジオ送信塔の運用を2014年11月から開始し、これに伴いSTVラジオは釧路市緑ヶ岡1の電波塔(高さ138m)を撤去した。
- ^ 周波数は開局当初1440kHzで、その後918kHzに変更、1995年に現在の882kHzに変更。
- ^ 同じ北海道のラジオ局でFM専業局のエフエム北海道(AIR-G')では約90%の世帯カバー率を実現するため、道内に10か所の中継局を設置している。しかし、STVが中継局を置いている稚内市や根室市はカバーできていない。さらにFM NORTH WAVE(NORTHWAVE)に至っては、AIR-G'が開局している10か所の中継局のうち、網走・北見・室蘭・洞爺の4か所が開局しておらず、約80%の世帯カバー率しかない。
- ^ 番組の拡大や縮小も含めると8度で平均2年に1度の割合である
- ^ ニッポン放送制作をネットしない金曜夜のみアタックヤング60、しろっぷのぶちかましと例外的に自社の番組を放送している
- ^ なまらんオールナイトスペシャル、新春生ワイドおめでとう北海道など
- ^ ウイークエンドバラエティ日高晤郎ショーは新年最初の放送はSTVホールからの公開放送であった。
- ^ 局単位の場合と、「管内」で一斉休止の場合もある。
- ^ 2023年3月までは日曜8:00-8:15、2023年4月 - 9月は日曜6:15-6:30
- ^ 2023年3月までは水曜17:30-17:40
- ^ 2023年3月までは火曜17:30-17:40
- ^ 2023年3月まで木曜17:30-17:40
- ^ 2023年3月まで月曜17:30-17:40
- ^ 年度によっては5月4日 12:00 - 13:00
- ^ これまで放送日時に土曜日が含まれる場合は通常番組の『ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー』を優先し、一部コーナーを差し替える場合があった。
- ^ 月曜朝4時台
- ^ 2011年度・2012年度のナイターオフシーズンには復刻版の『復活!ダイリク ザ・ヒットパレード』も放送された。
- ^ 堺なおこ担当。ドライビングパートナー・STVホットライン時代から情報アライブ終了後まで継続のコーナー
- ^ 月曜20時40分から21時
- ^ 月 - 木曜 21時50分 - 22時
- ^ ドライバーリクエスト、ふるさと電話、これが狙い目などのコーナーがあった。
- ^ 開始当初は土曜17時30分から15分、2007年10月より土曜23時30分から15分に
- ^ 2006年開始時は日曜21時30分より30分、その後土曜深夜0時45分より15分に
- ^ 日曜 0:15 - 0:30に移動
- ^ 後に日曜21時に移動
- ^ パーソナリティは高野美佐、矢野聖子
- ^ STVカレッジの受講生が企画する番組
- ^ 高岡麻美が担当
- ^ 増川愛美、大吉昭子が担当。土曜朝にも放送
- ^ のしろや秀樹、増川愛美が出演
- ^ 長く日曜17時台に放送
- ^ 月曜19時台の放送もあった
- ^ 工藤浩、渡辺里絵が担当
- ^ 日曜夜に移動 2012年4月終了
- ^ 2004年にサウンズNOWの企画で放送開始。後に月1度の定時放送となる。
- ^ 開始当初は金曜19時30分から放送、2012年4月より日曜20時30分に
- ^ 金曜20時 - 21時 → 日曜20時30分
- ^ 開始時は土曜22時30分から
- ^ 月曜18時 - 19時30分、萩原隆雄・鈴木亜紀、佐々木律・飯島孝彦、宮永真幸・高野美佐
- ^ 当初はSTVラジオ単独で放送。後にラジオ日本へネット。STVラジオの放送は2010年3月を以って終了。それ以降はラジオ日本の自社制作で放送。
- ^ 土曜20時 - 21時台の放送。一時休止期間あり。2015年10月より金曜20時からの後、2017年4月からは土曜朝7時からの15分放送だった。
- ^ CBCラジオ、MBSラジオへネット。
- ^ 2020年8月からはHBCラジオで『大山慎介のみんなの北海道2.0』として、日曜午前4:30 - 5:00に放送
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “STVラジオ会社概要・所在地”. 株式会社STVラジオ. 2021年9月15日閲覧。
- ^ 第16期決算公告、2021年(令和3年)9月14日付「官報」(号外第208号)59頁。
- ^ a b 株式会社STVラジオ 第18期決算公告
- ^ “株式会社STVラジオの情報”. 国税庁法人番号公表サイト. 2021年9月15日閲覧。
- ^ a b STVラジオからのメッセージ - STVラジオ、2017年9月10日閲覧
- ^ 聴取率トップ返り咲きを狙うSTVラジオ、春の大改編を実施 - BLOGOS、2016年4月8日閲覧
- ^ “プレゼント”. オハヨー!ほっかいどう. STVラジオ (2014年10月1日). 2016年4月9日閲覧。
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1987年秋号(p.60-61)など
- ^ “STVラジオタイムテーブル 開局60周年特別号(2022秋冬)”. STVラジオ. 2022年9月23日閲覧。
- ^ 木村洋二さん STVラジオ取締役就任へ
- ^ STVラジオオープンスタジオ - 日本音響エンジニアリング
- ^ 札幌テレビ放送50年の歩み p.124
- ^ 札幌テレビ放送50年の歩み p.166
- ^ HBCラジオ聴取率速報~2010年 冬の聴取率調査結果~
- ^ 2020年ラジオ聴取率調査結果速報! | トピックス | STVラジオ
- ^ 2021年 ラジオ聴取率調査結果 | トピックス | STVラジオ
- ^ 2022年 ラジオ聴取率調査結果 | トピックス | STVラジオ
- ^ 感謝御礼!~2023年夏の聴取率調査結果~:HBCラジオからのお知らせ|HBC北海道放送(2023年8月15日閲覧)
- ^ “2022年日本民間放送連盟賞 | 一般社団法人 日本民間放送連盟”. www.j-ba.or.jp. 2022年9月23日閲覧。
- ^ “2023年日本民間放送連盟賞 | 一般社団法人 日本民間放送連盟”. www.j-ba.or.jp. 2023年9月24日閲覧。
- ^ 平成17年 広報資料一覧(2022年11月15日閲覧・8月24日の項目を参照)
- ^ STVラジオ ニュースリリース
- ^ 札幌圏におけるAMラジオ放送の難聴解消 - FM補完中継局に予備免許 - - 総務省北海道総合通信局・報道資料(2016年6月9日)
- ^ 「ワイドFM」、この秋、はじまります!! - STVラジオ
- ^ ワイドFMでAM難聴解消 HBCとSTVに予備免許 北海道新聞 2016年6月10日
- ^ “インフォメーション|STVメディアセンター株式会社”. www.stv-mc.jp. 2020年7月13日閲覧。
- ^ AMラジオで聴く - STVラジオ
- ^ a b c d 札幌テレビ放送50年の歩み p.88 - 89
- ^ STVラジオ札幌ラジオ送信所・無線局免許状 - 総務省
- ^ a b c d 札幌テレビ放送50年の歩み p.133
- ^ a b c d ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1994年秋号 STVラジオページ(p.22 - 23)、1995年春号 STVラジオページ(p.22 - 23)
- ^ 沿革 - STVラジオ、2017年9月11日閲覧
- ^ a b c d e f g 札幌テレビ放送50年の歩み p.298 - 299
- ^ “釧路市東部の高台のシンボル お疲れさま HTB電波塔解体”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年11月6日)[リンク切れ]
- ^ FMラジオで聴く - STVラジオ
- ^ “民放AMラジオ44局、2028年秋めどに“FM局”目指す”. ORICON STYLE (2021年6月15日). 2021年6月17日閲覧。
- ^ “民放AMラジオ局、大半がFM転換目指すも3局「見送り」 メリット多数も「ジレンマ」に直面”. J-CASTニュース (2021年6月20日). 2021年7月14日閲覧。
- ^ a b 札幌テレビ放送50年の歩み p.42
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1991年春号 STVラジオ広告(巻末)より。
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1991年秋号 STVラジオ広告(巻頭)より。
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1992年春号 STVラジオ広告(巻末)より。
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1992年秋号 STVラジオ広告(巻末)より。
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1994年秋号 STVラジオページ(p.22)
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1995年春号 STVラジオページ(p.22)
- ^ ラジオ新番組速報版(三才ブックス)1995年秋号 STVラジオページ(p.22)
- ^ 札幌テレビ放送50年の歩み p.230
- ^ 札幌テレビ放送50年の歩み p.268
- ^ 札幌テレビ放送50年の歩み p.250
- ^ 【PDF版】STVラジオ タイムテーブル <2024年1月〜3月版> (5.92MB)
- ^ 松田一伸 - なんと今やっていました!皆さん来週こそはフォローしてね!いい番組だと思います!- Facebook. 2023年12月4日
- ^ 一般社団法人新雪 - なんと!新雪がラジオ番組始めます。- Facebook. 2023年11月2日
- ^ “笑顔で卒業 藤本さんのラジオ「恭スパ」31年の歴史に幕”. 函館新聞. (2021年3月27日) 2021年4月20日閲覧。
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