6区 (パリ) 6区 (パリ)の概要

6区 (パリ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/04 07:00 UTC 版)

パリ・6区の位置
パリ・6区の位置

概要

The cultural center Le Lucernaire. Façade 53 rue Notre-Dame-des-Champs, quartier Notre-Dame-des-Champs.
(ル・ルセルネール : モンパルナス至近にある、3つの劇場ないし映画館, ギャラリー, 小書店, レストラン, カフェバー等を備えた施設)

パリの6区は、市のほぼ中央にある行政区。「リュクサンブール区 (Arrondissement du Luxembourg)」と呼ばれることもある[2]セーヌ川の南岸に面しており、ルーヴル美術館の対岸にあたる区域である。人口は、44,919人 (1999年。人口の推移等詳細については後述)。

区の名称は、市の中央部から時計回り螺旋を描くようにして各区に付けられた番号を基にしており、当区はその6番目にあたることから、「6区」と名づけられた。5区から6区にかけての地域はカルチエ・ラタンと呼ばれ、大学など多くの高等教育機関が立地し、古くから学生街として知られている。6区には、国立高等美術学校(ボザール)パリ第2大学(パンテオン・アサス)などがある。ほかに主要な施設としては、リュクサンブール宮殿 (元老院 (フランス上院))、サン=シュルピス教会フランス学士院などがある。

なお、セーヌ川に沿った地域は、「パリのセーヌ河岸」として世界遺産に登録されている。

6区は街並みの景観の良さや注目すべき建築物の存在、そして伝統的に知的文化の中心地であり、なおかつパリの中心部に位置していることから、長きに渡ってフランスの知識人が多く住まう区であった。加えて今日では画廊やファッション・ブティックが多く立地しており、パリの中でも最も地価の高い地区のひとつであり、住民の収入額がパリで最も高い区のひとつでもある。5区7区などとともに「セーヌ左岸」に属する。

地理

パリ・6区の詳細地図
Bouquiniste sur le マラケ河岸(ブキニスト:セーヌ川両岸、左岸であれば5区トゥルネル河岸から7区ヴォルテール河岸にかけて見られる、中古本、稀覯書等を取り扱う古書屋)

6区は、パリのほぼ中央部、1区の南に位置しており、セーヌ川の南岸に面している[3]。面積は2.15 平方キロメートルで、20区のうちで5番目に面積が小さい。

北は、セーヌ川を挟んで、同じパリの行政区である1区に接している。南は、"芸術の街" モンパルナス地区のある14区及び15区に接している。西は7区に接し、東は5区に接している。

"カルチエ・ラタン" は5区と6区にまたがり形成され、モンパルナス地区にも近いほか、サン=ジェルマン=デ=プレ地区にはサン=ジェルマン=デ=プレ教会や、ノートルダム大聖堂に次ぎパリで2番目の規模を持つサン=シュルピス教会が位置している。

隣接する自治体(行政区)

地区(カルチェ)

パリ・6区のカルチエ詳細図

パリの行政区は、それぞれ4つの地区(カルチェ)に区分されている。6区を構成する4地区のコードと名称は、次のとおりである。

  • 21 - モネ地区 (Quartier de la Monnaie)
  • 22 - オデオン地区 (Quartier de l'Odéon)
  • 23 - ノートル=ダム=デ=シャン地区 (Quartier Notre-Dame-des-Champs)
  • 24 - サン=ジェルマン=デ=プレ地区 (Quartier de Saint-Germain-des-Prés)

住民

人口

6区の人口は、1911年に102,993人となり、ピークに達した。しかし、その後は減少を続け、1999年には半分以下の44,919人となった。2005年の推計では45,200人と見積もられており、人口の回復が見込まれている。

また、人口の減少とともに人口密度も減り続けており、1999年の人口密度は、ピーク時の半分以下の20,854人となっている。人口の推移の詳細は、次のとおりである。

区人口 市人口 区人口/市人口 区人口密度 市人口密度 備考
1872年 90,288 1,851,792 4.88% 41,916 21,303
1911年 102,993 2,888,110 3.57% 47,815 33,225 人口がピークに達する。
1954年 88,200 2,850,189 3.09% 40,947 32,788
1962年 80,262 2,790,091 2.88% 37,262 32,097
1968年 70,891 2,590,771 2.74% 32,911 29,804
1975年 56,331 2,299,830 2.45% 26,152 26,457
1982年 48,905 2,176,243 2.25% 22,704 25,035
1990年 47,891 2,152,423 2.22% 22,234 24,761
1999年 44,919 2,125,246 2.11% 20,854 24,449
2005年 45,200 2,166,200 2.09% 20,984 24,920 人口は推計。

注釈

  1. ^ 「レ・ドゥ・マゴ」または「ドゥマゴ」と表記されることもある。

出典

  1. ^ フランス語の 「6e 」 = 「sixième 」 は、英語の「sixth 」 に相当する序数。「第6の」 「6番目の」を意味する。したがって、原語の「6e arrondissement 」を直訳すると「第6区」となる。
  2. ^ レジフランスLégifrance). “地方自治一般法典 (Code Général des Collectivités Territoriales (CGCT))” R2512-1条. 2008年6月26日閲覧.
  3. ^ セーヌ川の左岸にあたる。
  4. ^ 地球の歩き方編集室編 『地球の歩き方A07・パリ&近郊の町 2007〜2008年版ダイヤモンド社、2007年、p.254.
  5. ^ JTBパブリッシング編 『ワールドガイド ヨーロッパ2・パリ』 JTBパブリッシング、2006年、p.162.
  6. ^ 地球の歩き方編集室編 『地球の歩き方A07・パリ&近郊の町 2007〜2008年版』 ダイヤモンド社、2007年、p.281.
  7. ^ 地球の歩き方編集室編 『地球の歩き方A07・パリ&近郊の町 2007〜2008年版』 ダイヤモンド社、2007年、p.132.
  8. ^ JTBパブリッシング編 『ワールドガイド ヨーロッパ2・パリ』 JTBパブリッシング、2006年、p.18.
  9. ^ 海外業務提携一号店にあたる同カフェは『ドゥマゴ パリ』 トランジットジェネラルオフィス公式HPを、同ブーランジュリーは『ドゥマゴサンジェルマン公式HPをそれぞれ参照。
  10. ^ ラ・クローズリー・デ・リラ La Closerie des Lilas』 paris-bistro-japon
  11. ^ 地球の歩き方編集室編 『地球の歩き方A07・パリ&近郊の町 2007〜2008年版』、ダイヤモンド社、2007年、p.360.
  12. ^ 1993年に同通り29番地で創業し、イタリアの他、1998年から南青山骨董通りでも展開するクラシックモダンな家具雑貨などのインテリアショップ(仏公式HP (仏語)Maison de famille (メゾン ドゥ ファミーユ) besanee 2015年10月25日)。
  13. ^ Mary Ann Caws, Les Vies de Dora Maar : Bataille, Picasso et les surréalistes, Paris, Thames & Hudson,‎ , 224 p. (ISBN 2878111850), p. 13
    228 illustrations dont 87 en couleurs.

    但し、日本ではユーゴスラビア生まれ、アルゼンチン生まれとする解説もある。
  14. ^ a b « Rue de Furstemberg, dans le 6e arrondissement », Paris, de Lutèce à nos jours, no 19, décembre 2018, janvier février 2019, Édition Soteca (ISSN 2271-9083).
  15. ^ AU 7 RUE DES GRANDS AUGUSTINS La renaissance de l'Atelier de Picasso パリ・マッチ 2015年7月16日
  16. ^ Nancy Cunard: Heiress, Muse, Political Idealist Lois G. Gordon, Professor Lois Gordon Columbia University Press, 2007. 118 p
  17. ^ he Golden Moments of Paris: A Guide to the Paris of the 1920s John Baxter, Museyon, 2014/03/01. 233 p
  18. ^ Wilhelm, James J. (2008). Ezra Pound in London and Paris, 1908–1925. 287 .p, University Park, PA: Pennsylvania State University Press. ISBN 978-0-271-02798-2
  19. ^ Claude Martin, André Gide ou la vocation du bonheur , tome 1, éditions Fayard, p. 37.
  20. ^ « Place Monge (Paris) » associationclaudesimon.org.
  21. ^ 井田進也「栗本鋤雲の函館」『大妻比較文化 : 大妻女子大学比較文化学部紀要』第12巻、大妻女子大学、2011年、146-139頁、ISSN 1345-4307NAID 110008425418 
  22. ^ Knightley, Emma (29 November 2017). Princely Monaco XXI: The House of Grimaldi in the 21st Century. ISBN 9780359058945 
  23. ^ 地球の歩き方編集室編 『地球の歩き方A07・パリ&近郊の町 2007〜2008年版』、ダイヤモンド社、2007年、p.126.
  24. ^ ジュウ・ドゥ・ポゥム 『映画でお散歩パリガイド』、主婦の友社、2005年、p.101.





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