警視庁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 02:20 UTC 版)
予算
警視庁の運営費用は、道府県警察と同様に、警察法第37条や警察法施行令第2条、第3条の規定にあるものは国庫が支弁し補助し、それ以外のものについては東京都が支弁する。
警視までの警察官については、東京都の公安職員として、東京都が支給している。それ以外の警察官は、警察庁から支給されている。
人事
警視庁における警視正以上の階級の警察官(地方警務官)の任免は警察法の規定により国家公安委員会が東京都公安委員会の同意を得て行う(警察庁が補佐する)。警視総監の任免については、国家公安委員会が東京都公安委員会の同意を得るとともに、内閣総理大臣の承認が必要である。なお警視総監たる警察官及び副総監、警務部長、各部長は、警察庁の警察官から選考される。このため警視庁から採用された場合の最高階級は、警視正までとなっており、一般的な定年退職まで在職した場合は、警部補までである。
なお警視庁の警部補は、他の都道府県の警部補とは違い警部相当職となっている。このため方面本部長が実質的な警視庁採用の最高ポストとなっている。そして警視庁は、警備部所属が多く警察官として花形人事を希望する場合は、他都道府県警察官を志望するのが一般的である。
警視以下の階級の警察官および警察官以外の警察職員については、警視総監が東京都公安委員会の意見を聞いて任免する。警部以上の人事は警務部人事第一課で、警部補以下の者は人事第二課が担当している。
警察職員
警察職員数(令和3年度)
- 警察官 43,566人
- 警察行政職員(旧一般職員) 3,015人
- 会計年度任用職員 3,015人
出向者
警視庁は東京都の警察機関であるが、主要課長および部長級以上の幹部の多くが、国家公務員採用I種試験に合格し警察庁に警察官として採用された、いわゆる「キャリア組」によって占められる。この「キャリア組」は警察庁からの出向者であり、その絶対数は日本の警察本部の中でも首都警察である警視庁が最多である。
本部組織
警視庁本部には、警視総監、副総監の監督の下、9つの部が置かれている[13]。各部長の階級は、総務・警務・警備・公安・刑事の5部では必ずキャリア警視監が就き、それら以外の4部(交通・地域・生活安全・組織犯罪対策)では2名がキャリアの警視監、残り2名が警視庁採用組の警視長が就く慣例となっている。なお、「副総監」は階級ではなく、大阪府警察本部での「副本部長」に相当する職名(階級は警視監)である。
総務部
- 詳細は「総務部 (警察)」を参照
- 企画課
- 公安委員会室
- 総監秘書室
- 犯罪被害者支援室
- 庁舎管理室
- 取調監督室
- 文書課
- 情報公開センター
- 情報管理課
- 広報課
- 広報センター
- 音楽隊
- 会計課
- 会計監査室
- 遺失物センター
- 用度課
- 検収センター
- 装備課
- 装備開発運用センター
- 通信管理運用センター
- 施設課
- 留置管理第一課
- 留置管理第二課
警務部
- 詳細は「警務部」を参照
- 人事第一課
- 制度企画室
- 人事第二課
- 採用センター
- 訟務課
- 給与課
- 厚生課
- 職員相談支援センター
- 教養課
- 柔道指導室
- 剣道指導室
- 逮捕術指導室
- 拳銃指導室
- 通訳センター
- 健康管理本部
交通部
- 詳細は「交通部」を参照
- 交通総務課
- 交通執行課
- 交通反則通告所
- 暴走族対策室
- 白バイ訓練所
- 交通捜査課
- 交通規制課
- 都市交通管理室
- 交通管制課
- 交通管制センター
- 駐車対策課
- 放置駐車対策センター
- 警視庁運転免許本部
- 警視庁府中運転免許試験場
- 警視庁鮫洲運転免許試験場
- 警視庁江東運転免許試験場
- 警視庁第一交通機動隊
- 警視庁第二交通機動隊
- 警視庁第三交通機動隊
- 警視庁第四交通機動隊
- 警視庁第八方面交通機動隊
- 警視庁第九方面交通機動隊
- 高速道路交通警察隊
警備部
- 詳細は「警視庁警備部」を参照
- 警備第一課
- 危機管理室
- 特殊部隊(SAT)
- 東京国際空港テロ対処部隊
- 警備第二課
- 災害対策課
- 警衛課
- 警護課
- 警視庁第一機動隊
- 警視庁第二機動隊
- 警視庁第三機動隊
- 警視庁第四機動隊
- 警視庁第五機動隊
- 警視庁第六機動隊
- 警視庁第七機動隊
- 警視庁第八機動隊
- 警視庁第九機動隊
- 警視庁特科車両隊
- 警視庁航空隊
地域部
- 詳細は「地域部」を参照
- 地域総務課
- 遊撃特別警ら隊
- 地域指導課
- 職務質問指導室
- 警視庁通信指令本部
- 警視庁第一自動車警ら隊
- 警視庁第二自動車警ら隊
- 警視庁第八方面自動車警ら隊
- 警視庁第九方面自動車警ら隊
- 鉄道警察隊
公安部
- 詳細は「警視庁公安部」を参照
- 公安総務課
- 公安第一課
- 公安第二課
- 公安第三課
- 公安第四課
- 外事第一課
- 外事第二課
- 外事第三課
- 外事第四課
- 警視庁サイバー攻撃対策センター
- 公安機動捜査隊
刑事部
- 詳細は「刑事部」を参照
- 刑事総務課
- 捜査第一課
- 第一特殊犯捜査
- 特殊犯捜査第1・2係(特殊事件捜査係)
- 特命捜査対策室
- 第一特殊犯捜査
- 捜査第二課
- 聴訴室
- 捜査第三課
- 捜査共助課
- 鑑識課
- 警視庁科学捜査研究所
- 警視庁捜査支援分析センター
- 警視庁第一機動捜査隊
- 警視庁第二機動捜査隊
- 警視庁第三機動捜査隊
生活安全部
- 詳細は「生活安全部」を参照
- 生活安全総務課
- 生活安全カメラセンター
- 生活安全相談センター
- ストーカー対策室
- 生活経済課
- 金融犯罪対策室
- 生活環境課
- 保安課
- 少年育成課
- 警視庁大森少年センター
- 警視庁世田谷少年センター
- 警視庁新宿少年センター
- 警視庁巣鴨少年センター
- 警視庁台東少年センター
- 警視庁江戸川少年センター
- 警視庁立川少年センター
- 警視庁八王子少年センター
- 少年事件課
- サイバー犯罪対策課
- ネットワーク捜査指導室
- 生活安全特別捜査隊
組織犯罪対策部
- 詳細は「組織犯罪対策部」を参照
- 組織犯罪対策総務課
- 組織犯罪対策情報分析室
- 犯罪収益対策課
- 国際犯罪対策課
- 暴力団対策課
- 薬物銃器対策課
- 組織犯罪対策特別捜査隊
警視庁警察学校
- 警視庁警察学校は、警視庁警察職員の教育・訓練を行う機関。1879年に東京市麹町区(当時)に設置され、その後新橋、九段、中野と移転した後、2001年8月6日に府中市へ移転し現在に至る。上級幹部教育を行う警察庁警察大学校が隣接する。
庶務部/初任教養部/専科教養部
犯罪抑止対策本部
人身安全関連事案総合対策本部
サイバーセキュリティ対策本部
注釈
- ^ 関東管区警察局には属さない。
- ^ 1954年(昭和29年)制定の「警視庁の設置に関する条例」(昭和29年東京都条例第52号)、「警察法」(昭和29年法律第162号)第47条第2項、「警察法施行令」(昭和29年政令第169号)第5条第1号を参照。
- ^ 道府県警察の本部は、道府県警察本部(例えば神奈川県警察本部)となる。
- ^ ただし、1954年7月1日より1958年3月末までは警察通信に関する業務のみ関東管区警察局の管理下であった。関東管区警察局#沿革の項を参照。
- ^ 警察法30条には、東京都(及び北海道)の記述はない。
- ^ 警察法16条より。警察法30条には、府県警察について所掌事務が管区警察局に分掌される旨の規定があるが、東京都警察である警視庁はこの適用対象にならないため、府県警察のように各管区警察局によって監督(警察法31条2項)されることなく、警察法16条2項によって警察庁長官から直接に監督されることになる。なお、警察通信などについては警察法33条1項より、警察庁の地方機関である東京都警察情報通信部により分掌される。東京都警察情報通信部の位置は警察法施行規則155条により東京都千代田区と定められているが、現在は警視庁本部庁舎内に所在している。
- ^ 警察法47条1項では、警視庁は特別区の区域内に置くことを定めている。
- ^ 塔部込みでは兵庫県警察本部庁舎の110mを上回る。
- ^ 自転車の防犯登録ステッカーが「xx県(府・道)警(察)」「警視庁」となっていることや、報道での「xx県(府・道)警と警視庁が合同捜査本部を設置」といった表現などが例として挙げられる。
- ^ 2012年11月までは、各島を管轄する警察署・駐在所で受理していた。
出典
- ^ a b c d e 警視庁創立100年記念行事運営委員会 1974, p. 419.
- ^ 警視庁創立100年記念行事運営委員会 1974, p. 420.
- ^ “組織について | 警視庁で働くとは | 令和5年度警視庁採用サイト”. www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp. 2023年8月1日閲覧。
- ^ 具体的な警察署の名称については警視庁の設置に関する条例(昭和29年東京都条例第52号)13条及び別表第1参照
- ^ a b 日本政治学会 『年報政治学』64巻 (2013) 1号 p.319-333
- ^ 警視庁創立100年記念行事運営委員会 1974.
- ^ https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/150th/index.html
- ^ a b 警視庁創立100年記念行事運営委員会 1974, p. 418.
- ^ 警視庁創立100年記念行事運営委員会 1974, p. 55.
- ^ 下川耿史『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p.385 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
- ^ 警視庁創立100年記念行事運営委員会 1974, p. 429.
- ^ 警視庁創立100年記念行事運営委員会 1974, p. 306.
- ^ “警視庁の統計(平成30年)”. 警視庁の組織 (PDF). 2020年6月28日閲覧。
- ^ a b c 『人事異動発令通知(R6.4.5付) (PDF)』警察庁、2024年4月5日。
- ^ “採用案内 警視庁職員Ⅰ類 - 7 採用、給与及び昇任制度”. 警視庁. 2015年9月2日閲覧。
- ^ “採用案内 警視庁職員Ⅱ類 - 7 採用、給与及び昇任制度”. 警視庁. 2015年9月2日閲覧。
- ^ “採用案内 警視庁職員Ⅲ類 - 7 採用、給与及び昇任制度”. 警視庁. 2015年9月2日閲覧。
- ^ asahi.com (2003年12月4日). “警視庁元警部、犯歴漏らした疑いで書類送検 武富士事件”. 朝日新聞社. 2010年4月30日閲覧。
- ^ 「拘置中の男が巡査長を恐喝、500万円脅し取る・警視庁玉川署」読売新聞
- ^ 警部補、殺人・強制わいせつの捜査書類7件放置 読売新聞 2013年3月15日
- ^ MSN産経ニュース (2009年9月2日). “白バイ隊員、スピード違反の記録ねつ造で書類送検 警視庁”. マイクロソフト. 2010年4月30日閲覧。
- ^ 不倫でコケる人、コケない人…組織トップが女で失敗するワケ 夕刊フジ
- ^ 警視庁、「教団のテロ」と発表 長官銃撃事件の時効受け 時事通信 2010年3月30日
- ^ 警視庁発表は「名誉毀損」=アレフ勝訴、都に賠償命令-長官銃撃訴訟・東京地裁 時事通信2013年1月15日
- ^ 国際テロ情報ネット流出=内部文書か、交換ソフトで拡散[1][リンク切れ]
- ^ 警視庁:テロ捜査資料流出 海外サーバーを経由 流出元の捜査困難に[2][リンク切れ]
- ^ 公安部捜査費詐取の疑い=巡査部長を書類送検、免職-交際女性と飲食・警視庁 時事通信 2010年12月17日
- ^ 警視庁巡査部長、事故の相手にウソの電話番号 読売新聞 2012年4月12日
- ^ 警視庁警視 業務上横領容疑で捜査 捜査費二十数万円 - スポーツニッポン 2012年10月11日
- ^ 放置自転車修理し路上に…「わな」仕掛けた警官 読売新聞 2013年11月23日
- ^ 警察官が個人情報調査の疑い NHKニュース 2013年11月27日
- ^ 行方不明:拳銃所持し不明の警官、栃木で逮捕 銃刀法違反容疑 毎日新聞 2013年10月19日
- ^ 警視庁蒲田署の警官自殺:原因はパワハラ 上司の警部補を減給 毎日新聞 2014年4月22日
- ^ 女性警官を殺害後、巡査の男自殺か 埼玉・狭山 日本経済新聞 2014年4月12日
- ^ 警視庁:時効の証拠品など1万点放置 地検に送らず 毎日新聞 2014年9月26日
- ^ 捜査費着服:容疑で警部補書類送検 警視庁 毎日新聞 2015年1月24日
- ^ 警視庁の警官、体触った疑い 埼玉県警、逮捕 朝日新聞 2015年4月23日
- ^ 「スリルたまらず…」盗撮常習か? 巡査部長を書類送検 停職1カ月処分で辞職 産経新聞 2015年6月19日
- ^ 2警官自殺 上司を訓戒処分 書き置きに同じ名前 警視庁 毎日新聞 2016年7月8日
- ^ “少年に自白強要の高井戸署は、萩原流行死亡事故でも隠蔽の過去! 児童買春、覚せい剤、裏金隠し...警察の不祥事隠蔽”. LITERA 2017年8月12日(土)18時30分. 2020年7月26日閲覧。
- ^ 守秘義務違反 交際組員に捜査情報 容疑の女性巡査を書類送検 警視庁 毎日新聞 2018年3月19日
- ^ 58歳警視 路上で女性の体を触った疑い 酒に酔っていたか NHKニュース 2018年7月13日
- ^ GPS捜査で偽証の疑い 警視庁の警部ら4人を書類送検 NHKニュース 2018年11月30日
- ^ “パトカーにはねられ重体の5歳男児が死亡 東京・四ツ谷駅前”. 毎日新聞 2019年9月13日 18時43分. 2020年7月26日閲覧。
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- ^ “警察署の当直中に責任者が飲酒 警視庁警視を懲戒処分”. 産経新聞 2020.7.3 17:35. 2020年7月27日閲覧。
- ^ “警視庁捜査1課の男を詐欺容疑で書類送検「将来備えて」”. 朝日新聞 2020年7月17日 22時00分. 2020年8月3日閲覧。
- ^ “警視庁職員の54歳男逮捕 死亡ひき逃げ疑い”. 日本経済新聞 2020/7/19 23:38. 2020年7月20日閲覧。
- ^ “警視庁職員が死亡ひき逃げか「通勤を優先させた」”. テレビ朝日ニュース 2020/7/20 12:03. 2020年7月20日閲覧。
- ^ “警視庁警視、通勤に公用車 高速を無料利用、減給処分”. 千葉日報 2020年11月20日 19:46. 2021年2月3日閲覧。
- ^ “同僚の現金抜き取り懲戒 警視庁の機動隊員”. 産経新聞 2020.12.18 19:23. 2021年1月13日閲覧。
- ^ “警察署内の自分の引き出しから覚醒剤 所持容疑で警部補を現行犯逮捕”. 朝日新聞. (2022年4月10日) 2022年5月8日閲覧。
- ^ “「注意力散漫だった」 国葬応援の警察官の拳銃を紛失、警部補減給”. 朝日新聞. (2022年10月7日) 2022年10月11日閲覧。
- ^ 稲葉圭明『警察のウラ知識』宝島社、2021年。ISBN 978-4-299-01336-1。
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