船級協会 船級協会 (Classification Society)と検査会社(RO:Recognized Organizations)

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船級協会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/09 00:02 UTC 版)

船級協会 (Classification Society)と検査会社(RO:Recognized Organizations)

日本語では船級協会と検査会社は同じ意味として使われるが、少なくとも英語では船級協会 (Classification Society)と検査会社(RO:Recognized Organizations)は同じ意味としては使われていない。英語を日本語に翻訳すると検査会社ではなく、認定代行機関となる。認定代行機関(recognized organization:以下、「RO」と言う)とは、SOLAS 条約(海上人命安全条約)やMARPOL 条約(海洋汚染防止条約)などの国際条約又は船籍国の国内規則に基づき検査を行い、証書を発給する権限を、当該船籍国政府から与えられた機関を言う[9]。しかし全てのROが船級協会ではない。ROのウェブサイトには船級協会と同じように独自の規則がある、船級証書を発給するとか記載してあるが、明確な規則を持ってなかったり、船級証書を発給するための明確な基準がないROも存在する。IMOの要求として全てのROはISO9002、またはISO9000と同等の認定を受けている。ROに関する最低限の要求は「Resolutions A.739(18) on Guidelines for the authorization of organizations acting on behalf of the Administration」と「Resolutions A.789(19) on Specifications on the survey and certification functions of recognized organizations acting on behalf of the Administration」で明記されている[10][11][12]

しかしながらResolutions A.739(18)とResolutions A.789(19)の要求を満足していないROが存在する。ひどいROになるとResolutions A.789(19)の要求をほとんど守れていない。検査し、証書を発給した船舶がサブスタンダード船である割合が、ROが要求を満足していない根拠として判断できる。サブスタンダード船の問題は問題のあるROを承認した、そして/または問題のあるROの承認を取り消さない便宜置籍船国の責任でもあるが、RO責任がある。ROを評価するためのデーターの一つはMOUで公表される船舶出港停止命令を受けた船舶リスト[13]と年次レポートの「PERFORMANCE OF RECOGNIZED ORGANIZATION」である[14][15]

ヨーロッパでは船舶の重大事故をきっかけに船級及びROに対する具体的な基準や責任について議論されるようになった。1999年12月下旬にフランス沖で沈没した原油タンカーエリカ号英語版の事故は船級システムの仕組みの明らかな不備を浮き彫りにした。結果として、新指令2001/105/ECが欧州理事会と欧州議会によって採択された。導入された主要な点は以下のとおりである。

  • (1994 年の指令のように加盟国単体でなく)欧州委として、より直接的にRO の監査、監督に関与する。欧州委は、代行の認定と取り消しにも決定権限を有するようになる。
  • 充分な安全性と汚染防止記録及び実績の評価のためのより洗練された基準が、代行の認定と維持の条件となった。特にRO の実績は、それが検査を担当する全船舶に対して船籍に関係なく評価される。評価は事故、損失、PSC 拘留データをもとに行われる。
  • 代行の「認定」と「取り消し」の中間的な措置を監督当局がとれるようにするために、成績の悪いRO に対する新たな罰則が導入された。改正指令が施行された場合、代行を期限付き(1 年以内)で停止することができる。
  • 船舶の船級が変更される場合の情報の引き継ぎ手続きを厳守するため、国際船級協会連合(IACS)の「船級変更協定(Transfer Of Class Agreement, TOCA)」の主要な諸条項が、この指令に組み込まれた。
  • EU 内の船籍国のために法的権限を行使する場合、RO に適用される賠償責任条項に関する統一化が図られた。重過失の場合には、無限責任の原則が、それほど重大でないケースには有限責任が導入される[9]

東京MOUの年次レポート2012によるともっとも酷い実績のUnion Bureau of Shippingは船級ではないが、カンボジア政府に承認されているRO(認定代行機関)である。2010年から2012年の東京MOUのレポートによるとUnion Bureau of Shippingは3年連続でワーストワンのROとなっている[16][17][15]




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