相 (言語学) 相 (言語学)の概要

相 (言語学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 03:57 UTC 版)

「相」はもともとスラヴ語派に見られる完了性と不完了性の対立を呼ぶ言葉であった。なおロシア語の場合、「相」ではなく「体」を用いて「完了体」「不完了体」とするのが慣例である。以前は古典語の文法解説において voice を「相」と訳しているものが多かったが、現代では aspect を「相」と呼んで voice はと呼ぶようになっている。

事象について相が表現する内容として次のようなものがある:

  • 完結してまとまっているか、それとも未完結で広がっているか
  • 瞬間的なのか、継続的か、断続的か、反復するのか、やがて終わるのか

結果や経験を表す完了形 (perfect) と、出来事を全体としてとらえる完結相 (perfective) はしばしば混同されるが、実は異なるものである。

相は、多くの言語において時制と組み合わされた形態(現在進行形、現在完了形など)で存在するが、スラヴ語などでは時制と区別される独立のカテゴリーを形成している。ロジバンでも、アスペクトを表現する相制が間制(時間と空間のテンス)と法制(法)に対して独立している。ただしこれらの制用法は同じ統語論原理に基づいており、自由に組み合わせられる。




「相 (言語学)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「相 (言語学)」の関連用語

相 (言語学)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



相 (言語学)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの相 (言語学) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS