水資源機構 活動内容

水資源機構

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/06 14:20 UTC 版)

活動内容

  • 水の安定供給
    • 水系管理・ダム管理
    • 水質保全、洪水調節操作など
  • 広報・啓蒙活動
    • 広報誌「水とともに」

機構管理ダム一覧

備考:黄色欄は建設中・計画中、赤色蘭は中止に伴う地域整備中のダム(2017年5月現在)。

ダム事業本部管理(国土交通省所管)

ダム事業本部が管理を行うダムは、その全てにおいて洪水調節目的を有する。従って全てのダムが多目的ダムとなる。だが、水資源機構自体が治水を積極的に行うという訳ではなく、国土交通大臣の委託を受けて管理を代行しているという位置づけである。そのため、ただし書き操作などの重大な洪水調節が必要となった場合には、国土交通大臣が直接ダム操作の指揮を行うことがある(実際の業務は所管の地方整備局が行う)。

多くのダムは元来建設省(国土交通省)が予備調査や実施計画調査に着手した後に、「水資源開発基本計画」の変更によって移管された経緯がある。機構が計画段階より手掛けたダムは青蓮寺ダムが最初となる。

水系 一次
支川
(本川)
二次
支川
三次
支川
ダム名 堤高
(m)
総貯水
容量
(千m3)
型式 着手
(年)
完成
(年)
備考
利根川 利根川 矢木沢ダム 131.0 204,300 アーチ式 1959 1967 建設省より移管
利根川 利根川 利根川河口堰 7.0 90,000 可動堰 1962 1970
利根川 楢俣川 奈良俣ダム 158.0 90,000 ロックフィル 1973 1990
利根川 烏川 神流川 下久保ダム 129.0 130,000 重力式 1959 1968 建設省より移管
利根川 渡良瀬川 草木ダム 140.0 60,500 重力式 1965 1976 建設省より移管
利根川 渡良瀬川 思川 南摩川 南摩ダム 86.5 51,000 ロックフィル 1969 2024 建設中
荒川 中津川 滝沢ダム 140.0 63,000 重力式 1969 2008 建設省より移管
荒川 浦山川 浦山ダム 156.0 58,000 重力式 1972 1998 建設省より移管
木曽川 木曽川 味噌川ダム 140.0 61,000 ロックフィル 1973 1996 建設省より移管
木曽川 阿木川 阿木川ダム 101.5 48,000 ロックフィル 1969 1990 建設省より移管
木曽川 飛騨川 馬瀬川 岩屋ダム 127.5 173,500 ロックフィル 1966 1976 建設省より移管
中部電力と管理
木曽川 長良川 長良川河口堰 可動堰 1968 1994
木曽川 揖斐川 徳山ダム 161.0 660,000 ロックフィル 1971 2008 建設省より移管
淀川 姉川 高時川 丹生ダム 145.0 150,000 ロックフィル 1980 中止 建設省より移管
建設中止
淀川 桂川 日吉ダム 67.4 66,000 重力式 1971 1997
淀川 木津川 前深瀬川 川上ダム 84.0 31,000 重力式 1981 2022 建設中
淀川 木津川 名張川 比奈知ダム 70.5 20,800 重力式 1972 1998
淀川 木津川 名張川 高山ダム 67.0 56,800 重力式アーチ 1958 1968 建設省より移管
淀川 木津川 名張川 青蓮寺川 青蓮寺ダム 82.0 27,200 アーチ式 1964 1970
淀川 木津川 名張川 宇陀川 室生ダム 63.5 16,900 重力式 1966 1973 建設省より移管
淀川 木津川 布目川 布目ダム 72.0 17,300 重力式 1975 1991
淀川 神崎川 猪名川 一庫大路次川 一庫ダム 75.0 33,300 重力式 1968 1983
吉野川 吉野川 早明浦ダム 106.0 316,000 重力式 1963 1977 建設省より移管
吉野川 吉野川 池田ダム 24.0 12,650 重力式 1968 1974
吉野川 銅山川 富郷ダム 111.0 52,000 重力式 1974 2000 建設省より移管
吉野川 銅山川 新宮ダム 42.0 13,000 重力式 1969 1975
吉野川 旧吉野川 旧吉野川河口堰 7.3 4,930 可動堰 1968 1976
吉野川 旧吉野川 今切川 今切川河口堰 可動堰 1968 1976
筑後川 筑後川 筑後大堰 13.8 5,500 可動堰 1974 1984
筑後川 赤石川 大山ダム[2] 94.0 19,600 重力式 1983 2012
筑後川 小石原川 小石原川ダム 129.0 40,000 ロックフィル 1992 2019 建設中
筑後川 佐田川 寺内ダム 83.0 18,000 ロックフィル 1970 1979

水路事業本部管理(農林水産省・厚生労働省・経済産業省所管)

水路事業本部管理のダムは、その目的が灌漑上水道工業用水道に特化しているものがほとんどであり、洪水調節目的を持つものは無い。従って多目的ダムであっても「河川総合開発事業」で建設される多目的ダムとは異なり、国土交通省の専管外となる。

農林水産省農村振興局が所管する灌漑事業(国営農業水利事業・土地改良事業・かんがい排水事業)や厚生労働省健康局水道課が所管する上水道事業、経済産業省経済産業政策局が所管する工業用水道事業と密接に関係しており、大島ダムなど一部のダムは元来農林水産省直轄ダムであったものが移管されている。また愛知用水公団の事業をそっくり受け継いだ経緯もある。ダムの他愛知用水香川用水見沼代用水など全国の主要な用水路の多くも、水路事業部の管轄である。

アースダムが多いのも特徴の一つで、日本における大規模アースダムの大半が水路事業部管理のダムである。さらに河道外に建設される例もある。用水の取水口があるダムも機構管理である事が多いが、他事業者の管理ダムを利用している例もある。挙例すれば愛知用水の取水口がある兼山ダム木曽川)や木曽川用水の取水口がある上麻生ダム飛騨川)、群馬用水の取水口がある綾戸ダム(利根川)がそれであり、これらは電力会社管理ダムである。

水系 一次
支川
(本川)
二次
支川
三次
支川
ダム名 堤高
(m)
総貯水
容量
(千m3
型式 着手
(年)
完成
(年)
関連
用水路
備考
利根川 利根川 利根大堰 可動堰 1963 1968 武蔵水路
見沼代用水
埼玉用水路
邑楽用水路
荒川 荒川 秋ヶ瀬取水堰 可動堰 1965 武蔵水路
朝霞水路
作田川 作田川 東金ダム 28.3 2,300 アース 1970 1993 房総導水路
村田川 長柄川 長柄ダム 52.0 10,000 アース 1965 1989 房総導水路
豊川 宇連川 宇連ダム 69.0 29,110 重力式 1949 1958 豊川用水
豊川 宇連川 大野頭首工 26.0 1,096 重力式 1961 豊川用水
豊川 宇連川 大島川 大島ダム 69.4 12,300 重力式 1989 2001 豊川用水 農林水産省
より移管
(河道外) 初立ダム 22.5 1,700 アース 1966 豊川用水 初立池
(河道外) 駒場ダム 24.6 45 アース 1968 豊川用水
木曽川 木曽川 木曽川大堰 可動堰 1974 木曽川用水
木曽川 王滝川 牧尾ダム 104.5 75,000 ロックフィル 1957 1961 愛知用水
東濃用水
木曽川 加茂川 蜂屋川 蜂屋ダム 30.0 631 アース 1975 1978 木曽川用水
(河道外) 上飯田調整池 16.1 70 アース 1965 1975 木曽川用水
境川 東郷ダム 31.0 9,000 アース 1961 愛知用水 愛知池
(河道外) 三好ダム 20.0 2,235 アース 1958 愛知用水 三好池
(河道外) 佐布里ダム 21.0 5,300 アース 1965 愛知用水 佐布里池
員弁川 相場川 砂子谷川 中里ダム 46.0 16,400 アース 1964 1976 三重用水
朝明川 田光川 田口川 宮川調整池 27.0 820 アース 1964 1980 三重用水
鈴鹿川 椎山川 加佐登調整池 28.7 3,100 アース 1964 1983 三重用水
三滝川 赤川 菰野調整池 28.4 1,650 アース 1971 1989 三重用水
筑後川 小石原川 江川ダム 79.2 25,326 重力式 1967 1972 福岡導水
両筑平野用水
筑後川 宝満川 卯ヶ原川 山口川 山口調整池 60.0 3,900 ロックフィル 1986 1998 福岡導水

脚注


  1. ^ 建設省十五年小史, 建設広報協議会, (1963年10月1日), p. [要ページ番号] 
  2. ^ 大山ダムに設置されたホタルビオトープは、ハビタット評価認証制度におけるJHEP認証を取得している。


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