圓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 15:33 UTC 版)
韓国
朝鮮半島においては1892年まで、常平通寶(葉銭)一文銭および折二銭(二文銭)、その他、五文、十文などの大型銭が流通していた。
開国492年(1883年)には近代的幣制を施行するため典圜局が設立され、旧来の1000文を一圜(Warn、Whan)に等価と定め、開国497年(1888年)から量目416グレーン、品位90%の一圜銀貨、およびその補助貨幣である1/5圜に相当する一兩銀貨(Yang)などの発行が始まった。
光武元年(1897年)、大韓帝国が成立し、光武6年(1902年)には1圜(원、Won) = 100銭(Chon)と通貨単位が改正された。この원は、朝鮮語で図形の円を表す文字である。光武9年(1905年)6月からは大阪造幣局において韓国の貨幣の製造を請負うこととなった。これらは日本の貨幣と量目、品位が同一で、図案も酷似していた。
1910年8月22日の日韓併合後、1911年1月に朝鮮総督は旧韓国貨幣条令に基づく貨幣は今後一切製造せず、将来は日本の貨幣法に基づく貨幣に統一することを申し合わせた。1918年4月1日に韓国において日本の貨幣法が施行された[7]。
第二次世界大戦後1945年に朝鮮銀行は解体し、アメリカ統治下で大韓民国においては暫定的なウォンが発行され、1950年には韓国銀行が設立されて大韓民国ウォンが発行されるようになった。一方、朝鮮民主主義人民共和国ではソビエト連邦統治下で1947年12月6日に日本統治時代の通貨と置き換える形で朝鮮民主主義人民共和国ウォンが発行されるようになった。中華圏ではそれぞれ「韓圓(韓元)」、「朝鮮圓(朝鮮元)」と表記される。
- ^ a b c 刀祢館正久 『円の百年―日本経済側面史』 朝日選書、1986年
- ^ 三上隆三 『江戸の貨幣物語』 東洋経済新報社、1996年
- ^ a b Chester L. Krause and Clofford Mishler, Colin R. Brucell, Standard catalog of WORLD COINS, Krause publications, 1989.
- ^ 貨幣制度調査会 『貨幣制度調査会報告』 1895年
- ^ a b c 三上隆三 『円の社会史―貨幣が語る近代』 中公新書、1989年
- ^ 明治財政史編纂会編 『明治財政史(第11巻)通貨』 大蔵省編纂、1905年
- ^ a b 『明治大正財政史(第13巻)通貨・預金部資金』 大蔵省編纂、1939年
- ^ モンゴル科学アカデミー歴史研究所『モンゴル史』恒文社1988, pp.245-246
- ^ 平石国雄、二橋瑛夫 『世界コイン図鑑』 日本専門図書出版、2002年
円
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