圓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 15:33 UTC 版)
台湾
台湾においても中国本土と同様にメキシコドルなど大型銀貨が流通していたが、1870年代以降は日本の一圓銀貨も流入し始め次第にシェアを拡大していき、刻印の打たれたものは「粗龍銀」、打たれていないものは「光龍銀」と呼ばれて流通していた。
しかし1897年に日本が金本位制を主軸とする貨幣法を施行してから一圓銀貨の製造は停止され、日本国内では1898年4月1日限りで廃貨となり、日清戦争以降日本の支配下にあったためこの一圓銀貨の廃止は台湾に多大な影響を与えるものであった。そこで暫定措置として1897年10月22日から、一圓銀貨に丸銀を打ったものを台湾に回送して公納および政府の支払いに用いることを認めた。しかし丸銀の刻印の有無により通用の可否が決まるということでは混乱を招くため、11月21日からは刻印の有無に拘わらず通用を認めた。
1898年7月30日には一圓銀貨は台湾総督の告示する時価において無制限通用となった。1901年からは旧来の一圓銀貨と全く同形式の台湾銀行券引換元圓銀が製造され台湾に回送されることとなった。しかし銀相場は不安定な動向であったため1911年4月1日に、台湾にも日本の貨幣法が施行された[7]。
中華民国38年(1949年)6月15日から、国共内戦により台湾に逃れてきた中華民国政府により新台湾ドルが発行されることとなった。この通貨単位の表記は旧来からの「圓」が現在も引き継がれている。
通貨の補助単位として1圓(ドル、元、Yuan、NT/NTD)の1/10の10セントは「角(Chiao)」と表記する。
- ^ a b c 刀祢館正久 『円の百年―日本経済側面史』 朝日選書、1986年
- ^ 三上隆三 『江戸の貨幣物語』 東洋経済新報社、1996年
- ^ a b Chester L. Krause and Clofford Mishler, Colin R. Brucell, Standard catalog of WORLD COINS, Krause publications, 1989.
- ^ 貨幣制度調査会 『貨幣制度調査会報告』 1895年
- ^ a b c 三上隆三 『円の社会史―貨幣が語る近代』 中公新書、1989年
- ^ 明治財政史編纂会編 『明治財政史(第11巻)通貨』 大蔵省編纂、1905年
- ^ a b 『明治大正財政史(第13巻)通貨・預金部資金』 大蔵省編纂、1939年
- ^ モンゴル科学アカデミー歴史研究所『モンゴル史』恒文社1988, pp.245-246
- ^ 平石国雄、二橋瑛夫 『世界コイン図鑑』 日本専門図書出版、2002年
円
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