国鉄14系客車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 00:36 UTC 版)
現状(座席車)
2023年4月1日時点で、2社に11両が在籍する[42]。
以上4両は「SL冬の湿原号」用改造車。
- 西日本旅客鉄道
- 網干総合車両所宮原支所(7両)
- オロ14形 : 706・707・708・709・710
- スロフ14形 : 703・704
- 網干総合車両所宮原支所(7両)
以上7両は「サロンカーなにわ」改造車。
譲渡
日本国内
- 樽見鉄道 - 1994年4月1日にJR東海が所有していた14系5両(オハ14 5・8・13、スハフ14 2・4)が譲渡され[43]、オハ2000形・スハフ2200形[注 28]として通学や花見輸送などの輸送力列車に用いられたが、2006年3月に廃車となった。
- 東武鉄道 - 2005年5月にJR四国へJR東海が所有していた14系4両(スハフ14 1・5、オハ14 1、オハフ15 1)が譲渡され、高松運転所に配置されたが、2016年3月31日付でJR四国からは除籍された[44]。これらは、東武鉄道が蒸気機関車復活運転を行うため譲渡された[36]。また、東武への譲渡前に該当4両の試運転が行われている[45]。2017年8月10日に運行開始が予定される東武でのSL名称は「大樹」(たいじゅ)に決定し、形式名も変更せず[37][46][47]、車籍に入っている[38][48]。そして、2017年2月にJR北海道札幌運転所所属だった14系4両(オハ14 504・505、スハフ14 501・508)も東武鉄道への譲渡のために甲種輸送され[34]、同年3月26日にSL「大樹」の運行を前にして南栗橋車両管区にてC11 207けん引で元JR北海道車14系2両(オハ14 504・505)+車掌車(ヨ8709)の組成でSL撮影会・試乗会が実施され、他のSL使用客車も留置されていた[49][50]。当初は、元JR北海道車14系4両は発電システムを始めとした各部品の部品取り用としていた[38]。ただし、元JR北海道車のオハ14 505は2019年4月13日より3両編成の中間車として運行開始[39][51]、その運行に先駆けて同月5日に下今市駅でオハ14 505の見学会が行われた[52]。スハフ14 501は編成増強のため復元工事を行い、急行はまなす時代のシートモケットの柄や車掌室側に在った自販機設備を撤去して14系0番台と同様の構造に復元し、2020年8月より運行を開始した[53]。
- 大井川鐵道 - JR北海道より元「はまなす」用の座席車4両(スハフ14 502・557、オハ14 511・535)を購入した。2016年6月11日に搬入・載線作業が行われ[33]、運用開始は2017年6月としていたが[31][54]、2021年現在も運用に入っていない。2018年3月現在では別途で譲渡購入した元「SLやまぐち号」用12系の留置場所確保のために千頭駅で留置されている[41]。
日本国外
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タイ国有鉄道
JR西日本からタイ国鉄に対し、2004年(14系20両)と2008年(24系寝台車28両、14系寝台車4両)とJR北海道から2016年(14系500番台仕様座席車10両)の3回にわたり、廃車となった寝台車および座席車計52両が譲渡された。タイの鉄道は1m軌間であるため導入に当たって台車の改造を行っている他、低床ホームに対応するためのステップ増設・トイレ改造(タイ式文化に合わせ、汚物タンクを撤去した)・塗色変更(妻面を警戒色に変更。側面は日本時代と同じ塗色)などを行って使用されている。全長や全幅などが従来のタイ国鉄車両の規格を超えるため、運用区間は限定されている。また現地にて12系などと発電セットを交換することも頻繁で、一部には25形寝台車にも発電セットを積み14系15形然とした改造をしたものも発生した。また、一部は貴賓車に改造されている。
-
タイ国鉄旧塗色
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タイ国鉄新塗色
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貴賓車
- 2004年譲渡車
- オハ14形 : 74(タイ国鉄A.S.C101)・75(タイ国鉄A.S.C102)・76(タイ国鉄A.S.C103)・78(タイ国鉄A.S.C104)・79(タイ国鉄A.S.C105)・80(タイ国鉄A.S.C106)・81(タイ国鉄A.S.C107)(オハ14 80 : 2009年事故廃車)
- オハフ15形 : 21(タイ国鉄A.S.C108)
- オハネ14形 : 33(タイ国鉄A.N.S101)
- オハネ15形 : 10(タイ国鉄A.N.S102)・11(タイ国鉄A.N.S103)・25(タイ国鉄A.N.S104)
- スハネフ14形 : 25(タイ国鉄A.N.S105初代)・50(タイ国鉄A.N.S106初代)
- スハネフ15形 : 5(タイ国鉄A.N.S107初代)・6(タイ国鉄A.N.S108初代)・9(タイ国鉄A.N.S109初代)・10(タイ国鉄A.N.S110初代)・11(タイ国鉄A.N.S111初代)・13(タイ国鉄A.N.S112初代)
- 2008年譲渡車
- スハネフ15形 : 8(タイ国鉄A.N.S203)・15(タイ国鉄A.N.S204)・17(タイ国鉄A.N.S205)・18(タイ国鉄A.N.S206)
- 2016年譲渡車
- オハ14形 : 503・507・508・510・531
- スハフ14形 : 506・509・551・555・556
フィリピン国鉄
また、JR東日本からも座席車5両がフィリピン国鉄に譲渡された[55]が、運用を終了している。
- 2000年譲渡車
- オハ14形: 53(フィリピン国鉄7A2003)・54(フィリピン国鉄7A2004)・204(フィリピン国鉄7A2004)
- スハフ14形:48(フィリピン国鉄7A2001)・49(フィリピン国鉄7A2002)
2010年度にJR東日本からフィリピン国鉄に譲渡された14系寝台車(旧・北陸用)は南方線でビコール・エクスプレスとして、2010年6月29日にマニラ - ナガ区間の運行を開始したが、2012年10月の台風で運休。路線は復旧工事完了したものの、2018年1月現在で運行再開の政府許可が降りていない。また、14系客車自体が老朽化しており留置状態が続いている。その内の4両がカロカーン車両工場屋外に留置されたままである[56]。
- 2010年譲渡車
マレーシア鉄道公社
2010年3月29日には、JR九州のオロネ15形1両・オハネ15形3両・スハネフ14形1両・スハネフ15形1両の寝台車6両も廃車扱いにされ[15]、谷山港からマレーシア鉄道公社へ譲渡された[17]。
2010年11月にJR西日本は「ムーンライト九州」「リゾート&シュプール」などに使用されていた座席車7両をマレーシア鉄道公社に譲渡すると発表した[58]。
- 元JR西日本車[59][57]
- オハ14形:185(マレーシア鉄道公社の車籍不明)・257(マレーシア鉄道公社BSC2005)
- スハフ14形:11(マレーシア鉄道公社BSC2002)・202・204(当2両はマレーシア鉄道公社の車籍不明)
- オハフ15形:23(マレーシア鉄道公社BSC2003)・42
- 元JR九州車[17]
- オロネ15形:3001(マレーシア鉄道公社BDNF101)
- オハネ15形:1102(マレーシア鉄道公社BDNS2701)・1246(マレーシア鉄道公社BDNS2702)・2004(マレーシア鉄道公社BDNF1102)
- スハネフ14形 :6(マレーシア鉄道公社BDNS2705)
- スハネフ15形 :2(マレーシア鉄道公社の車籍不明)
日本国内の保存車
画像 | 番号 | 所在地 | 備考 |
---|---|---|---|
スハフ14 2 | 元樽見鉄道の車両で、カットモデル。 | ||
スハフ14 4 | トロッコ嵯峨駅 ※解体済み[要出典] |
元樽見鉄道の車両で、カットモデルだった。 | |
スハネ14 757 | 茨城県東茨城郡大洗町 大洗キャンプ場 ※解体済み |
||
オロネ14 703 スハネ14 703 スハネフ14 35 |
栃木県那須烏山市白久218-1 那珂川清流鉄道保存会[60][17] |
||
スハネフ14 20 | 山梨県富士吉田市新町2丁目 下吉田ブルートレインテラス[61][62][63][18] |
富士急行下吉田駅構内に設置[62]。「北陸」の廃止まで使用されていた車両。 | |
スハネフ14 11 | 福岡県北九州市門司区清滝2丁目3-29 九州鉄道記念館[64][18][65] |
||
オハネ15 2003 オハネ15 6 スハネフ14 3 |
熊本県球磨郡多良木町大字多良木1534-2 ブルートレインたらぎ[66][17][65] |
くま川鉄道湯前線多良木駅前に設置、列車ホテルとして利用。 | |
スハネ14 706 | 熊本県菊池市 ※解体済み |
オロネ25 3とともに保存されていた[67]。 | |
オロネ15 3005 スハネフ14 5 |
大分県日田市中ノ島635-1 日田天領水の里 元氣の駅 「寝台特急富士」展示場 ※解体済み |
ED76形電気機関車91号機と連結された状態で屋根下に保存されていた[17][65]。 2021年8月、老朽化のため機関車と共に解体撤去された[68]。 |
注釈
- ^ 北陸トンネル火災事故の火災対策において、国鉄24系客車との製造および電源方式において併結問題での兼ね合いもある。
- ^ 12系をベースに設計されたため、試作車のB寝台車2形式は、当初「12系寝台車オハネ14形・スハネフ14形」として製造された。後にA寝台車・食堂車を含む量産車が登場した段階では「14系寝台車」と規定されている。
- ^ 14形と15形では定員や消火装置の有無などが異なるが、元々12系客車をベースとした共通の給電方式であり、その後24系25形寝台車の編入車が増えてきたこと、14形・15形自体の両数が減少しているなどの理由から、その後は14形・15形を区分することに意味がなくなりつつある[4]。
- ^ 1971年 大井工場で「旅客車のサービス業務省力化」研究の一環としていくつか試作研究された中から採用に至ったもの。この中では新幹線・特急用座席の自動転換や、581系上段・中段寝台を自動で回転設置・収納するというものも試作されていた。
- ^ 大窓1つあたり1ボックス6名×8窓分で48名となる。20系ナハネ20形は9ボックス定員54名であり1ボックス分減少している。
- ^ ナハフ21(および改造後のナハネフ21)、ナハネフ23の各形式。
- ^ ナハフ20(および改造後のナハネフ20)、ナハネフ22の各形式。
- ^ 量産車は新製時より非搭載。試作車についても、後年になり両方とも撤去されている。
- ^ 最初の事例は1984年(昭和59年)に登場した「さくら」・「みずほ」に連結されたオハネ14形700番台4人個室寝台「カルテット」である。
- ^ 24系25形で運行されていた「あかつき・明星」で分割併合に対応するため、20系電源車のカニ22形を改造したカニ25形を分割区間での電源車として連結している。
- ^ 2段寝台を向かい合わせに大窓1つに1ボックス×8で32名+小窓1枚に2段寝台1組2名。
- ^ 寝台設置・解体のための車掌補は廃止され、また2段寝台化により寝台内での着替えが容易になった。
- ^ 後に14形も改造され同様の装置が取り付けられた。
- ^ うち1両はオハネフ24形改造の100番台。
- ^ 1978年10月より、JR化以降の1998年7月まで「出雲1・4号」
- ^ 当初はキハ400系気動車に準じたものだったが、特急化されてからはキハ183系に合わせた塗色に変更。
- ^ 本形式のAU13形冷房装置には、冬季でも運転可能なように送風ファンの上にカバーが付けられていることから12系のAU13形よりも高さが10cmほど高い。そのため、車両限界内に収めるために屋根高さを10cm低くして対応した。
- ^ 1975年3月ダイヤ改正で関西 - 九州間の定期急行列車に当系列が使用されることになったが、旧形客車時代に連結していた荷物車を引き続き連結する必要があったため、マニ37形の一部を当系列との併結ができるように対応改造した。
- ^ 食堂車オシ14形連結の場合は5両まで
- ^ 製造は富士重工業で、車体長は約15 - 16 メートル、車体幅は約2.7 メートル、車体側窓のシル・ヘッダーはない。1950年代後半に一等車・二等車・近郊列車用三等車・食堂車・荷物車の合計50両が輸出された。現在も近郊列車用三等車の一部が同国北東部のアラゴアス州の州都マセイオの近郊列車で現役を続けている。
- ^ 製造は近畿車輛、川崎車両、日本車輌、日立製作所、新潟鐵工所、帝国車輛、東急車輛、ナニワ工機ほか(パナイ鉄道向けは日立製作所のみ)。形式は7A・7Cなど、車体長は約21 - 22 メートル、車体幅は約2.9 メートル、車体側窓のシル・ヘッダーはない。1949年に1等車、3等車が輸出されたのを皮切りに、1973年までに多数の車両が輸出された。これらの中には日本の戦時賠償によって輸出されたものも存在。現在は定期運用を持たないものの、事業用を含めて数両が現役を続けている。
- ^ インドネシア国内の車両限界に合わせたことから、日本国鉄の車両と比べ、幅が広く、高さが低い点が特徴。
- ^ オハ14 701という車両番号は、ジョイフルトレイン「ホリデーパル」のロビーカーにも存在し、ホリデーパルの廃車まで重複車号となっていた。
- ^ なお、オハ14は合計208両が製造されており、JR東日本に所属されていたオハ14 201 - 208と番号が重複していた。
- ^ 熊本・広島・高松・大阪・名古屋・品川・仙台・盛岡・札幌・秋田・富山・松江・博多。
- ^ スハフ14 5は「ユーロライナー」塗装のままであり使用されずにいたが、塗装変更を受け、2006年(平成18年)11月に土讃線で運転された、「SL急行土佐二十四万石博一豊&千代号」(C56 160牽引)において初めて使用された。
- ^ JR東日本の浪漫(長ナノ)において、1995年11月15日付の改造でオロ14 801-804、スロフ14 801・802は車籍が重複している[18]。
- ^ 実車の車番標記は変更されなかった。
出典
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- ^ 国鉄鋼製客車 pp.67
- ^ グラフでみる営業 寝台車に対する評価 表紙3
- ^ 14系製造予算、p.12。
- ^ 国鉄鋼製客車 pp.68
- ^ 国鉄鋼製客車 pp.70
- ^ 国鉄鋼製客車 pp.75
- ^ 国鉄鋼製客車 pp.77
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- 1 国鉄14系客車とは
- 2 国鉄14系客車の概要
- 3 現状(座席車)
- 4 脚注
固有名詞の分類
国鉄・JRの車両形式 |
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日本国有鉄道の客車 |
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