吉都線吉都線の概要

吉都線
	小林駅停車中のキハ40形
基本情報
通称	えびの高原線
国	日本
所在地	鹿児島県、宮崎県
種類	普通鉄道（在来線・地方交通線）
起点	吉松駅
終点	都城駅
駅数	17駅
電報略号	キチセ
開業	1912年10月1日
所有者	九州旅客鉄道（JR九州）
運営者	九州旅客鉄道
使用車両	運行形態の節を参照
路線諸元
路線距離	61.6 km
軌間	1,067 mm
線路数	全線単線
電化方式	全線非電化
閉塞方式	特殊自動閉塞式（電子符号照査式）
保安装置	ATS-SK
最高速度	85 km/h
路線図
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停車場・施設・接続路線

凡例

肥薩線

0.0

吉松駅

肥薩線

2.6

5.0

9.6

13.0

15.0

20.6

26.8

30.8

34.8

宮崎自動車道

39.4

日向前田駅

43.8

高崎新田駅

宮崎自動車道

48.1

51.0

54.5

57.5

61.6

日豊本線

概要

霧島山の北東側を廻り宮崎県西部のえびの市・小林市と南部の都城市、そして県都宮崎市および鹿児島を結んでいる。日豊本線の都城駅 - 隼人駅間が現在の経路で開通する1932年までは、現在の吉都線都城駅 - 吉松駅間が日豊本線であった。また、1974年から1980年まで博多駅 - 宮崎駅間の特急「おおよど」、1959年から2000年まで熊本駅 - 宮崎駅間の急行「えびの」^{[注 1]}が経由し、肥薩線とともに中九州と南九州を結ぶ役割を持っていた。

山岳部を走る路線としては珍しく、この路線にはトンネルが一つもない。

2008年度分の統計によれば、吉都線の輸送密度は576人/日であり、JR九州の路線のうちで最下位である^[4]。この輸送密度は、国鉄改革の際に廃止された特定地方交通線に選定される水準である。当線は国鉄時代から特定地方交通線なみの輸送密度だったが、「平均乗車キロが30kmを超え、輸送密度が1,000人/日以上」という例外規定に該当したため^[5]、第3次廃止対象特定地方交通線からは除外されていた。

2018年12月25日から2019年4月30日まで、縁起の良い梅やだるま、招き猫などを車体にあしらった「キット、願いかなう」ラッピング列車が運行された。デザインは沿線の小林高校美術部が担当、ネスレ日本（神戸市）の協力を得て、チョコレート菓子「キットカット」とのコラボレーション企画も実施された^[6]^[7]。

路線データ

管轄（事業種別）：九州旅客鉄道（第一種鉄道事業者）
路線距離（営業キロ）：61.6km
軌間：1067mm
駅数：17（起終点駅含む）
- 吉都線所属駅に限定した場合、起終点駅（吉松駅は肥薩線、都城駅は日豊本線の所属^[8]）が除外され、15駅となる。
複線区間：なし（全線単線）
電化区間：なし（全線非電化）
最高速度：85km/h^[3]
閉塞方式：特殊自動閉塞式（電子符号照査式）

全線が鹿児島支社の管轄である（都城駅構内を除く）。

運行形態

2023年3月現在、1日に平日は下り9本・上り8本、土休日は上下8本ずつの普通列車が運転されており、日中は3 - 5時間以上間隔が開く。優等列車の運転はなく、全列車ワンマン運転の普通列車となっている^{[注 2]}。すべての列車が全線を通して運転されており、一部の列車は都城駅から日豊本線に直通して南宮崎駅まで、吉松駅から肥薩線に直通して隼人駅まで運転される。

2012年4月から、日中に線路修繕工事を実施するため、8月を除く毎月第2水曜日の一部列車が運休となる。それに伴うバスやタクシーによる代行輸送は実施されない^[9]。2019年度の修繕工事のための運休は4日の予定である^[10]。

列車利用促進のため、宮崎県では平日チャーター補助制度を実施し、「海幸山幸」専用車両を平日に貸し切り^{[注 3]}、団体専用列車を運行する場合に補助金を交付している^[12]。

脚注

注釈

^ 当初は準急だった。一時期は博多駅にも直通していた。
^ 2016年 3月25日までは、早朝の一部の列車は車掌が乗務していた。
^ かつては「はやとの風」専用車両もチャーターの対象であった^[11]。
^ 当初7月19日までの平日に運行し、その後は復旧作業の状況などを踏まえ発表するとされたが、土休日含め当分の間実施に変更^[25]。

出典

^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、24頁。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o ^p ^q ^r ^s ^t ^u ^v ^w ^x ^y 歴史でめぐる鉄道全路線国鉄・JR 2号、23頁
^ ^a ^b FACt SHEETS 2017 - JR九州
^ 梅原淳「国内鉄道全路線の収支実態」『鉄道完全解明2011』（週刊東洋経済臨時増刊、2011年7月8日）
^ 鉄道ジャーナル1984年11月号NO.213の131頁
^ ^a ^b “JR吉都線ラッピング列車【運行は終了しました】”. 都城市. 2019年7月7日閲覧。^{[リンク切れ]}
^ ^a ^b “吉都線に「キットカット」列車　JR九州”. 日本経済新聞. (2018年12月25日) 2023年3月13日閲覧。
^ 『停車場変遷大事典国鉄・JR編』JTB 1998年
^ “列車運休について” (PDF). 九州旅客鉄道 (2018年3月13日). 2018年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月13日閲覧。
^ “列車運休について” (PDF). 九州旅客鉄道 (2019年4月12日). 2019年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
^ “平日チャーター補助制度”. ぽっぽやみやざき. 宮崎県鉄道整備促進期成同盟会事務局. 2019年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月13日閲覧。
^ “平日チャーター補助制度”. ぽっぽやみやざき. 宮崎県鉄道整備促進期成同盟会事務局. 2023年3月13日閲覧。
^ “キハ40形車両を国鉄復刻カラーで運行！鹿児島車両センターでお披露目会を開催します！”. 九州旅客鉄道株式会社. 2024年2月19日閲覧。
^ “指宿枕崎線などキハ40形国鉄色復刻車両運転”. 鉄道コム. 2024年2月19日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d 今尾恵介・原武史監修『日本鉄道旅行歴史地図帳』12号九州沖縄、新潮社、2011年、p.39
^ 今尾恵介・原武史監修『日本鉄道旅行歴史地図帳』12号九州沖縄、新潮社、2011年、p.41
^ 歴史でめぐる鉄道全路線国鉄・JR 2号、18頁
^ “来月1日から6駅名を変更 JR九州”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1990年10月9日)
^ “九州・西中国地方大雨、各地に被害” 読売新聞 (読売新聞西部本社) 12頁 (1993年6月14日夕刊)
^ ^a ^b “吉都線で築堤崩壊など”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1993年6月4日)
^ ^a ^b “吉都線吉松-都城間1週間ぶり運転再開”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1993年8月16日)
^ 「JRワンマン運転線区一覧表」『JR気動車客車編成表 '99年版』ジェー・アール・アール、1999年7月1日、197頁。ISBN 4-88283-120-1。
^ “九州南部の大雨、JR吉都線で土砂流出バス輸送を実施復旧には時間を要する見込み”. 乗りものニュース (2019年7月4日). 2023年3月13日閲覧。
^ “JR九州、吉都線で代行バス開始　線路下の土流出で”. 日本経済新聞. (2019年7月8日) 2023年3月13日閲覧。
^ “大雨で土砂流出のJR吉都線、バス代行輸送は「当分の間」に変更土休日も実施”. 乗りものニュース (2019年7月4日). 2023年3月13日閲覧。
^ 「吉都線　１カ月ぶり再開」『Miyanichi e-press （宮崎日日新聞）』宮崎日日新聞社、2019年8月2日。2019年8月4日閲覧。
^ “JR九州ダイヤ改正　九州新幹線鹿児島中央午後11時43分発川内行きを廃止　無人化予定の吉松、串木野駅には券売機設置”. 南日本新聞 (南日本新聞社). (2022年3月11日). オリジナルの2022年3月11日時点におけるアーカイブ。 2022年3月26日閲覧。
^ 鹿児島テレビ (2022年3月11日). “ＪＲ吉松駅　有人駅の歴史に幕　鹿児島・湧水町”. FNNプライムオンライン. 2022年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月26日閲覧。
^ 『九州旅客鉄道株式会社人事異動（2022年4月1日付）』（PDF）（プレスリリース）九州旅客鉄道、2022年3月23日。2022年3月25日閲覧。
^ “路線別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2017年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
^ “路線別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2019年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
^ “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2019年8月4日閲覧。
^ “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2022年5月21日閲覧。
^ “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2022年5月21日閲覧。
^ “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2023年3月13日閲覧。
^ “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2023年12月19日閲覧。

[前の解説]

[続きの解説]

「吉都線」の続きの解説一覧

[4] 当初は準急だった。一時期は博多駅にも直通していた。

[10] 2016年 3月25日までは、早朝の一部の列車は車掌が乗務していた。

[14] かつては「はやとの風」専用車両もチャーターの対象であった^[11]。

[29] 当初7月19日までの平日に運行し、その後は復旧作業の状況などを踏まえ発表するとされたが、土休日含め当分の間実施に変更^[25]。

[tetsudoudenpouryakugou-p24-1] 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、24頁。

[sone02-23-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o ^p ^q ^r ^s ^t ^u ^v ^w ^x ^y 歴史でめぐる鉄道全路線国鉄・JR 2号、23頁

[speed-3] FACt SHEETS 2017 - JR九州

[5] 梅原淳「国内鉄道全路線の収支実態」『鉄道完全解明2011』（週刊東洋経済臨時増刊、2011年7月8日）

[6] 鉄道ジャーナル1984年11月号NO.213の131頁

[miyakonojo181225113921-7] “JR吉都線ラッピング列車【運行は終了しました】”. 都城市. 2019年7月7日閲覧。^{[リンク切れ]}

[nikkei20181225-8] “吉都線に「キットカット」列車　JR九州”. 日本経済新聞. (2018年12月25日) 2023年3月13日閲覧。

[9] 『停車場変遷大事典国鉄・JR編』JTB 1998年

[11] “列車運休について” (PDF). 九州旅客鉄道 (2018年3月13日). 2018年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月13日閲覧。

[12] “列車運休について” (PDF). 九州旅客鉄道 (2019年4月12日). 2019年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。

[13] “平日チャーター補助制度”. ぽっぽやみやざき. 宮崎県鉄道整備促進期成同盟会事務局. 2019年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月13日閲覧。

[15] “平日チャーター補助制度”. ぽっぽやみやざき. 宮崎県鉄道整備促進期成同盟会事務局. 2023年3月13日閲覧。

[16] “キハ40形車両を国鉄復刻カラーで運行！鹿児島車両センターでお披露目会を開催します！”. 九州旅客鉄道株式会社. 2024年2月19日閲覧。

[17] “指宿枕崎線などキハ40形国鉄色復刻車両運転”. 鉄道コム. 2024年2月19日閲覧。

[rekishi-chizucho-p39-18] 今尾恵介・原武史監修『日本鉄道旅行歴史地図帳』12号九州沖縄、新潮社、2011年、p.39

[rekishi-chizucho-p41-19] 今尾恵介・原武史監修『日本鉄道旅行歴史地図帳』12号九州沖縄、新潮社、2011年、p.41

[sone02-18-20] 歴史でめぐる鉄道全路線国鉄・JR 2号、18頁

[21] “来月1日から6駅名を変更 JR九州”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1990年10月9日)

[22] “九州・西中国地方大雨、各地に被害” 読売新聞 (読売新聞西部本社) 12頁 (1993年6月14日夕刊)

[kotsu1993064-23] “吉都線で築堤崩壊など”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1993年6月4日)

[kotsu1990816-24] “吉都線吉松-都城間1週間ぶり運転再開”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1993年8月16日)

[25] 「JRワンマン運転線区一覧表」『JR気動車客車編成表 '99年版』ジェー・アール・アール、1999年7月1日、197頁。ISBN 4-88283-120-1。

[trafficnews20190704-26] “九州南部の大雨、JR吉都線で土砂流出バス輸送を実施復旧には時間を要する見込み”. 乗りものニュース (2019年7月4日). 2023年3月13日閲覧。

[nikkei20190708-27] “JR九州、吉都線で代行バス開始　線路下の土流出で”. 日本経済新聞. (2019年7月8日) 2023年3月13日閲覧。

[trafficnews20190705-28] “大雨で土砂流出のJR吉都線、バス代行輸送は「当分の間」に変更土休日も実施”. 乗りものニュース (2019年7月4日). 2023年3月13日閲覧。

[宮日20190802-30] 「吉都線　１カ月ぶり再開」『Miyanichi e-press （宮崎日日新聞）』宮崎日日新聞社、2019年8月2日。2019年8月4日閲覧。

[31] “JR九州ダイヤ改正　九州新幹線鹿児島中央午後11時43分発川内行きを廃止　無人化予定の吉松、串木野駅には券売機設置”. 南日本新聞 (南日本新聞社). (2022年3月11日). オリジナルの2022年3月11日時点におけるアーカイブ。 2022年3月26日閲覧。

[32] 鹿児島テレビ (2022年3月11日). “ＪＲ吉松駅　有人駅の歴史に幕　鹿児島・湧水町”. FNNプライムオンライン. 2022年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月26日閲覧。

[33] 『九州旅客鉄道株式会社人事異動（2022年4月1日付）』（PDF）（プレスリリース）九州旅客鉄道、2022年3月23日。2022年3月25日閲覧。

[34] “路線別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2017年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。

[35] “路線別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2019年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。

[36] “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2019年8月4日閲覧。

[37] “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2022年5月21日閲覧。

[38] “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2022年5月21日閲覧。

[39] “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2023年3月13日閲覧。

[40] “線区別ご利用状況” (PDF). 九州旅客鉄道. 2023年12月19日閲覧。

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[3]

[注 1]

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[注 2]

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[10]

[注 3]

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