博多 「博多」の用法など

博多

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/05 09:21 UTC 版)

「博多」の用法など

交通

博多の玄関口の駅は、新幹線を含む全旅客列車停車駅である博多駅であり、同駅は福岡市および九州地方最大のターミナルでもある。一方、福岡には「西鉄福岡(天神)駅」が存在する。なお、1935年以降、単なる「福岡駅」は福岡県・市には存在していない[注 6]。なお他に、「南福岡駅[注 7]や、「博多南駅[注 8]、「博多総合車両所」などがある。

港名は「博多港」であり、明治から昭和初期まで用いられていた「福岡港」(現在の福岡船溜)の呼称は博多臨港線貨物駅「福岡港駅」(1985年廃止)に残すのみとなっていた。志賀島糸島半島を結ぶ線から内側の湾名は、国土地理院の定義では西部域を「福岡湾」、東部域を「博多湾」とするが、一般的には総じて「博多湾」と呼ばれ、地図によっては両者が併記される。

メディア

バラエティ番組のみならず報道番組といったテレビ番組や全国区の雑誌の記事や漫画などのマスメディアでは、しばしば曖昧な定義で「博多」[注 9] という言葉が利用され、時には福岡市を「博多市」と誤って紹介することすらある。

ターミナル駅であり他県との玄関口となる博多駅をはじめ、博多どんたく博多祇園山笠博多ラーメン博多明太子など全国的に知られた祭事や土産品や施設などに「博多」という言葉が用いられる。そのため、九州外での認知度としては「福岡」よりも「博多」の方が高い事がままある。東京駅では博多行きの新幹線が日常的に発着することもあってか、東日本方面で福岡方面を指す場合、「福岡のほう」と言うよりも「博多のほう」と言う方が通りが良いのも否定できない。全国区で活躍するタレント歌手が自らの出身を分かりやすく「博多」と言うこともその証左である。

福岡市出身の漫画家うえやまとち作の漫画『クッキングパパ』では、天神百道などを含め、福岡市の意味としてその大部分を「博多」と表現している。しかし漫画の舞台は博多部でもなければ博多区でさえない東区香椎である。西尾維新作の小説新本格魔法少女りすか』では冒頭部に「博多市」の名が登場するが、これは福岡市をモデルとした架空の都市である。

特産品

福岡県産のブランド農産物が全国の市場に向けて出荷される際、マーケティング戦略として「博多」の知名度にあやかったネーミングがなされている。その例として、イチゴの博多あまおう、博多なす、博多万能ねぎ、はかた地どり博多華味鳥などがある。これら博多ブランド農産物の生産地には、熊本県に隣接するみやま市や、大分県に隣接する豊前市なども含まれる。

方言

博多部を中心に用いられた方言が博多弁である。江戸時代までは福博の住み分けが明確であり、中洲を越えた那珂川対岸の福岡部(福岡城城下町)では福岡城勤めの武士層と家族係累が話す「福岡弁」(がっしゃい言葉)が用いられていたが、もともと話者の絶対数が少なかったうえ、平成に入ると話者はほぼ消滅し、一部の方言研究家による文献に残るのみである。かくして明治期以降、博多弁が博多部を中心に福岡市とその周辺に広がった。


  1. ^ 中洲流千代流は、(博多区内ではあるが)狭義の「博多」の外へ、第二次大戦後に新設された流である。
  2. ^ 寺社排斥については、ルイス・フロイスの『日本史』にしか記述がないものの、『日本史』に記述されている博多における秀吉の動向に関する他の記事については、他史料によって確認できるために、その信憑性は高いと考えられている。
  3. ^ 福岡藩の儒学者貝原益軒の『筑前国続風土記』は1巻・2巻の「提要」ののち、3巻を「福岡」に、4巻を「博多」に当てており、また元禄3年(1690年)の住民数を福岡15009人・博多19468人と別々に記載している。福岡藩筆頭家老の家に伝わる文化9年(1812年)製の地図には、福岡(武士宅838軒・町人宅1629軒)と博多(町人宅3395軒)の戸数が区分され記載されている。
  4. ^ 江戸時代後期に書かれたとされる『佐藤元海九州紀行』には「都下(福岡)も富饒に見ゆ。博多とは、僅なる橋を隔てたる町続にて、両地の市を合すれば、二万余家も有べし。」とあり、文政10年(1827年)に書かれた紀行文『菅の下葉』には「中川とて大河あり。大橋二ツあり。中川橋と云。これを渡り、見附門あり。これより福岡なり。」ともあり、外からの旅行者も「博多」と「福岡」を別個と捉えていたことがうかがえる。
  5. ^ 石投げ地蔵の由来に、「筑前風土記に塩煮塚と記録される、古い歴史を持つものである」と記されている。
  6. ^ なお西鉄天神大牟田線の前身となる九州鉄道大牟田線(福岡 - 久留米)の開業は1924年大正13年)であり、それまで福岡市との都市間鉄道の窓口は博多駅だけであった。
  7. ^ 福岡市博多区の南端にあるJR九州の駅。
  8. ^ 春日市那珂川市との境界部分)にある、JR西日本博多南線の駅
  9. ^ 1989年に笑っていいとも!が福岡市内のイムズホール(天神に立地)で公開生放送をした時にタモリは博多からと表現した。(なお、タモリは地元福岡市出身である。)






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