南アフリカ共和国
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情報機関
南アフリカの情報機関は国家保安局(SSA)が主体である。他は国家情報調整委員会(NICOC)が国内の諜報活動における総括機関として機能している。
地理
アフリカ大陸最南部に位置し、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、エスワティニと国境を接し、レソトを囲んでいる。南西部は南大西洋に面し、南部から東部にかけてはインド洋に面するため2,500キロメートルという長い海岸線を有する。国土の全体が高地になっていて、高地から海岸へは南部アフリカ大断崖と呼ばれる断崖をほぼ経るので、海岸平野は狭い。内陸はカルーと呼ばれる広大な平坦地で、人口は少ない。北西部はナミブ砂漠の延長部である。東部にはドラケンスバーグ山脈が連なる。国の最高地点はレソトとの国境にあるマハディ山(標高3,450メートル)である。
気候
夏期は10月から3月、冬期は5月から8月である。地域による差はあるが、1年を通じて気候は比較的温暖で日照時間が長い。
しかし、海岸部以外は高地なため同緯度の国に比べやや気温は低い。国全体の平均気温は、冬が0 - 15度、夏が20 - 40度と差が大きい。内陸高地の冬の気温は氷点下になることもあり、ドラケンスバーグ山脈のような高い山の山頂では降雪もある。東部の海岸は高度も低く、暖流のモザンビーク海流が流れているために暖かい。西部の海岸は寒流のベンゲラ海流の影響を受けて気温はそれほど上がらない。
雨季は11月から3月。東と西で雨の降り方が大きく違う。東部は季節風の影響で夏に雨が降るが、南西の海岸はいわゆる地中海性気候で、移動性低気圧により冬に雨が多い。降雨量は東側から西側にいくにしたがって少なくなる。
内陸部は高原地帯であるためそれほど暑くはならない。
動植物
南アフリカには特色ある生物種からなる生態系が形成されている。植物は多様な環境に適応したベンケイソウ科やトウダイグサ科、ハマミズナ科の多肉植物やトランスヴァール地方に花畑を形成するガーベラやユリオプスデージーなどキク科の植物、あるいはエリカやクンシランなどは珍奇な姿や美しい花から園芸植物として世界中で栽培されている。南アフリカの国土は全世界のわずか2%ほどにすぎないが、世界の植物の10%近く、約2万4,000種類の原産国となっている。また、脊椎動物の約7%、昆虫の約5.5%、海洋生物の約15%にとっての生息地ともなっている[19]。
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ハゴロモヅル
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プロテア
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スプリングボック
地方行政区画
主要都市
主要な都市はプレトリア(首都)、ケープタウン(首都)、ブルームフォンテーン(首都)、ヨハネスブルグ、ダーバン、ソウェト、ポート・エリザベスがある。
注釈
- ^ このほか、国際経済研究所による「The United States and the World Economy (2005年1月)」では、BRICsおよび南アフリカの5か国にアルゼンチン、インドネシア、韓国、メキシコ、サウジアラビア、トルコを加えた計11か国が今後の世界経済に大きな影響を及ぼす「LEMs(Large Emerging-Market Economies)」として取り上げられた。
また、BRICs経済研究所の門倉貴史はBRICsに続くグループ「VISTA」として、ベトナム (Vietnam)、インドネシア (Indonesia)、南アフリカ (South Africa)、トルコ (Turkey)、アルゼンチン (Argentina) の5か国を、HSBCは同じく「CIVETS」として、コロンビア (Colombia)、インドネシア (Indonesia)、ベトナム (Vietnam)、エジプト (Egypt)、トルコ (Turkey)、南アフリカ (South Africa) の6か国を取り上げている。 - ^ むしろ反発したこの背景には、ボーア戦争トラウマとも言うべき諸外国への根強い不信感が指摘されている。
- ^ 南アフリカはアフリカ統一機構 (OAU) への加盟を認められなかった。
- ^ これをきっかけに、人種差別の圧政言語の象徴としてのアフリカーンス語に対して白人層が使用していたに過ぎない植民地支配の象徴でもある英語が、より自由な解放言語との印象を根付かせたことが現在の英語一本化へとつながっている。
出典
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- ^ 第2版,世界大百科事典内言及, 日本大百科全書(ニッポニカ),旺文社世界史事典 三訂版,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,百科事典マイペディア,知恵蔵,デジタル大辞泉,精選版 日本国語大辞典,世界大百科事典. “アパルトヘイトとは”. コトバンク. 2022年9月3日閲覧。
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- ^ “ブブゼラの「発明者」は南アの教会創始者、メーカー1社と合意” (2010年6月23日). 2010年6月27日閲覧。
- ^ a b c d e Cricket South Africa 国際クリケット評議会 2023年9月27日閲覧。
- ^ The Greatest Cricketer of All Time – your votes revealed! BBC. 2020年6月15日閲覧。
- ^ The Dakar race shows that the toughest bakkies in the world are South African
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