バス停留所
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世界のバス停留所
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日本
日本のバス停留所のほとんどが、停留所に標識を備え、停留所の名称、時刻表(当該停留所の通過予定時刻)の掲出がさなれている。路線図が掲出される停留所もある。標識柱に貼付する場合が多いが、吊下式の看板[9]や塀・電柱・壁[10]など掲出方式は色々ある。夜間にも時刻表等が視認できるようになんらかの照明を備えている標識柱もあり、パネル部が白色の合成樹脂製で電灯が内蔵された「行灯式ポール」と呼ばれる標識もある。
付帯施設としてベンチ・屋根・待合所、バス接近表示器等が設置されることも多く、広告を掲げる目的でバス事業者以外の業者が設置していることもあり、中には無許可・無管理の施設もある[11]。
スマートバス停と運行障害、ダイヤ改正
多くのバス停留所がバス営業所との特段の連絡設備(無線・有線通信や電光掲示板など)などを欠くため、悪天候(たとえば強風・大雪)や災害などを原因としてバスが大幅遅延や臨時運休になったとしても、基本的には何ら臨時の掲示・案内もされない。係員が掲示などの対応を行なう事やバス停前の商店が案内を受託している例も見られる。逆に、IoT対応の情報受信機能とディスプレイを備え、バス運行状況の提供や広告、ダイヤ改正時の時刻表を遠隔操作で随時に更新できる「スマートバス停」が日本では西日本鉄道(西鉄)グループ企業などにより開発・導入されつつある[12]。スマートバス停化はダイヤ改正時の時刻表貼替の手間を省くメリットもあり、商用電源が使えない人里離れたバス停では太陽光発電を利用することもある[13]。
法令や道路行政での位置づけ
旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号)第5条第2項により、事業者及び停留所の名称、運行系統、発車時刻、乗降場所または停留所が近接している場合にその案内・業務が限定されている場合にその範囲などを掲示することが定められている。また、同規則第6条により、ダイヤや系統などの変更がある場合は、緊急時などを除いて、少なくとも7日前に告知しなければならないことになっている。道路交通法においては、第31条の2により、停留所から発車しようとしている乗り合いバスの発車を追い越し等で妨害することが禁止されており、違反したものは乗合自動車発進妨害という違反行為となる。また、道路交通法第44条により、停留所の標識板(標示柱)から半径10メートル以内の部分は、運行時間中は反対車線を含め一般車両の駐停車を禁じられている。
「危険なバス停」問題
バス停が横断歩道や交差点に近いと、バス車体が死角となり、バス降車客ら歩行者に自動車が衝突する交通事故を誘発する危険性が高い。国土交通省が神奈川県横浜市での小学5年生女児死亡事故(2018年8月)を受けて対策に着手した。国交省が2019年9月から全国のバス停約40万カ所を調査し、危険度をA~Cの3ランクで分類したところ、バス停での乗降時にバスの車体が横断歩道の上にある危険度Aだけで約2000カ所あった[14][15]。バス停の移設が対策となるが、周辺での適地探し、地権者や自治体、警察などの合意形成が課題となる[16]。移設が難しいため、警備員の配置や過密ダイヤグラムの緩和、バス車体への注意喚起ステッカー貼付で対応している地域やバス事業者もある[17]。
2020年10月30日、国交省は全国の横断歩道や交差点そばにある危険なバス停についての実態調査リストを初公表した。茨城県、長野県など6県分のバス停名や所在地をまとめたもので、危険なバス停は6県だけで計780か所に上っており、全国では数千か所を超えるとみられる。国交省は年内にも残りの都道府県分を公表し、順次、安全対策を実施すると伝えられた[18]。2021年3月にまとめられた国交省全国調査では、合計1万195カ所あることが判明。危険度Aは1615カ所、Bが5660カ所、Cが2920カ所で、国交省は運輸支局とバス事業者などによる合同検討会で順次対策していくとしている[19]。
設置箇所
- 一般道路など
- 日本では2003年に広告パネル付きのバスシェルターについてその設置・管理にPFI手法が認められ、以後各都市で設置されている。また、近年ではバスロケーションシステムを内蔵したものやLED式のもの、鉄道駅のように音声アナウンスが流れるものなども増えてきている。また、前後の歩道と比べて路面を高くし、バスのステップに合わせているものもある。
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京都市営バスがバス停で提供するバスロケーションシステム
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熊本都市圏における接近表示の例
- 高速道路
- 高速道路管理会社で用いられている高速バスの停留所の正式名称はバスストップである(減速車線・加速車線の部分までを含める)。そのため、道路管理上の正式名称である「バスストップ」という呼称を、そのまま利用者への案内(停留所の名前)に使用している所もある。
- 高速バス運行会社の利用者の案内の際には、一般に前述の「○○バスストップ」のほか「□□道○○」、「高速○○」(□□は走行する高速道路の略称(東名高速道路、名神高速道路、新名神高速道路はそれぞれ東名、名神、新名神)、○○はバス停の名称)など様々な表記がある。
中国
中華人民共和国(中国)のバス停には時刻表の掲示がないことが多い[20]。バス停の位置などの情報は携帯電話やパソコンで検索できる[20]。
また、 書店などでは公共交通機関(バスや地下鉄、空港リムジンバス)の情報を網羅した本が販売されており、大学、病院、公園や観光地など主な路線を通過するバス停の一覧が掲載されている[20]。
シンガポール
シンガポールではバスの運行形態は乗合バス(Basic Bus Services)、乗合プラスバス(Basic-Plus Bus Services)、補足的バス(Supplementary Bus Services)、プレミアムバス(Premium Bus Services)、特別バス(Special Bus Services)、シャトルバス(Shuttle Bus Services)の6種類に分けられている[21]。
乗合バス(Basic Bus Services)の場合は、定時制やユニバーサル・サービス(USO)のため約400mごとにバス停が設置される[21]。10路線以上の営業運転を行う事業者は、公共交通会議法(Public Transport Council ACT)に基づくサービス基準(QoS;Quality of Service Standards)を満たして、公共交通会議からバスサービス事業者免許(BSOL)を取得する必要がある[21]。サービス基準のうちサービス品質基準(Service Provision Standards:SPS)によると、半径400m以内に最低一つのバス停を設置することと、20分以上の待ち時間の場合のバス停での予定時刻の情報提供が定められている[21]。
シャトルバス(Shuttle Bus Services)の場合は、始点と終点の間に3カ所に限りバス停を置くことが許可されている[21]。
オランダ
中東、中央アジア
注釈
- ^ 一例として、秋田中央交通のリムジンバスは秋田市役所と秋田駅、秋田空港を結んでいる。秋田空港 リムジンバス時刻表(2020年1月26日閲覧)参照。
- ^ 一例として、長野県飯田市のバス路線網は、飯田駅のほか飯田市立病院を経由するよう編成されている。市民バス・広域バス 飯田市ホームページ(2020年1月26日閲覧)参照。
- ^ 一例として、道の駅とよはし(愛知県豊橋市)のシャトルバス案内(2020年1月26日閲覧)参照。
- ^ 神奈川中央交通の営業所案内(2020年1月26日閲覧)には、「車庫」「営業所」がついた最寄停留所が多数掲載されている。
- ^ 北海道バスの高速バス「ニュースター号」のご利用ガイド(2020年1月16日閲覧)には、乗車専用バス停と降車専用バス停が存在することが記載されている。
- ^ 特に、バスターミナル内にある個々の停留所について、バススタンドと称することがある。
出典
- ^ 乗合自動車停留所(124-A)~(124-C)国土交通省 道路 案内標識一覧(2020年1月26日閲覧)
- ^ 群馬県「バスまち協力施設」を募集します【随時募集】(2020年1月26日閲覧)
- ^ “バスターミナル”. コトバンク. 2019年8月22日閲覧。
- ^ “BRTの駅について”. 気仙沼線・大船渡線BRT. 東日本旅客鉄道. 2020年1月26日閲覧。
- ^ “ひこぼしラインの駅について”. 日田彦山線BRTひこぼしライン. 九州旅客鉄道. 2023年9月3日閲覧。
- ^ “道路の移動円滑化整備ガイドライン第2部第4章乗合自動車停留所”. 国土交通省. 2019年11月27日閲覧。
- ^ 松川希実. “道路に倒れたバス停 実は台風のせいじゃなかった!”. withnews. 2022年9月21日閲覧。
- ^ ご存じ? バス停留所で生まれた、新たなビジネスモデルITmedia(2014年01月17日)
- ^ 大分バス・本社前停留所1番のりば(トキハ本店前)など乗客の多い中心市街の停留所に多い。
- ^ 東武バスセントラル・神明障害福祉施設前停留所のように狭隘道路でポール型の標識を設置できない場合など。
- ^ “適切なバス停車施設のあり方に関する調査報告書”. 国土交通省 中部運輸局 (2018年3月). 2020年5月12日閲覧。
- ^ 「西鉄グループ、YEデジタルと連携 スマートバス停で」日本経済新聞ニュースサイト(2019年12月10日)2020年1月26日閲覧
- ^ 『朝日新聞』朝刊2023年2月7-8日経済面「けいざい+」スマートバス停編:(上)(下)
- ^ 「危険なバス停」、全都道府県に検討会…事故リスク高いものから移設 読売新聞オンライン(2019年12月14日)2020年1月26日閲覧
- ^ バス停2000か所「最も危険」国交省調査 横断歩道上に車体『読売新聞』朝刊2020年9月6日1面
- ^ 【#危険なバス停】2年かけ70メートル移設バス停2000か所/横浜市や警察 候補地の調整難航『読売新聞』朝刊2020年9月6日(社会面)
- ^ 【#危険なバス停】警備員配置■注意ステッカー 事故繰り返さぬため『読売新聞』朝刊2021年3月20日(社会面)2021年3月30日閲覧
- ^ “【独自】危険なバス停、茨城や長野など6県だけで780か所…国交省初の公表”. 讀賣新聞オンライン. (2020年10月31日) 2020年10月31日閲覧。
- ^ 「危険なバス停 1万195か所/国交省 全国調査結果」『読売新聞』朝刊2021年3月20日1面(2021年3月30日閲覧)
- ^ a b c “北京でバスに乗ってみれば”. 一般財団法人自治体国際化協会. 2019年2月9日閲覧。
- ^ a b c d e 仲田知弘. “シンガポールにおけるバス事業の仕組みと取り組み”. 交通経済研究所. 2022年1月9日閲覧。
- ^ ひとまち結び. “バスの来ないバス停の利用者を見守る 地域の鉄道会社の取り組み:ひとまち結び”. project.nikkeibp.co.jp. 日経BP. 2022年9月21日閲覧。
固有名詞の分類
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