バス停留所 バス停留所の概要

バス停留所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/18 00:45 UTC 版)

バス停留所は公道上の多くあるほか、バス乗客の目的地となる鉄道駅空港飛行場といった交通結節点、自治体の役場など官公庁[2]、大規模な医療機関[3]、商業・観光施設[4]の敷地内や近くにも置かれる。

時刻表付き標識が立てられているだけの簡素なバス停もあれば、屋根ベンチ、これらにを加えた待合所を備えたバス停もある。バス停留所のうちバスの始発・終着地を施設化したものはバスターミナルと呼ばれる。バス事業者の営業所や車庫に、始発・終着バス停が併設されていることも多い[5]

また、日本高速道路上にあるバス停留所と付随する施設については、「バスストップ」と呼ばれることがある。この点については、後節を参照。

なお、運行する路線において停留所以外の任意の場所で乗降できる制度をフリー乗降制と呼ぶ。

概要

路線を定めて運行を行う乗合バス(路線バス)では、始発地点と終着地点及び区間途中に旅客が乗降する地点を定め、標識を立てるなどしてバス停留所であることを示す。フリー乗降制を除いて基本的に、停留所においてのみ乗降の取扱を行う(急行バスなど、バス停が設定されていても利用できない便も一部にある)。原則として、区間中の停留所は乗降車共に可能だが、場所により乗車専用や降車専用のバス停もある[6](「クローズドドアシステム」も参照)。

バス停留所の標識の多くは「標識版(標示柱、標柱、ポール)」と呼ばれ、停留所の名称、時刻表路線図などが印字あるいは掲示されている。バスターミナルを除く多くのバス停は、屋根やベンチ、待合所があっても、鉄道駅などに比べ、設備は簡素である。標識のみのバス停では、利用者が屋外で立ったままバスを待つことになる。このため群馬県は、バス停100メートル圏内でバス利用者の待合所としてスペースを提供してくれる店舗や企業を「バスまち協力施設」として登録している[7]。 利用者の自宅などとの往来に自転車駐輪場パークアンドライド駐車場を併設しているバス停もある。

国・地域や事業者にもよるが、停留所の名称が付されている場合とそうでない場合がある。

一つのバス停留所には、上り方面と下り方面の2つの乗降場が、道路を挟んで向かい合わせに設けられるものが一般的で、方向毎の外側車線に乗降場があることが多い。このとき、一つの停留所に複数の路線や異なる事業者のバスが停留する場合、路線別、事業者別に独立した標識を立てる場合と、複数の路線、事業者をまとめた標識を立て、時に数字等で乗降場を区別する場合があり、後者の場合はバスターミナルなどで用いられることが多い。路線が分岐する地点などにおいては、路線の方向毎に異なる道路上に乗降場を設けることがある。また、分岐点ではないバス停留所においても、同名の停留所であっても路線や事業者によって乗降場が異なる場合や、一方で同じ乗降場であるにも関わらず路線や事業者によって停留所名が異なる場合もある。他に、一方通行道路を経由する場合や、環状運転になるような場合、および用地が確保不可能である場合などには、乗降場が片方向のみ設置される場合がある。また、諸般の事情(交差点の形状、道路に接する住宅・商店などの状況など)により千鳥状に乗降場が設けられる場合もある。場所によっては、乗降客の少ないバス停留所は標識をどちらか1本のみ立て、上下兼用とする場合もある。この時、標識が設けられていない方向のバスを利用したい場合は、標識の真向かいに立っているとバスが停車する。

狭い範囲に点在しているバス停留所を一か所に集約しバスターミナルを設置する場合もある。

法令

道路運送車両法第40条[出典無効]により、上記の制度を導入していない事業者がバス停以外の場所で乗客を乗降させることは認められていない。 違反した場合、その事業者の全ての車両の使用停止処分となる。

乗客が無許可でバス停の位置を変えることも同様に処罰の対象となる。

設置箇所

一般道路など

一般道路においては、それを示す標識板(標示柱)が道路上に存在し、時刻表や路線図が掲示されている。形状は歩道または路肩に標識版を設置するだけのものが一般的だが、屋根や待合室などの施設を設置しているものや、屋根とベンチを備えたものはバスシェルターともいい、この中には壁面を持つものもある。

ブラジルクリチバRITシステムのバスシェルター。"tubo" (tube) の名で知られている。

このほか、医療機関や鉄道駅、大型ショッピングセンター、官公署など公共施設(市町村役場・運動公園・文化ホールなど)では広い施設敷地内にバス停を設置し、路線バスがそこまで乗り入れる場合もある。自治体など、地域が関与する割合の高いコミュニティバスにおいて特に顕著に見られる。

バスターミナル

新宿南口交通ターミナル
通称「バスタ新宿

バス停留所のうち、複数のバス路線の発着点に設置される施設をバスターミナルという[8][9]。日本では自動車ターミナル法によって、「乗り合いバス車両を2両以上停留させることを目的とし、道路・駅前広場など一般交通に供する場所以外の場所に施設を持つもの」とされている。交通の拠点であり、きっぷ売り場や広い待合室トイレ売店などが設置される。

バスセンターまたは国鉄の自動車路線では自動車駅といった)と呼ばれることもある。前者の例は広島バスセンター広島市)、万代シテイバスセンター新潟市)、後者の例では十和田湖駅青森県十和田湖町)などがある。ただし、東日本大震災で被災鉄道の代替として東日本旅客鉄道(JR東日本)が開設した気仙沼線・大船渡線BRTでは、ターミナル機能がなくても「駅」と呼ばれている[10]

高速道路上

設置形態

高速道路の本線車道上にバス停留所が設けられることがあり、高速バスなどが発着する。

そうした停留所の設置形態として大別して2種類ある。一つは、停留所とその前後に、路線バス用に一般用とは独立した車線を設ける形態である。これは本線車道の一部だが路線バスに限って通行が許され発着が可能である。もう一つは、パーキングエリアサービスエリアインターチェンジなどの本線車道から一旦離れた場所に設ける形態である。ただし後者の場合、高速バスの表定速度が落ちる。

他に、一般路線バスと接続させることを企図した場合には、インターチェンジの料金所外にバスストップが設置される事があり、この場合は料金所を出るごとに通行料金が区々別々となるため運賃が余分にかかることになる。また、この形態の場合、料金所での渋滞に巻き込まれやすく、都市部を中心に交通量が大きい道路ではこのような形態の停留所は減少傾向にある。

アクセス

大板井バスストップと大板井駅

一般的に、高速道路は都市の中心部から少し外れた場所を通っているため、高速道路上のバス停留所も都市の外れにあるものがほとんどである。都市中心部とその停留所の間を結ぶ路線バスが運行されている場合もあるが、自家用車タクシー以外のアクセス手段がない所も少なくない。また高速道路上のバス停まで、階段や坂道を登らなくてはいけない所もある。

大分自動車道大板井バスストップのように、高速道路に並行する鉄道路線甘木鉄道甘木線)に大板井駅を設置してアクセス向上を図った例もある。


  1. ^ 乗合自動車停留所(124-A)~(124-C)国土交通省 道路 案内標識一覧(2020年1月26日閲覧)
  2. ^ 一例として、秋田中央交通リムジンバス秋田市役所秋田駅秋田空港を結んでいる。秋田空港 リムジンバス時刻表(2020年1月26日閲覧)参照。
  3. ^ 一例として、長野県飯田市のバス路線網は、飯田駅のほか飯田市立病院を経由するよう編成されている。市民バス・広域バス飯田市ホームページ(2020年1月26日閲覧)参照。
  4. ^ 一例として、道の駅とよはし愛知県豊橋市)のシャトルバス案内(2020年1月26日閲覧)参照。
  5. ^ 神奈川中央交通営業所案内(2020年1月26日閲覧)には、「車庫」「営業所」がついた最寄停留所が多数掲載されている。
  6. ^ 北海道バスの高速バス「ニュースター号」のご利用ガイド(2020年1月16日閲覧)には、乗車専用バス停と降車専用バス停が存在することが記載されている。
  7. ^ 群馬県「バスまち協力施設」を募集します【随時募集】(2020年1月26日閲覧)
  8. ^ バスターミナル”. コトバンク. 2019年8月22日閲覧。
  9. ^ 特に、バスターミナル内にある個々の停留所について、バススタンドと称することがある。
  10. ^ BRTの駅について(2020年1月26日閲覧)
  11. ^ 道路の移動円滑化整備ガイドライン第2部第4章乗合自動車停留所”. 国土交通省. 2019年11月27日閲覧。
  12. ^ 大分バス・本社前停留所1番のりば(トキハ本店前)など乗客の多い中心市街の停留所に多い。
  13. ^ 東武バスセントラル・神明障害福祉施設前停留所など狭隘道路でポール型の標識を設置できない場合など。
  14. ^ 「西鉄グループ、YEデジタルと連携 スマートバス停で」日本経済新聞ニュースサイト(2019年12月10日)2020年1月26日閲覧
  15. ^ 適切なバス停車施設のあり方に関する調査報告書” (日本語). 国土交通省 中部運輸局 (2018年3月). 2020年5月12日閲覧。
  16. ^ 「危険なバス停」、全都道府県に検討会…事故リスク高いものから移設 読売新聞オンライン(2019年12月14日)2020年1月26日閲覧
  17. ^ バス停2000か所「最も危険」国交省調査 横断歩道上に車体『読売新聞』朝刊2020年9月6日1面
  18. ^ 【#危険なバス停】2年かけ70メートル移設バス停2000か所/横浜市や警察 候補地の調整難航『読売新聞』朝刊2020年9月6日(社会面)
  19. ^ 【#危険なバス停】警備員配置■注意ステッカー 事故繰り返さぬため『読売新聞』朝刊2021年3月20日(社会面)2021年3月30日閲覧
  20. ^ “【独自】危険なバス停、茨城や長野など6県だけで780か所…国交省初の公表”. 讀賣新聞オンライン. (2020年10月31日). https://www.yomiuri.co.jp/national/20201031-OYT1T50033/ 2020年10月31日閲覧。 
  21. ^ 「危険なバス停 1万195か所/国交省 全国調査結果」『読売新聞』朝刊2021年3月20日1面(2021年3月30日閲覧)
  22. ^ a b c 北京でバスに乗ってみれば”. 一般財団法人自治体国際化協会. 2019年2月9日閲覧。
  23. ^ a b c d e 仲田知弘. “シンガポールにおけるバス事業の仕組みと取り組み”. 交通経済研究所. 2022年1月9日閲覧。


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