ダブリン・コノリー駅 ダブリン・コノリー駅の概要

ダブリン・コノリー駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 14:17 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
コノリー駅
ダブリン・コノリー駅(2006年8月)
Conghaile
Connolly
所在地 アイルランド
ダブリン1区
所属事業者 アイルランド国鉄駅詳細
ルアス駅詳細
テンプレートを表示

概要

ダブリンの主要ターミナル駅のひとつである。1844年にダブリン駅として開業した。1日平均乗降者数は38,804人(2018年のアイルランド国鉄)とアイルランドで利用者数の最も多い鉄道駅であり、アイルランドの鉄道路線網の中心である[1]。北方面のドロヘダダンドークや南のウェックスフォードロスレア英語版へ向かう長距離列車のインターシティや、コミューター(ダブリン通勤列車)、ダブリン高速輸送(DART)などの近郊列車が多く運行されているほか、イギリス北アイルランドベルファストへ向かう国際列車エンタープライズも当駅から発車されている。

DARTを含むダブリン郊外のすべての列車は、当駅にある列車集中制御装置(CTC)施設によって管理されている。ほとんどが自動化されており、信号装置に2人、踏切に1人、電気制御に1人、電源装置と全体的な監督に1人配置している。CTCには常時、担当者が配置されているが、深刻な問題が発生した場合には運行を継続できる緊急制御室もある。

またイタリア風建築をもつ駅舎は、アイルランド国鉄の本社でもある。

2004年からは、ルアスのレッドラインの終着停留場が開業した。

歴史

ダブリン・コノリー駅は1844年11月29日にダブリン - ドロヘダ鉄道によってダブリン駅として開業したが、10年後の1854年には、駅の所在地からアミアン・ストリート駅と改称された。当初はドロヘダへの単一の路線のみを運行していたが、1853年イギリス北アイルランドベルファストへの運行を開始した。1891年にダブリン市・ジャンクション鉄道が当駅から南方面にあるウェストランド・ロウ駅(現在のダブリン・ピアース駅)に接続した。ダブリン市・ジャンクション鉄道には、現在の5・6・7番線からなる、アミアン・ストリート・ジャンクション駅があり、別の出入り口があった。1950年代の終わりにグレートノーザン鉄道(アイルランド)が合併した後、アミアン・ストリート・ジャンクション駅はアミアン・ストリート駅の一部となり、アミアン・ストリート・ジャンクション駅の出入り口は封鎖された。ダブリン市・ジャンクション鉄道は、アミアン・ストリート駅からウェストランド・ロウ駅、ロスレア駅など、南東方面への運行をしていた。スライゴへの運行は、1937年にウエストランド・ロウ駅に移管され、アイルランド交通システム(CIÉ)によってブロードストーン駅も閉鎖された[注釈 1]ゴールウェイとメイヨーへの運行もウェストランド・ロウ駅を起点としていたが、1970年代からキングスブリッジ駅(現在のダブリン・ヒューストン駅)から運行するようになった。日曜日のコークリムリックウォーターフォード方面の列車は、1960年代当時、利用客が少なかったため、アミアン・ストリート駅の5・6・7番線から運行し、キングスブリッジ駅の営業コストを回避した。

イースター蜂起の50周年目である1966年に、アイルランドの革命家で社会主義者ジェームズ・コノリーにちなんで、「ダブリン・コノリー駅」に改称された[2][注釈 2]

1984年7月23日ダブリン高速輸送(DART)開業時にダブリン市・ジャンクション鉄道の出入り口が改修され、第2コンコースが建設された。これが、DARTコノリー駅となり、1・2番線(ダブリン・コノリー駅の現6・7番線)と振られた。

1999年に駅が大幅改修され、部分的に再建された。1・2・3・4番線の屋根が交換され、メインコンコースカフェ売店などが駅構内に新設された。1984年に建設された、DART専用の出入り口(ダブリン市・ジャンクション鉄道の出入り口)と第2コンコースは再び閉鎖された。同時に、DARTコノリー駅はダブリン・コノリー駅の一部となり、DARTコノリー駅の旧1・2番線は、現6・7番線と振り戻され、4番線からのアクセス通路が建設された。

2004年9月26日には、ルアスレッドラインのコノリー停留場がアイルランド国鉄駅前に開業した[3]

2007年3月12日にドックランズ駅が開業したことで、一部の路線に変化がなされた。M3パークウェイ方面の列車がドックランズ駅を起点とする、ダブリン通勤列車西部線のドックランズ支線が開業した。この路線は起点駅が異なる以外、西部線の市内支線と大きく変わらないが、起点駅付近は路線が違うため、唯一停車しない中間駅がドラムコンドラ駅である。また、必要に応じて西部線の市内支線の代替駅としても利用される。

年表

以下の年表は上記を簡潔にまとめたものである。

  • 1844年11月29日:ダブリン - ドロヘダ鉄道によってダブリン駅が開業。
  • 1853年イギリス北アイルランドベルファストへの運行を開始。
  • 1854年:駅の所在地から「アミアン・ストリート駅」に改称。
  • 1891年:ダブリン市・ジャンクション鉄道が、ウェストランド・ロウ駅(現在のダブリン・ピアース駅)に接続。
  • 1937年:スライゴ線がウエストランド・ロウ駅に移管。ブロードストーン駅、閉鎖[注釈 1]
  • 1966年:アイルランドの革命家で社会主義者ジェームズ・コノリーにちなんで、「ダブリン・コノリー駅」に改称[2][注釈 2]
  • 1984年7月23日:DART専用のDARTコノリー駅、及び同駅の第2コンコースが開業。
  • 1999年:大幅な改装工事。1・2・3・4番線の屋根交換、コンコース、カフェ、売店などが新設され、DARTコノリー駅がダブリン・コノリー駅と合併。合併に伴い、4番線から旧DARTコノリー駅への通路が建設され、第2コンコースが閉鎖。
  • 2004年9月26日:ダブリン・コノリー駅前にルアスレッドラインのコノリー停留場が開業。
  • 2007年3月12日:ドックランズ駅開業に伴い、同駅がダブリン通勤列車西部線の市内支線の代替駅となる。

駅構造

アイルランド国鉄

アイルランド国鉄 コノリー駅
ダブリン・コノリー駅4番線(2009年8月)
Stáisiún Uí Chonghaile
Connolly Station
所在地 ダブリン1区アミアン通り
所属事業者 アイルランド国鉄
電報略号 CNLLY
駅構造 高架駅
ホーム 4面7線
乗車人員
-統計年度-
19,425人/日(降車客含まず)
-2018年-
乗降人員
-統計年度-
38,804人/日
-2018年-
開業年月日 1844年11月29日
乗入路線 8 路線
所属路線 エンタープライズ
ドロヘダ・マクブライド
所属路線 インターシティ スライゴ線
ドラムコンドラ
所属路線 インターシティ ロスレア線
タラ・ストリート
所属路線 コミューター 南東部線
タラ・ストリート
所属路線 コミューター 北部線
ホウス・ジャンクション&ドナミード
タラ・ストリート
所属路線 コミューター 西部線 市内支線
ドラムコンドラ
タラ・ストリート
所属路線 コミューター 南西部線
ドラムコンドラ
タラ・ストリート
所属路線 ダブリン高速輸送(DART)
クロンターフ・ロード
タラ・ストリート
備考

1854年 ダブリン駅からアミアン・ストリート駅に改称
1966年 アミアン・ストリート駅から本駅名に改称

1999年 DARTコノリー駅が本駅と合併
テンプレートを表示

終端屋内ホームに島式3面4線、中間屋外ホームに島式2面2線の計4面7線のホームを持つ高架駅である。そのうち、1面は屋内ホームと屋外ホームを共有しているものの、柵で仕切っている。また、屋内でも1面は柵で仕切っている。

すべての営業列車が停車するアイルランド国鉄の主要駅であり、一部の列車にとっては終端駅でもある。

構内には車両基地であるダブリン・コノリー検車区があり、当駅を発着する列車が多く設定されている。

改札口は2階にあり、地上との間にはエスカレーターエレベーターが設置されている。出入り口は計4つのうち、2つは全プラットホーム用、1つは5・6番線ホーム専用、もう1つは7番線ホーム専用となる。トイレ車椅子対応)はメインコンコースにあり、無料のWi-Fiスポットも利用できる。発車標はメインコンコースに設置されているほか、各プラットホームにも設置されている[4]

駅構内にはスターバックスを含むカフェが4店、レストランが1店、新聞販売店が2店、簡易薬局が1店、自動販売機が設置されている。また、メインコンコースにはピアノも設置されており、NHK BS1の「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」にも放送されている[5][6]

プラットホーム

終端ホーム(1 - 4番線)

頭端式の3面4線の屋内高架ホームで、東側から1・2・3・4番線と振られている。2番線は、国際列車線専用のため、柵で他のプラットホームと仕切っている。また、4番線と中間ホームである5番線は、壁で仕切られているほか、屋外では柵で仕切られている。2020年現在、4番線のみが電化されている。1・2・3・4番線用の出入り口は、ルアスの停留場前、またはアミアン通りにあり、必ずメインコンコースを経由する。

中間ホーム(5 - 7番線)

島式の2面3線の屋外高架ホームであり、すべて電化されている。ホームがカーブしているため、乗降の際は足元に注意が必要である。旧アミアン・ストリート・ジャンクション駅のプラットホームだったが、1950年代の終わり頃にコノリー駅の一部となった。1984年7月23日DARTが運行開始したため、DARTコノリー駅が現6・7番線(DARTコノリー駅の旧1・2番線)を使用し、ダブリン・コノリー駅とは別となった。しかし、1999年に行われた大幅な改修工事により、ダブリン・コノリー駅と一体化となり、4番線からのアクセス通路が建設された。メインコンコースの出入り口のほか、5番線専用の出入り口と6・7番線専用の出入り口もある。

のりば

以上のように、屋内、屋外の全ホームを合わせて4面7線のホームがあり、アイルランド国鉄の駅では2番目に多いホーム数である。

番線 路線 方向 行先 備考
終端屋内ホーム
1 インターシティ - - スライゴ方面からの到着列車専用ホーム
2 エンタープライズ 北行 ドロヘダダンドークニューリー、ポータダウン、リスバーンベルファスト方面 北アイルランド方面国際列車専用ホーム
3 インターシティ 北行 メイヌース、スライゴ方面
4 インターシティ 北行 スライゴ方面
コミューター北部線 北行 メイヌース、ドロヘダ方面
コミューター西部線 市内支線 西行 -
DART - - 一部のDARTは当駅を終点とする
中間屋外ホーム
5 インターシティ 南行 ロスレア方面
コミューター北部線 南行 ダブリン・ピアース方面
コミューター南東部線 南行 ブレイ方面
コミューター南西部線 南行 グランド・カナル・ドック方面
DART 南行 ダン・レアリーブレイ、グレイストーンズ方面
6 インターシティ - - ロスレア方面からの到着ホーム
コミューター南西部線 南行 ダブリン・ピアース、グランド・カナル・ドック方面 ドロヘダ方面からの到着ホームとしても扱われる
DART 北行 ホウス、マラハイド方面
7 インターシティ 北行 スライゴ方面 ロスレア方面からの到着ホームでもる
コミューター西部線 市内支線 西行 メイヌース方面
コミューター南西部線 西行 ヘーゼルハッチ&セルブリッジ、ニューブリッジ方面
  • 当駅を終点とする列車は必ずしも終端屋内ホームに到着せず、中間屋外ホームを経由し、ダブリン・ピアース検車区に移動することもある。
  • 2番線は、国際列車エンタープライズ専用ホームである。

ルアス

ルアス コノリー停留場
コノリー停留所(2019年6月)
Conghaile
Connolly
ブサラスバスターミナル
所在地 ダブリン1区アミアン通り
所属事業者 ルアス
所属路線 レッドライン
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 2004年9月26日
テンプレートを表示

アイルランド国鉄の駅舎の南に設置されている、レッドラインの北部の終着点のひとつ。配線は相対式ホーム2面2線で、タラ方面、サガート方面のレッドラインが乗り入れている。ホームの先にはシーサスポイントがある。

2004年の開業前は、当停留場はバスの終着点として使用されていた。

ルアスのプラットホームからエスカレーターエレベーターで、アイルランド国鉄の駅舎へ直通できる。

のりば

プラットホーム 路線 方向 行先
レッドライン 南行 タラ方面
西 サガート方面

注釈

  1. ^ a b 2017年12月7日に、ルアスのグリーンライン延長工事に伴い、ブロードストーン駅手前にブロードストーン停留場が完成。
  2. ^ a b 同時に、他の主要駅もイースター蜂起の主要人物にちなんで改称された。詳細は、アイルランド国鉄を参照。
  3. ^ 2020年現在、ダブリン・コノリー駅からダブリン・ヒューストン駅を直接つなぐ列車路線がないため、ルアスに乗り換える必要がある。

出典

  1. ^ National Heavy Rail Census Report 2018
  2. ^ a b 1916 Centenary Programme - Portraits and Lives of Rising leaders”. web.archive.org (2016年3月28日). 2020年5月19日閲覧。
  3. ^ The Luas is 10” (英語). RTÉ Archives. 2020年5月20日閲覧。
  4. ^ Rail, Irish. “Dublin Connolly” (英語). Irish Rail. 2020年5月19日閲覧。
  5. ^ 日本放送協会 (日本語), 「アイルランド・ダブリン」 - 駅ピアノ - NHK, https://www.nhk.jp/p/ts/9981L8QX2N/episode/te/3696KVQP9R/ 2020年5月19日閲覧。 
  6. ^ 日本放送協会 (日本語), 「アイルランド・ダブリン vol.2」 - 駅ピアノ - NHK, https://www.nhk.jp/p/ts/9981L8QX2N/episode/te/GQ7RZY5YRP/ 2020年5月18日閲覧。 
  7. ^ Transport Links” (英語). UCD Undergraduate Courses. 2020年5月19日閲覧。
  8. ^ a b National Heavy Rail Census Report 2018”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  9. ^ National Heavy Rail Census 2012”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  10. ^ National Heavy Rail Census 2013”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  11. ^ National Heavy Rail Census 2014”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  12. ^ National Heavy Rail Census 2015”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  13. ^ National Heavy Rail Census Report 2016”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  14. ^ National Heavy Rail Census Report 2017”. アイルランド国鉄. 2021年1月17日閲覧。
  15. ^ Luas | Connolly”. www.luas.ie. 2020年5月19日閲覧。
  16. ^ 747 Stops List - Airport Shuttle Bus - Dublin Airport” (英語). dodublin.ie. 2020年5月19日閲覧。
  17. ^ Luas | Luas Red Line Stops”. luas.ie. 2020年5月19日閲覧。
  18. ^ Connolly Station Dublin 1 | IMG Planning” (英語). 2020年5月19日閲覧。
  19. ^ Vision to improve Connolly Station given the go-ahead” (英語). herald. 2020年5月19日閲覧。
  20. ^ Deegan, Gordon. “Ronan plans €350m residential development for Docklands” (英語). The Irish Times. 2020年5月19日閲覧。


「ダブリン・コノリー駅」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ダブリン・コノリー駅」の関連用語

ダブリン・コノリー駅のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ダブリン・コノリー駅のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのダブリン・コノリー駅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS