ジェームス・テイラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/04 16:32 UTC 版)
バイオグラフィ
マサチューセッツ州ボストン市で裕福な家庭に生まれ、ノースカロライナ州のチャペルヒルで育つ。
1968年にアップル・レコードからデビューするが、自身の交通事故や当時のアップル社内の混乱もあって、契約を打ち切られる。翌1969年10月にワーナー・ブラザース・レコードと契約するとともに帰国[3]。翌1970年、移籍第1弾のアルバム『スウィート・ベイビー・ジェームス』がヒット。シングルカットされた「ファイアー・アンド・レイン」は全米3位を記録した。
1971年、映画『断絶』に主演。ザ・ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンと共に、賭けレースに参加しながら旅を続けるドライバーを演じた。しかし、映画には彼らの楽曲は一切使用されず(監督が主演の2人を「ミュージシャン」として先入観を持たれることを嫌ったため)、難解な内容のために興行的にも失敗に終わった(しかし2015年に英国映画協会は本作を「10本の偉大なアメリカのロード・トリップ映画」の1本に選ぶなど映画自体の評価は高い)。同年、キャロル・キング作のシングル「君の友だち」が大ヒット、数多くのアーティストに取り上げられる代表曲となった。
それ以降、歌手のカーリー・サイモンと結婚し、1974年には「愛のモッキンバード」[注 1]のカバー・ヒットを放った[4]。同曲はアメリカだけでなく、日本でも小ヒットした。しかしその後、サイモンとは1983年に離婚している。薬物依存症の克服、兄で同じくシンガーソングライターでもあるアレックス・テイラーの死など、本人のプライベートな体験を題材にして曲作りをしたり、人々の悲哀を描き出すという手法で多くの楽曲を発表した。代表作「ファイアー・アンド・レイン」は、友人の自殺を綴った作品であるとされている。その後、グラミー賞獲得やロックの殿堂入りなど、輝かしいキャリアを積み重ねて来た。
アコースティック・ギターの名手としても知られている。活動初期にはギブソンJ-50がトレードマークとなっていたが、その後マーク・ホワイトブック、1990年代以降はジェイムス・オルソンをメインギターとして使用している。
2015年には、2002年の『オクトーバー・ロード』以来となる13年ぶりのオリジナル・アルバム『ビフォア・ディス・ワールド』がBillboard 200(全米アルバムチャート)で自身初の1位(7月4日付)を獲得。1970年リリースのアルバム『スウィート・ベイビー・ジェームス』での初のビルボード・チャート入りから45年にして初の1位獲得は、2011年にトニー・ベネットが『Duets II』で記録した54年に次ぐ記録である[5]。
2016年、母国の名誉である『ケネディ・センター名誉賞』を受賞[6]。
なお、ジェームスの兄弟は全員(アレックス・テイラー、ケイト・テイラー、リヴィングストン・テイラー、ヒュー・テイラー)がミュージシャンとしてデビューしている。また、カーリー・サイモンとの間に生まれた2人の子供(サリー・テイラー、ベン・テイラー)も、それぞれミュージシャンとして活動中である。
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1985年頃のフォト
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USA.タングルウッド公演 (2008年7月)
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妻 キャロライン・スメッドビグ (2008年)
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ケネディ・センター名誉賞授賞式 (2016年12月)
注釈
- ^ アイネス&チャーリー・フォックスの63年のR&Bヒット「モッキンバード」のカバーである。
出典
- ^ a b c Ruhlmann, William. James Taylor Biography, Songs & Albums - オールミュージック. 2021年11月27日閲覧。
- ^ Rolling Stone. “100 Greatest Singers: James Taylor”. 2013年5月26日閲覧。
- ^ Timothy White, and Mitchell Glazer. Long Ago and Far Away: James Taylor — His Life and Music. New York: Omnibus Press, 5th edition 2011, p. 144–145, 147.
- ^ White, Timothy (2001). Long Ago and Far Away: James Taylor, his life and music. London: Omnibus Press. pp. 216–17. ISBN 0-7119-8803-X.
- ^ UNIVERSAL MUSIC JAPAN. “デビューから45年以上、ジェイムス・テイラーついにビルボード200にてついに全米No.1に!!!”. 2015年9月8日閲覧。
- ^ オバマ大統領、J・テイラーやアル・パチーノらの芸術賞称える - ロイター
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