ギリシア語 方言

ギリシア語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:43 UTC 版)

方言

ツアコニア方言は、迂言法による動詞活用をおこなう。 εμι ορου,εσι ορου,ενι ορου,εμμε ορουντε,εττε ορουντε,εισι ορουντε(現在形「見る」の活用(3性変化:ορου,-α,-ντα))。

キプロス方言の文法要覧

活用例

a'kuo(1p/sg/praes), a'kuis(2p/sg/praes), a'kui(3p/sg/praes), a'kumen(1p/pl/praes), a'kuete(2p/pl/praes), a'kusin/a'kun(3p/pl/praes)(聞くの現在形)

  • 同中受動態形:IMPERFECTUM
    e'kuumun(1p/sg/praesIMPERFECTUM), e'kuesun(2p/sg/praesIMPERFECTUM), e'kuetun(3p/sg/praesIMPERFECTUM), eku'umastin(1p/pl/praesIMPERFECTUM), e'kuestun(2p/pl/praesIMPERFECTUM), e'kuuntan(3p/pl/praesIMPERFECTUM)(聞いていた)
  • 能動態アオリスト:Aoristus
    a'kuso(1p/sg/aor), a'kusis(2p/sg/aor), a'kusi(3p/sg/aor), a'kusumen(1p/pl/pl), a'kusete(2p/pl/aor), a'kusin/a'kusun(3p/pl/aor)
  • 能動態第2次人称語尾接尾の未完了過去:IMPERFECTUM
    'ekua(1p/sg/imperfectum), 'ekues(2p/sg/imperfectum), 'ekuen(3p/sg/imperfectum), e'kuamen(1p/pl/imperfectum), e'kuete(2p/pl/imperfectum), e'kuasin(3p/pl/imperfectum)
  • 「アオリスト」能動態
    (「聞いた」)'ekusa(1p/sg/aoristus), 'ekuses(2p/sg/aoristus), 'ekusen(3p/sg/aoristus), e'kusamen(1p/pl/aoristus), e'kusete(2p/pl/aoristus), e'kusasin(3p/pl/aoristus)
  • 中・受動態 現在形 基本形(第1次人称語尾形)
    a'kuume(1p/sg/praesens), a'kuese(2p/sg/praesens), a'kuete(3p/sg/praesens), aku'umastin(1p/pl/praesens), a'kueste(2p/pl/praesens), a'kuunte(3p/pl/praesens)

命令形:(現在)'aku(2p/sg/praesens), a'kute(2p/pl/praesens):(アオリスト) 'akuse(2p/sg/aoristus), a'kuste(2p/pl/aoristus)

語彙形態素(文法形態素)代用語(「誰、何」(pi'os))

  • Nominativus;(m.)'pcos (f.)'pca (n.)'inta
  • Accusativus;(m.)'pcon (f.)'pcan (n.)'inta

人称代名詞

  • Sg:Accsativus;(m.)ton (f.)tin (n.)to
  • Sg:Genetivus; (m.)tu (f.)tis (n.)tu
  • Pl:Accusativus;(m.)tus (f.)tes (n.)ta
  • Pl;Genetivus; (m)tus (f.)tus (n.)tus

人称名詞

  • 有強勢形;1人称;Nom/sg; e'jo(ni) Acc & Gen/sg; e'menan Nom/pl; e'mis Acc & Gen/pl;e'mas
    2人称;Nom/sg; e'su(ni) Acc & Gen/sg;e'senan Nom/pl; e'sis Acc & Gen/pl;e'sas
  • 無強勢形;1人称;Acc/sg;me Gen/sg;mu Acc & Gen/pl;mas
    2人称;Acc/sg;se Gen/sg;s Acc & Gen/pl;sas

南イタリアのギリシア方言

プッリャのオトラントと南カラブリアのBovaの方言

破擦音/t∫/、イタリア語と同様の重子音、子音連続の硬口蓋化、連続する子音の同化、喉音の発達、動詞中・受動態の未完了過去3人称単数人称語尾-ενο、アオリスト命令形-σο、アオリスト分詞の存続:-γραφοντας, φονασοντας、不定形の名詞的用法の保持;το κλαφει σου=το κλαμα σου, το απεσαει =το αποθανειν

その他の方言でも、音韻変化において閉鎖音から摩擦音への遷移過程(通時言語学的現象)、前舌化、上昇・閉音化、中音化(centralisation)の現象・シュー(/∫/)音化・/t∬/音化・躁音化・無声軟口蓋閉鎖音の硬口蓋閉鎖音化等さまざまの音韻変化が諸方言に分散し、古代ギリシア語からコイネーの時代を経て現代の各地域の方言・またコイネーからアテネ方言への推移をも通時言語学・共時言語学において論証することができる。

特に如上のキプロス方言、またクレタ方言等は現在も遡及の可能な多量の文献が存在するので、現代語の通時的推移・共時的視野を論証させてくれる。また、母音交替子音交替・語中音(γ)添加.語尾音(ν)の添加、ふるえ音化等のさまざまな音韻変化または交替現象・古典語からの伝統である音便νの保持など、現代の諸方言は、古典からコイネーを経て分散した各方言の通時・共時言語学上の貴重な音韻変化を現在も維持している。現代の現用言語(langue vivante)である「ギリシア語」は、古代からの継続言語であり、「現用言語のギリシア語」の完全な理解には古典ギリシア語の素養も不可欠である。


注釈

  1. ^ なお、ヘブライ語(希伯来語)も希語と省略しうるが、現状、希語は、もっぱらギリシア語の意味で使われる。
  2. ^ 民衆の口語がギリシアの言葉と考え、主としてイオニア諸島の方言から収集し口語民衆語を提唱した。『開放された自由人』を参照。
  3. ^ 西海沖の地域を除く東域の諸島・北ギリシア本土・小アジアの当時の人々には、現地語とカサレヴサしか解する言語はなく、アテネ方言はまったく通じなかった。

出典

  1. ^ a b Modern Greek, UCLA Language Materials Project: Language Profiles, 2009年1月30日閲覧。
  2. ^ a b c d Greek language, Columbia Encyclopedia(オンライン版)”. 2008年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月30日閲覧。
  3. ^ "Greek language", Encyclopædia Britannica (オンライン版)、2009年1月30日閲覧。
  4. ^ Robert Browning, Medieval and Modern Greek, Cambridge University Press, 2nd edition, 1983.
  5. ^ Arvaniti 1999, p. 2.
  6. ^ http://unicode.org/charts/PDF/U0370.pdf






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