試験結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 08:46 UTC 版)
「サクビトリル・バルサルタン」の記事における「試験結果」の解説
PARADIGM-HF試験では、サクビトリルバルサルタンによる治療とエナラプリルによる治療が比較された。LVEFが低下した心不全患者(10,513人)を対象に、短期的にエナラプリルを投与した後、サクビトリルバルサルタンを順次投与した。両レジメンに耐えられた患者(8442名、80%)は、エナラプリルまたはサクビトリルバルサルタンの長期投与に無作為に割り付けられた。参加者は主に白人(66%)、男性(78%)、中年(中央値63.8±11歳)で、NYHA分類II度(71.6%)またはIII度(23.1%)の心不全を患っていた。 事前に設定された中間解析で、主要評価項目である心血管死または心不全が、エナラプリル投与群に比べてサクビトリルバルサルタン投与群で減少したことが明らかになり、試験は早期に中止された。心血管死と心不全による入院数の減少は、それぞれ統計学的に有意であった。サクビトリルバルサルタンは、エナラプリル投与群と比較して、以下の項目を減少させた。 心血管死亡または心不全による入院の複合エンドポイント(発生率21.8% vs 26.5%) 心血管死亡(発生率13.3% vs 16.5%) 心不全の悪化による最初の入院(発生率12.8%対15.6%) 全死亡(発生率17.0%対19.8%) 本試験の限界は、入院患者およびNYHA分類IV度の症状を持つ患者への治療開始の経験が少ない事である。また、本試験では、バルサルタンの最大量(+サクビトリル)とエナラプリルの最小量を比較しているため、現在の心不全におけるACE阻害薬のゴールドスタンダードとは直接比較できず、本試験結果の妥当性は低い。
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