垂直同期とは? わかりやすく解説

スクリーンテアリング

(垂直同期 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/14 05:19 UTC 版)

テアリングの例。映像の一部が横方向に引き裂かれるようなちらつきが発生し、視聴中に不快感を発生させる要因となる。

スクリーンテアリング: screen tearing)は、映像を表示するコンピュータディスプレイ装置(モニター)において、映像が乱れる現象のひとつ。テアリングまたはティアリングと表記されることが多い[1][2][注釈 1]

内容としては、映像ソースが1秒間に何コマ生成しているかを示すフレームレートと、映像を表示するディスプレイ側が1秒間に何コマ更新できるかを示すリフレッシュレートが一致しない場合に、複数のフレームが単一のフレームに表示されてしまい、画面が引き裂かれたような映像の乱れが生じる[5]

特に可変フレームレートのコンピュータゲームなどで起きやすい現象。

解決策

垂直同期

垂直同期は、ディスプレイ側が現在のリフレッシュサイクルを終えるまで、ビデオカードGPU)側が映像を出力しないようにするオプションである。通例、既定で有効になっている。

またAMDNVIDIAのビデオカードは、「Adaptive Vsync」のオプションをサポートしている。これはソフトウェア側のフレームレートがディスプレイのリフレッシュレートを超えた場合にのみ垂直同期をオンにし、逆に下回った場合は無効にする。これにより、テアリングを抑制しつつ、レンダリングエンジン側のフレームレートがディスプレイのリフレッシュレートを下回ったときに発生するスタッター(カクツキ)を解消できる[6]

別の手法として、FreeSyncG-Syncのような技術があり、これらは上記のコンセプトを反転させ、逆にディスプレイ側のリフレッシュレートをコンピュータから送られてくる内容に適応させるものである。ただしこれらのテクノロジーを利用するには、コンピュータまたはゲーム機器のビデオアダプターとディスプレイの両方が対応している必要がある。

欠点
垂直同期を有効にすると、レンダリングエンジン側のフレームレートがビデオ信号のフレームレートに制限される。これにより通常は映像の品質が向上するが、代わりにいくつかのケースにおいてデメリットも発生する。
ジャダー
プレゼンテーションなど24–30 fpsよりも大幅に低く記録された映像ソースにおいては、アーティファクトを引き起こす場合がある。このような低いフレームレートのソースを60 Hzのディスプレイで表示すると、ソース出力側がディスプレイのリフレッシュタイミングを頻繁に逃し、特定のフレームが意図したよりも速いタイミングで表示され、ジャダー現象が発生する場合がある。
入力ラグ
垂直同期を有効にすると、入力が映像に反映されるまでのラグが大きくなる傾向にある。これはコンピュータゲームにおけるユーザーエクスペリエンスを妨害する要因となる。ロールプレイングゲームなどではほとんど問題ないが、速い反応速度が要求されるFPSゲームや、格闘ゲームといったジャンルにおいては、致命的な影響を受けやすい。
その他の解決策

脚注

注釈

  1. ^ このtearという動詞は「を流す」の意味ではなく「引き裂く英語版」の意味で使われているため、発音はイギリス英語: [teə]またはアメリカ英語: [ter][3][4]であり、テアリングのほうが原語に近い。

出典

関連項目


垂直同期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 10:15 UTC 版)

ティアリング」の記事における「垂直同期」の解説

垂直同期を有効にすると、ディスプレイ側が次のリフレッシュタイミングまで、ビデオカード側が映像出力しないようにするオプション。 またAMDNVIDIAビデオカードは、AdaptiveVsyncをサポートしている。これはソース側のフレームレートディスプレイリフレッシュレート超えた場合にのみ垂直同期をオンにし、逆に下回った場合無効にする。これにより、ソース側のフレームレートディスプレイリフレッシュレート下回ったときに発生するスタッター解消できる。 またさらに進化させたFreeSyncG-Syncという技術登場している。これはディスプレイリフレッシュレートソース適合させる。ただしこれらを利用するには、サポートされディスプレイビデオカード、さらに対応したゲームソフトなど映像ソフト組み合わせが必要となる。 欠点 垂直同期を有効にすると、ソース側のフレームレートディスプレイ側のリフレッシュレート制限され映像品質向上するが、それに伴いデメリット発生するジャダー プレゼンテーションなど24~30fpsよりも大幅に低く記録され映像ソースにおいてはアーティファクト引き起こす場合がある。このような低いフレームレートソースを60hzのディスプレイ表示すると、ソース出力側がディスプレイのリフレッシュタイミングを頻繁に逃し特定のフレーム意図したよりも速いタイミング表示されジャダー現象発生する場合がある。 入力ラグ 垂直同期を有効にすると、入力映像反映されるまでのラグ大きくなる傾向にある。これはコンピューターゲームにおけるユーザーエクスペリエンス妨害する要因となる。ロールプレイングゲームなどでは殆ど問題ないが、速い反応速度要求されるFPSゲームや、格闘ゲームといったジャンルにおいては致命的な影響を受けやすい。 その他の解決策

※この「垂直同期」の解説は、「ティアリング」の解説の一部です。
「垂直同期」を含む「ティアリング」の記事については、「ティアリング」の概要を参照ください。

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