動詞句
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 04:22 UTC 版)
動詞句(どうしく、英:verb phrase または verbal phrase、略して VP)は、言語学において、最低1つの動詞を含む統語論的な単位。厳密な定義は理論により異なるが、句動詞(phrasal verb)とは異なる概念である。
- ^ 定形動詞とは、人称・時制・相などによって形態が決まる動詞・助動詞を指し、英語では主動詞(助動詞が先行する場合は助動詞)がそれに当たる。一方、非定形動詞は、準動詞とも呼ばれ、人称・時制などに形態が影響されない動詞(不定詞・分詞・動名詞など)を指す。英語の場合、「節における最初の動詞(助動詞含む)が定形動詞で、その他は非定形動詞」と考えるとわかりやすい。
- ^ Xバー理論には、英語の「will」などの助動詞は、主語名詞句と動詞句の両者を内包する屈折句(inflectional phrase)の主要部(I)だとする考え方もある(en:X-bar theory#A full sentenceおよびen:Finite verb#Finite verbs in theories of syntaxを参照)。
- ^ 単独で動詞句を構成できる動詞は、学校文法における自動詞にほぼ相当するが、両者は完全に同じものではない。
- ^ 補語も補部も英語では complement だが、英語圏でもやはり、学校文法と言語学の間で定義が異なる。補語についてはen:Complement (linguistics)#Predicative subject and object complements、補部についてはen:Complement (linguistics)#Complements as argumentsを参照。
- ^ 主語(虚辞を除く)も項だが、句構造文法(Xバー理論など)では、主語名詞句は動詞句の外側にあると考えられている。しかし、主語項も補部だとする理論もある(en:Complement (linguistics)#Complements as argumentsを参照)。
- ^ CPには、that節の他、「for+名詞句+to+動詞句」という構造の句なども含まれる。
- ^ 関係節も付加部である。
- ^ en:Argument (linguistics)#Arguments and adjunctsを参照。
- ^ テニエールが非定形動詞句を構成素として否定している記述については、 Tesnière (1959:103-105) を参照。
- ^ 句構造文法(Xバー理論など)においては、深層構造 では動詞句の中にある主要部動詞が、主要部移動を経て、表層構造では主語名詞句の上の階層に現れるという考え方もある。
- ^ ここでは、句構造文法と依存文法の違いを示すため、比較的簡素なツリー図が用いられている。「S」の代わりに IP(inflectional phrase)というラベルが使用されることがあり、さらにその上位構造として CP(complementizer phrase)というラベルが使用されることもある。en:X-bar theory#A full sentence、en:Inflectional phrase、en:Complementizerも参照。
- ^ 定形動詞句の存在を証明あるいは否定する根拠については、 Matthews (2007:17ff.)、 Miller (2011:54ff.) 、 Osborne et al. (2011:323f.) を参照。
- ^ 定形動詞句が構成素として成立するということを証明する実験は、時として定形動詞句と非定形動詞句を混同してしまう結果を招くことがある。例えば、 Akmajian and Heny (1980:29f., 257ff.) 、 Finch (2000:112) 、 van Valin (2001:111ff.) 、 Kroeger (2004:32ff.) 、 Sobin (2011:30ff.) を参照。
- ^ April 22, 2006 Language Log posting. Eric Baković. カリフォルニア大学サンディエゴ校.
- ^ 例えば、Klammer and Schulz (1996:157ff.) が、この定義を用いている。
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