ソーラーセイル
英語:solar sail
太陽光圧を推進力として利用するための「帆」の役割を果たす薄膜の通称。太陽から放出される光子の僅かな圧力を受け止め、さながら帆船が風を受けて進むように、推進力に利用しようとするもの。
ソーラーセイルを利用する宇宙船は「宇宙帆船」や「宇宙ヨット」などと呼ばれる。
2010年5月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた宇宙ヨット実証機「IKAROS」(イカロス)は、6月にソーラーセイルの完全展開に成功し、太陽光圧による推進を実現したことで、世界発の宇宙ヨットになった。2012年12月にはギネス世界記録によってIKAROSが「世界発の宇宙ヨット」と認定されている。
JAXAによれば、太陽光圧を推進力に利用するというソーラーセイルの発想自体は決して目新しいものではなが、技術面で実現可能になったのはつい最近のことだという。
IKAROSが搭載しているソーラーセイルは、ポリイミドで作られた正方形の薄膜であり、1辺の長さ14メートル、対角線の長さは20メートル余りあるが、その厚みは僅か0.0075mm(7.5マイクロメートル)であるという。また、セ氏100度以上の高温に耐える耐熱性、宇宙空間における放射線や紫外線に耐える耐久性もポリイミド製ソーラーセイルの特徴となっている。
関連サイト:
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」(ミッション概要) - JAXA
IKAROS専門チャンネル - JAXA
太陽の光を受けて航行する宇宙ヨット - JAXA
ソーラー‐セール【solar sail】
読み方:そーらーせーる
⇒太陽帆
太陽帆
(solar sail から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 17:55 UTC 版)
太陽帆(たいようほ・たいようはん)とは、ソーラー帆、ソーラーセイル、光帆(こうはん・ひかりほ)とも呼ばれ、薄膜鏡を巨大な帆として、太陽などの恒星から発せられる光やイオンなどを反射することで宇宙船の推力に変える装置のことである。これを主な推進装置として用いる宇宙機は太陽帆船、宇宙ヨットなどと呼ばれる。
- ^ P. Lebedev, 1901, "Untersuchungen über die Druckkräfte des Lichtes", Annalen der Physik, 1901
- ^ JAXAトピックス
- ^ “Solar Sail Demonstrator”. NASA. (2013年10月30日) 2014年11月3日閲覧。
- ^ “NASA、2014年に巨大ソーラーセイルを打ち上げ”. Wired.jp. (2013年3月28日) 2014年11月3日閲覧。
- ^ “NASA Nixes Sunjammer Mission, Cites Integration, Schedule Risk”. SpaceNews.com. (2014年10月17日) 2014年11月3日閲覧。
- ^ “Surrey Space Centre – UK CubeSail Satellite”. AMSAT-UK. (2014年7月11日) 2014年11月3日閲覧。
- ^ “CubeSail”. サリー大学 2014年11月3日閲覧。
- ^ “ESTCube-1 – Estonia’s First CubeSat”. AMSAT-UK. (2013年4月20日) 2014年11月3日閲覧。
- ^ “ESTCube-1 Solar Sail Experiment”. AMSAT-UK. (2014年9月16日) 2014年11月3日閲覧。
- ^ JAXA JESPEC活動計画
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