ジカ熱
別名:ジカ・フィーバー、Zika熱、ZIKV感染症、ジカウィルス感染症、ジカウイルス感染症
英語:Zika fever
ジカウィルス(ZIKV)によって引き起こされるヒトの感染症。ネッタイシマカやヒトスジシマカなど、複数の蚊が病原体を媒介することが知られている。
ジカウィルスの存在は1947年から知られていたが、感染症の報告は従来ほとんどなく、2007年にミクロネシア連邦のヤップ島で、島民の約7割が感染したアウトブレイク(大規模感染)が起こったことで、初めて広く認知されるようになった。2013年11月には、仏領ポリネシアでアウトブレイクが発生し、患者数は数万人にも及ぶとされた。2014年1月に、仏領ポリネシアから帰国した日本人がジカ熱を発症し、日本国内における輸入感染症として、初の症例となった。
ジカ熱の症状は発熱、発疹、筋肉痛、下痢、浮腫などで、デング熱に類似している。「ジカ熱」の病名で呼ばれているものの、時に発熱の症状を伴わないこともある。ジカ熱に対するワクチンや有効な治療薬は開発されていないが、適切に治療すれば死亡率が1%未満とされるデング熱よりも症状が軽いため、生命の危険はほぼないとされている。4日から7日程度で完全に回復し、発症しても病院に行かない人も多いという。また、一度ジカ熱に感染すると体内で抗体が産生されるため、二度と罹ることはないといわれる。
ジカ熱のアウトブレイクや感染を防ぐために、蚊の防除や水溜まりなどの産卵場所の除去、虫刺されへの注意喚起などの手段がとられている。
関連サイト:
<速報>フランス領ポリネシア・ボラボラ島帰国後にZika feverと診断された日本人旅行者の2例 - 国立感染症研究所
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