Windows_1.0xとは? わかりやすく解説

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Microsoft Windows 1.0

(Windows_1.0x から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 09:46 UTC 版)

Microsoft > Microsoft Windows > Windows 1.0
Windows 1.0
Microsoft Windows ファミリー
開発者
Microsoft
リリース情報
リリース日 1985年11月20日 [info]
最新の安定版 1.04 - 1987年4月8日 [info]
ソースモデル クローズドソース
ライセンス Microsoft EULA
先行品 MS-DOS
後続品 Windows 2.0
サポート状態
サポート終了:2001年12月31日

Microsoft Windows 1.0(マイクロソフト ウインドウズ 1.0)は、マイクロソフト1985年11月20日に発売したMS-DOS上に動作するオペレーティング環境である。

Windows 1.0のカタログ(1986年1月)

概要

IBM PCなどx86系のPCはもともとMS-DOSやBASICなどのようにキャラクタユーザインターフェース (CUI) のOSを採用していたが、1984年に登場したAppleのMacintoshではOSが当初からグラフィカルユーザインターフェース (GUI) を備えていた[1]。そのような中、マイクロソフトはMS-DOSにGUI環境を追加するアドオンの開発を1983年から進めており、1985年にリリースした。これがWindows 1.0である[2]。動作には別途MS-DOS(日本語版では Ver. 3.1以上)が必要であり、この制限はWindows 3.xまで続いた[3]

テレビコマーシャルでは、スティーブ・バルマーが熱狂的にWindows 1.0を宣伝し、大きな印象を与えた[4]。しかし、Intel 80286で搭載されたプロテクトモードには対応していなかったために、メモリ利用の上限サイズが640KBになっている。また、当時の一般的なパソコンの性能では動作が重かった。Windowsの発売延期や仕様変更が繰り返されたことで、ソフトウェアメーカーがWindows対応ソフトの開発から退いてしまったことも影響した。結果として、米国での発売発表当時(1983年)の騒ぎとは逆に、発売後の評判はあまり思わしくなかった[5]

日本では、MS-DOS Ver. 3.1と共にバンドルOSとしてNEC製パソコンPC-9801VX4/WNに採用され、1986年11月に発売された[3]。しかし、そのすぐ後にOS/2Windows 2.0の登場が予期されていたこともあり、Windows 1.0に対する日本のソフトウェアメーカーの反応は米国と同様に鈍かった[6]

1987年にマイクロソフトのロゴが変更されたため、起動画面のマイクロソフトのロゴは、1985年発売のバージョン1.01と1.02、1986年発売の1.03までが旧ロゴ[1]1987年発売の1.04は新ロゴとなっている。

開発

Windowsの開発は、1981年9月に立ち上がった「インターフェイスマネージャ」というプロジェクトがきっかけであった。当時のWordStarMicrosoft Multiplanといった代表的なものを含むIBM PC用ソフトウェアは操作方法に共通点がなく、テキストのコピーやファイルの印刷といったよく使われる操作すら統一されていなかった。また、アプリケーションからプリンターにデータを送る手順も標準化されていなかったため、各ソフトウェアがそれぞれの開発時点でのプリンターに対応するドライバを開発して添付する必要があった。こういった不便を解消すべく「インターフェースマネージャ」のプロジェクトが開始され、次の目標が立てられた[7]

  • ハードウェアから独立していること。
  • グラフィック・モードで動くこと。
  • WYSIWYGアプリケーションをサポートすること。
  • アプリケーションの見かけを標準化すること。

当初、画面のデザインはMultiplanのように画面下部に操作コマンドを表示するものが考えられていたが、これはXerox StarやMacintoshのようなプルダウンメニュー方式に変更された。また、各アプリケーションのパネルを表示するウィンドウはタイル状に並ぶ方式を採用したが、世間ではアップルのLisaで採用された積み重ね表示のデスクトップ方式が受けていた。Windowsがまだ完成までほど遠い状況にあった中、1980年から同様のソフトウェアを開発していたビジコープは1982年秋にVisiOnを発表し、1983年10月には出荷の準備が完了したと発表した。同時期に、クォーターデックからDESQViewという競合製品も現れた。他社に先手を取られたマイクロソフトは、1983年11月10日にWindowsの開発を正式に発表した。それは2台のフロッピーディスクドライブと192KBのRAMを必要とするもので、マイクロソフトはそれをMS-DOS用のデバイスドライバとして説明した。正式発表後、マイクロソフトはハードウェアやソフトウェアのメーカーにWindowsの採用を呼びかけ、1984年初めには20社以上から賛同を得た[7]

しかし、Windowsの開発は延期を重ねていった。Windowsは当時のパソコンの平均的な性能ではあまりにも重く、開発は困難を極めた。開発言語がPascalからLattice C、Microsoft Cへと変更されたこと[8]、マイクロソフトは1983年末には500人ほどの社員を抱えていたにもかかわらず、すべてのプロジェクトにビル・ゲイツが責任を持つという組織体系であったため、開発の進行や問題の把握に遅れをもたらしていることが明らかになった。開発体制の問題は1984年8月の組織改革で改善され、この時スティーブ・バルマーがWindowsを担当するシステム部門の責任者となった[9]。この間、表ではVisiOnが開発環境や動作環境の問題で市場に受け入れられていないことが明白となり、マイクロソフトの失態は初めのうちは見逃されていた。ところが、開発はスムーズには進まず、1984年末になると『PC Weeks』を初めとする複数の雑誌の評論家から批判を受けた。Windowsはマイクロソフトの最重要プロジェクトとして、プログラミング・チームは20人以上、マニュアル製作やテストチームを合わせて30人以上の当時としては大規模なチームになった[7]

1985年5月のCOMDEXにWindowsを出展し、6月に発売すると断言した。1985年6月28日、本来ならWindowsの発売日であったが、Windowsのテスト版がソフトウェア開発者やハードウェアメーカーに配布されるのみだった。名目上は正式リリース前にテストユーザーからフィードバックを得るためとされた。最終的に、1985年11月11日にマスコミや関係者を招いたWindows完成パーティーが開かれ、11月20日にWindowsが99ドルで発売された[7]

機能

スクリーンショット(Windows 1.0のカタログより)

GUI

スタイルは現行Windows製品の原型となったWindows 95や、その前身であるWindows 3.1とは大きく異なっている。擬似マルチタスクオペレーティング環境で、各ウィンドウはタイル状に展開された。ただし、コントロールパネルの個々の設定項目などのように、ダイアログボックス程度の小さなウィンドウであれば重ねて表示されることもあった。

タイル状のウインドウについては、当時のハードウェア的な制約によるものという説がある(Windows 1.0が動作する最低限の環境では仕組みが重荷すぎる)が、開発者は「重なったウインドウは複雑なので、ユーザーインターフェースの観点からあえてそうした」と主張している。ただし、ダイアログやプルダウンメニューといった要素を見て分かる通り、ウィンドウを重ねる機能が全く存在しないわけではない。Windows 1.0開発者の一人であり、ゼロックス出身のスコット・マクレガーは、「ユーザビリティを優先させるため簡略化した」と述べており、PARC時代の実験から「複数のウィンドウを用いる場合、それらを重ねるより並べて扱う方が移動の効率が良い」という実験結果を得ていたという[要出典]。現在においても、研究所レベルの内製システムなどでは意図的にタイリングを採用する例はあり、Windows 1.0の設計が必ずしも低レベルというわけではない。開発チームにはMac派のメンバーもおり、タイリングにするか重ねるかで対立があったとされている[要出典]

個々のウィンドウは、タイル表示のほかに最大化や最小化(アイコン化)も可能である。この意味では、アプリケーションにはアイコンが存在するが、あくまでタスクアイコンであり、後述のようにファイルとしてのアイコンは無い。アプリケーションのウィンドウは、最大化しない限りは常に下部に隙間を残す形になり、デスクトップの一部が見えている状態になる。Windows 3.x以前のデスクトップは、基本的にタスクアイコンの置き場であり、このデスクトップ下部領域はちょうどタスクバーの役割があった。Windows 1.0のデスクトップは2.0-3.xのデスクトップとは異なり、下部領域はウィンドウの表示領域とは機能的に独立しており、より95以降のタスクバーに近いものだった。ウィンドウ表示領域は、常に何らかのウィンドウが占拠しており、意図的にすべてのウィンドウをタスクアイコン化しない限りは、デスクトップ背景が見える機会が無い。このデスクトップ背景にタスクアイコンをドラッグすれば、そのタスクのウィンドウが開くため、下部領域以外のデスクトップにアイコンを置くことはできない。既に、何らかのウィンドウが占拠していた場合は、既存のウィンドウとの分割表示(タイル表示)になる。この時、タスクアイコンをドロップした位置によって、ウィンドウが縦に分割されるか、横に分割されるかが決まる。

ウィンドウは、上部にタイトルバーやメニューバーを備えており、これらはその後のWindowsと同様である。この頃から既に、タイトルバーの左端の四角い部分(95以降では小さなアイコンが表示される個所)にもプルダウンメニューを備えており、そこをダブルクリックすることでウィンドウを閉じる機能も、この頃から搭載されている。

しかし、ウィンドウにはその後のWindowsような太いウィンドウ枠は存在せず、ウィンドウ枠を直接ドラッグすることはできなかった。ウィンドウ間の境界位置を変更するには、タイトルバーの右端にある四角いボタンのようなものをドラッグする必要があった。このボタンは、ダブルクリックでウィンドウを最大化する機能もあった。タイトルバーの右端のボタンはこれ1つだけであり、その後のWindowsようにウィンドウを閉じたり最小化したりするボタンは無い。それらの操作は、タイトルバーの左端のプルダウンメニューから行う必要があった。

マウスの操作は、当時のMacintoshに近いものだった。例えば、プルダウンメニューを出してもマウスのボタンを離すと消えてしまうため、クリックしたままドラッグさせることで目的の選択肢を選び、ボタンを離すことで決定する必要があった。この操作方法は、その後のWindowsでも可能である。

MS-DOS ウィンドウ

Windows 1.0から2.xまで使われたシェルプログラムが、MS-DOSウィンドウ(原語版では「MS-DOS Executive」)である。

日本語版では「MS-DOS ウィンドウ」という名称だが、紛らわしいことにDOS窓とは別物であり、あくまで後のファイルマネージャエクスプローラに相当するユーザーインターフェースである。ただし表示される情報はMS-DOSのDIRコマンドの表示と大差なく、アイコン表示はドライブ名だけで、ボリュームラベル、カレントディレクトリのパスおよび、ファイル名は文字で羅列されるだけのものだった。すなわち、ファイルにはアイコンが用意されておらず、ファイル名を直接ダブルクリックすることでプログラム(データファイルの場合は関連付けられたプログラム)が起動する。要するに、MS-DOSにおけるコマンド入力の一部をマウス操作でも可能にした程度のものだった。なお、メニューバーからはファイルやディレクトリ、ディスク関連の操作メニューがいくつか用意されているが、ファイルはドラッグすることができず[3]、複雑なファイル操作にはキーボード入力が必要だった。

MS-DOSウィンドウの表示形式には、ファイル名だけの「ショート」と、タイムスタンプやファイルサイズの情報を含む「ロング」があり、前者はDIRコマンドで言うところの「/W」オプションでの表示に近い。これらは、後のファイルマネージャの表示メニューで言うところの「名前のみ」と「すべての情報」に、エクスプローラの表示メニューでは「一覧」と「詳細」に、それぞれ相当する表示形式である。表示順は「名前」、「日付」、「サイズ」、「拡張子」でソート可能なほか、プログラムファイルのみの表示や、ワイルドカードによる指定ファイルのみを表示することもできた。

ディレクトリツリーを表示する機能は無いものの、複数のMS-DOSウィンドウを同時に立ち上げることができ、異なるドライブやディレクトリを同時に参照することができた。新しいウィンドウを立ち上げる実行ファイルは「MSDOS.EXE」[注 1]で、名称こそEXE形式だが、バイナリはRET命令のみの1バイトというCOMファイル相当[注 2]でしかなく、MS-DOSウィンドウが呼び出されるショートカットのような存在だった。これはWindows 2.xでも同様になっている。

MS-DOSウィンドウはシェルであるためWindowsの起動時に自動で立ち上がり、すべてのMS-DOSウィンドウを閉じればWindowsも終了する。

Windows3.xではプログラムマネージャとファイルマネージャに置き換えられた。

付属アプリケーション

当時から搭載されていた主なアクセサリやツール類には、以下のようなものがある。FD運用の場合に、デスクトップアプリケーションディスクに含まれるプログラムを主として挙げる。実行前には、ショートカットのようなタイトル名は表示されていないため、実行するファイル名を示した。括弧内は、タイトルバーでのタイトル。以下の他、画面ハードコピーを行う「WHCOPY.EXE」がWindowsのシステムディスク側にあった。

  • CALC.EXE (電卓
  • CALENDAR.EXE (カレンダー
  • CARDFILE.EXE (カードファイル) - カード型データベース
  • CLIPBRD.EXE (クリップボード
  • CONTROL.EXE (コントロールパネル
  • NOTEPAD.EXE (メモ帳
  • PAINT.EXE (ペイント
  • PIFEDIT.EXE (プログラム情報エディタ) - MS-DOSプログラム実行の際の個々の環境設定を行うPIFファイルを編集する。
  • REVERSI.EXE(リバーシ
  • SPOOLER.EXE (スプーラ) - プリンタスプーラ。
  • TERMINAL.EXE (ターミナル) - 通信ソフト。
  • TIME.EXE (時計)
  • WDSKCOPY.EXE (WDSKCOPY) - ディスクコピー。これはオーバーラップウィンドウで実行される。
  • WRITE.EXE (ライト) - Windows 95/NT4.0以降のワードパッドに相当するワープロソフト。
  • WSWITCH.EXE (スイッチ) - PC-9800シリーズ用の場合。メモリスイッチ設定ツール。
  • WUSKCGM.EXE (ユーザー定義文字保守ユーティリティ) - 外字エディタ。

システム要件

Windows 1.0のシステム要件は、次の通りである[10]

物理メモリ 256KB以上
補助記憶装置 フロッピーディスクドライブまたはハードディスクを搭載
MS-DOS バージョン 2.0以上[11]
ディスプレイ CGAEGAまたはHGCグラフィック、および互換モニター

評価

Windows発表直後や発売前後での歓迎ムードから一変して、発売後は批判を浴び続けた。

競合製品のDESQviewやTopViewがテキストベースのオペレーティング環境であったのに対し、Windowsはグラフィックベースであることを貫いた。また、別の競合製品であるGEMはグラフィックベースであるものの、同時に一つのアプリケーションしか実行できないシングルタスクであったが、Windowsはアプリケーションが無負荷の時に、別のアプリケーションに処理を割り当てる擬似マルチタスクであった[12]。この機能を組み込んだ分だけ性能にハンデを負うことになり、当時普及していたIBM PCやPC/XT相当のパソコンの性能では満足に動かせず、80286ハードディスクを搭載したPC/ATですらRAMディスクを使わないとスムーズに動かないと指摘された[13]。さらに、Windowsの開発表明から発売までに発売の延期や仕様の変更が繰り返されたため、ロータスアシュトンテイトといった大手ソフトウェアメーカーがWindows用ソフトの開発に興味を示さなくなったことも大きなマイナスとなった[7]

性能の問題に対しては、1986年末にマイクロソフトが直々にIBM PC用CPUアクセラレーターとマウスを同梱した「Microsoft Mach 10」を発売したが[14]、Windows対応ソフトがない問題は残っているという批判が上がった[15]。1987年初めには、マイクロソフトはWindowsを50万本出荷したと発表したが、実際にユーザーの手に渡ったのは多くても10万本だろうという指摘が挙がった[16]

Windowsのコンセプトや、機能に対する批判は目立ったものではなく、当時の平均的なパソコンでは性能不足だったことと、対応ソフトの少なさに問題があったとして結論づけられた。1987年3月に、マイクロソフトのWindows宣伝担当は「座ってのんびりしている暇はない。我々はまだスタートしたところだ。誰も最初のラップでレースに勝利するとは言っていなかった。」とコメントし、Windowsの開発を続けることをほのめかした[16]

出荷本数の推移

  • 1987年3月 - 50万本突破[16]
  • 1987年11月 - 100万本突破[9]

サポート期間

Windows 1.0 - 2.xは、リアルモード用のアプリケーションしか動かせないため、リアルモードのサポートされたWindows 3.0までは一応の(メモリ管理上の)互換性は保たれたものの、Windows 3.0以降でプロテクトモードアプリケーションが主流になる頃には事実上の製品寿命を終えていた。

しかし、当時のマイクロソフトでは明確なサポート期限という概念が存在せず、製品寿命を過ぎてフェードアウトした製品については、サポートもうやむやになっているような状況だった。しかし、企業向けの売り込みでWindows 95からの置き換えに成功したWindows 2000の登場が転機となり、サポート期間に対する問い合わせが相次いだことから、後付けでサポート期限が設けられた[17]。その結果、この時点で事実上の製品寿命を迎えていたWindows 95以前の製品について、一律に2001年12月31日にサポートが打ち切られ、Windows 1.0も16年に及ぶ歴史に正式な幕引きが行われた。

脚注

注釈

  1. ^ 「MS-DOS ウィンドウ」は本来、英語版で「MS-DOS Executive」という名称である。
  2. ^ RET命令 (0xC3、テキストとして開けば半角カナの「テ」1文字) はCOMファイルにおいて、開始時のスタック状態であれば終了コードとして機能する。言わば最も短いCOMプログラムである。

出典

  1. ^ a b [管理人のテック雑記帳 Windows編② Windows 1.xの話]”. [管理人のテック雑記帳] Windows編② Windows 1.xの話. 2021年7月29日閲覧。[出典無効]
  2. ^ Windowsの歴史 Windows 1.0前夜編:MacintoshとWindows 1.0”. ZDnet (2009年4月21日). 2015年6月13日閲覧。
  3. ^ a b c 世界のOSたち - GUIの世界へ移行した「Windows 1.0」”. マイナビ (2013年3月6日). 2015年6月13日閲覧。
  4. ^ Ballmer sells windows 1.0 - YouTube
  5. ^ 「Windows 1.0」を振り返る--帝国を築くきっかけとなった不評OS”. cnet (2013年11月21日). 2015年6月13日閲覧。
  6. ^ 「特集 ウィンドウの向こう側」『月刊アスキー』第12巻第8号、1988年、166-180頁。 
  7. ^ a b c d e Daniel Ichbiah/Susan L.Knepper 著、椋田直子 訳「第15章 待望のWindows」『マイクロソフト-ソフトウェア帝国誕生の軌跡-』アスキー、1992年7月1日、285-320頁。ISBN 9784756101181 
  8. ^ 脇英世「第一章 おどりでたマイクロソフト」『WINDOWSの時代 - マイクロソフトはパソコンをどう変えるか』講談社、1994年3月22日、11-35頁。ISBN 4061542117 
  9. ^ a b 岩淵明男「Part.4 使いやすいグラフィカル・ユーザー・インターフェースを持つ"ウィンドウズ"の開発」『マイクロソフト・ウィンドウズ戦略のすべて - 新情報ネットワーク時代への挑戦』TBSブリタニカ、1993年10月7日、122-147頁。ISBN 4484932288 
  10. ^ 世界のOSたち - GUIの世界へ移行した「Windows 1.0」”. マイナビニュース (2013年3月6日). 2025年2月22日閲覧。
  11. ^ Windows Version History”. マイクロソフト. 2006年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月22日閲覧。
  12. ^ 福田善康、中島聡「特集 87年のOS環境を占う MS-WINDOWSのメカニズム」『月刊アスキー』第11巻第2号、1987年、100-105頁。 
  13. ^ Marc Stern (1986-02-03). “Windows Requires Too Much Powers”. Infoworld 8 (5): 33-34. https://books.google.co.jp/books?id=oS8EAAAAMBAJ&lpg=PA33&hl=ja&pg=PA33 2017年2月11日閲覧。. 
  14. ^ The Secret History of Microsoft Hardware - Microsoft Mach 10 (1986) - Slideshow from PCMag.com”. Ziff Davis, LLC. (2012年7月15日). 2017年2月11日閲覧。
  15. ^ Michael J. Miller (1986-09-01). “Microsoft Depending On Success Of Windows”. Infoworld 8 (35): 30. https://books.google.co.jp/books?id=cS8EAAAAMBAJ&lpg=PA30&hl=ja&pg=PA30. 
  16. ^ a b c Peggy Watt. "Few doing Windows. User, developer apathy plagues year-old interface". Computerworld. March 2, 1987. 2017年2月11日閲覧。
  17. ^ マイクロソフト、Windows 98などサポート期限に関する説明会を開催”. Impress Watch (2003年6月10日). 2015年8月30日閲覧。

参考文献

  • マーリン・エラー、ジェニファー・エズトロム 『ビル・ゲイツの罪と罰』三浦明美(訳)、アスキー、1999年。ISBN 4-7561-3075-5

外部リンク


Microsoft Windows 10X

(Windows_1.0x から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 09:02 UTC 版)

Windows 10X
Windows 10オペレーティングシステムのリリース
Windows 10Xのスクリーンショット
開発者 Microsoft
OSの系統 Microsoft Windows
開発状況 開発中止
ソースモデル クローズドソース
初版 2020 (planned launch)
アップデート方式 Windows Update
カーネル種別 ハイブリッドカーネル
後続品 Windows 11 (2021)
テンプレートを表示

Microsoft Windows 10X(ウィンドウズ テン エックス)は、マイクロソフトが開発するWindows NT系オペレーティングシステムであり、Windows 10の後継バージョンになる予定だった。

概要

2019年10月2日にマイクロソフトによって発表され、当初は未発売のSurface Neoなど、デュアルスクリーンデバイス向けのオペレーティングシステム(以降:OS)として開発された。10Xは2020年にリリースされる予定であったが、後にMicrosoftは2021年5月にプロジェクトが中止されたことを発表した。[1] Windows 10Xに搭載される予定だった機能やデザインなどは、Windows 11に流用された。[2]

Windows 10XのOSは開発初期段階では、デュアルスクリーンデバイス向けに設計されていたが、新型コロナウイルスのパンデミックによるコンピュータの需要の増加で、2020年にシングルスクリーンデバイス向けへと計画を変更した。[3]

Windows 10Xの特徴

新機能および変更点

Windows 10XはWindows 10 までのモデルとは大きく変更され、新しい機能や強化されたセキュリティを実現し、[4]これらのデザイン変更のいくつかはWindows 11にも搭載された。ユーザーインターフェースの既定テーマは明るいテーマが採用された。

タスクバー

Windows 95からWindows 10まで、画面左下に搭載されているタスクバーは画面中央の下に搭載された。マウスで操作するデスクトップ向けの小サイズと、タッチ操作向けの中サイズと大サイズの3種類があった。[5]さらに、タスクバーは自動的に非表示になるため、クリックかタップで表示されるようになった。

スタートメニュー

新しくシンプルなスタートメニューが採用され、ライブタイルが廃止され、後継として「アプリのピン留め」セクションが追加された検索ボックスはタスクバーではなく、スタートメニューの上部に移動された。アプリアイコンも刷新され、ウインドウの境界線は丸みを帯びたデザインとなった。

クイック設定

アクションセンターが「クイック設定」と名称変更・マイナーチェンジが行われた。[6]ネットワーク/インターネット設定、音量調節、電源オプションなどが、ここに移動した。

初期セットアップ画面

Windows 10Xの新しいユーザインタフェースに適合するように、初期起動時のセットアップ画面が近代的なデザインに刷新された。Cortanaはセットアップの統合機能から外された。

Windows Updateの改善

更新プロセスが改善され、機能更新データがバックグラウンドで自動的にインストールされ、システムの再起動は、必要な場合にのみ行われるようになった。

セキュリティの強化

Windows 10Xでは、新しいセキュリティ機能「State Separation(ステート・セパレーション)」が導入された。従来のWindows OSでは、ユーザーファイルやシステムファイル、アプリケーションファイルなどが1つのパーティション(記憶装置を論理的に区切った領域)に格納されており 、その結果、悪意のあるプログラムがシステムファイルにアクセスしやすい環境になっていた。 この問題を解消するため、システムファイルやアプリケーションファイルなどの重要なデータを読み取り専用パーティション(通常のユーザーやアプリケーションが書き込みできない領域)に配置し、ユーザーファイルは別のアクセス可能なパーティションに分離する仕組みが採用されている 。これにより、ユーザーやアプリケーションはユーザーパーティション内のファイルにのみアクセスできるようになり、システム全体のセキュリティが強化される。

開発中止

2021年5月、MicrosftはWindows 10Xの開発を中止したことを発表した。[7]

Microsoft関係者によると、「Microsoftは2021年内にはWindows 10Xをリリースせず、リソースをすべてWindows 10に回すことにした」と話す。また、「Windows 10Xの機能がWindows 10に統合される」可能性を示唆した。[8]

しかし、先述のとおり、これらのインタフェースやスタートメニューのデザインの多くは、同年10月にリリースされたWindows 11に使用された。

参考文献

  1. ^ Warren, Tom (2021年5月18日). “Microsoft confirms Windows 10X is dead” (英語). The Verge. 2025年2月7日閲覧。
  2. ^ Warren, Tom (2021年6月15日). “Windows 11 leak reveals new UI, Start menu, and more” (英語). The Verge. 2025年2月7日閲覧。
  3. ^ Contributor, Tech Advisor. “Windows 10X will hit single screen devices first in strategy shift” (英語). Tech Advisor. 2025年2月7日閲覧。
  4. ^ published, Zac Bowden (2021年5月27日). “Windows 10X: Everything you need to know” (英語). Windows Central. 2025年2月7日閲覧。
  5. ^ Windows 10X: A closer look at Microsoft's new operating system” (英語). BleepingComputer. 2025年2月7日閲覧。
  6. ^ Parmar, Mayank (2021年5月16日). “Windows 10 leak points to new Action Center UI and more rounded corners” (英語). Windows Latest. 2025年2月7日閲覧。
  7. ^ 「Windows 10X」中止が与える影響と「Surface Neo」の今後”. ITmedia PC USER. 2025年2月7日閲覧。
  8. ^ Windows 10X on hold, features coming to Windows 10 instead” (英語). BleepingComputer. 2025年2月7日閲覧。



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