William Rowan Hamiltonとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > William Rowan Hamiltonの意味・解説 

ハミルトン【William Rowan Hamilton】


ウィリアム・ローワン・ハミルトン

(William Rowan Hamilton から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 20:39 UTC 版)

ウィリアム・ローワン・ハミルトン
William Rowan Hamilton
生誕 1805年8月4日
イギリス
 アイルランド ダブリン
死没 (1865-09-02) 1865年9月2日(60歳没)
イギリス
 アイルランド ダブリン
研究分野 数学物理学天文学
研究機関 ダブリン大学トリニティ・カレッジ
出身校 ダブリン大学トリニティ・カレッジ
指導教員 ジョン・ブリンクリー
主な業績 ハミルトン力学ハミルトニアンハミルトン-ヤコビ方程式四元数ハミルトン路ナブラ記号テンソルハミルトンベクトル場普遍代数学ホドグラフケイリー・ハミルトンの定理
主な受賞歴 ロイヤル・メダル (1835)
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

ウィリアム・ローワン・ハミルトンWilliam Rowan Hamilton1805年8月4日 - 1865年9月2日)は、アイルランド数学者物理学者天文学者

ハミルトンの変分原理四元数を見出し、解析力学線型代数学の発展に寄与した。

生涯・人物

幼少期

幼い頃より神童として知られ、10歳で10カ国語(英語ラテン語ギリシア語ヘブライ語アラビア語サンスクリット語など)を操るなど才能は図抜けていた。本格的に数学を始めたのは15歳の頃で、当時最先端のラグランジュラプラスの書物を学ぶ。この頃わずか16歳にしてラプラスの『天体力学』に誤りを発見し、専門家を驚かせた。

教育

18歳の時にダブリントリニティ・カレッジに入学した。大学入学後も圧倒的な才気を見せ、学部四年で天文台長に推挙されている。才能に溢れ、身体、精神共に快活なハミルトンは社交界でも人気を集め、親友の詩人ワーズワースは、ハミルトンとコールリッジを挙げて「私の出会った最も魅力的な人物」とすら述べている。

晩年

晩年のハミルトンは、アルコール中毒に溺れながら誰にも理解されることのない数学研究に没頭し、暴飲暴食による痛風に苦しんだ末に1865年にダブリンの自宅で息を引き取った。遺体が発見された時、ハミルトンの部屋は酒と肉汁にまみれた二百数十冊のノートで埋め尽くされており、この中には正しいもの、誤ったもの、判断のつかないものが入り混じった数式の山が残されていたという。また四元数は一部に「四元数カルト」と呼ぶべき一団を構成するものの、大勢からは無視され、省みられるまでに100年ほどの時間を必要とした。

業績

光学への数学の応用、ハミルトニアン、数学理論による自然現象の予言、解析力学の創始、代数系の基礎付けなど、前半生の業績は非常に華々しく、「ニュートンの再来」と呼ばれた当時の評判に恥じないものがある。

ブルーム橋にある四元数発見の碑文。散歩の途中閃きを得たハミルトンは、四元数を定義する式を橋に刻み付けた。

複素数実数と演算規則により公理化していたハミルトンは、複素数を三次以上に一般化することに心血を注ぎ、十年程を経た1843年10月16日ブルーム橋英語版にさしかかった所でついに四元数の概念に到達する。非可換な乗算を持つ四元数は極めて斬新なアイデアで、その後の代数学全体に多大な影響を残した。

その後ハミルトンは約20年を四元数の研究に費やし、700ページ超の大著『四元数講義』を著すが、ド・モルガンハーシェルらに難解と評され、『四元数の基礎』を著すもこれも長過ぎて生前に出版されることはなかった。

関連項目

外部リンク


「William Rowan Hamilton」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「William Rowan Hamilton」の関連用語

William Rowan Hamiltonのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



William Rowan Hamiltonのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウィリアム・ローワン・ハミルトン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS