VCT
HIV検査の実施方法として、VCTが2000年ころから推奨されてきた。それは感染者への差別・スティグマが強い中で、検査結果が人権抑圧にもつながりうるため、それまでの他覚的検査、すなわち安全な輸血対策として,あるいは集団の陽性率を知るため(しばしば本人に結果が還元されない)だけに用いられる検査ではなく、自覚的検査、すなわち人々が自主的にプレテストカウンセリングと検査を受け,自分でその結果を知り、陽性者,陰性者がそれぞれ適切なポストテストカウンセリングを受けるようなものにする必要性が認識された結果である。HIV感染の有無を知る人が増加すること、すなわち多くの人がHIV検査を受けることは、感染者の適切な治療アクセスのエントリーポイントとして必須なだけではなく、未感染者の予防の強化として重要である。感染者が多いアフリカでは、アボット社の精度の高い迅速抗体検査の開発とあいまって、むしろ先進国よりも早く無料のVCTが拡充されてきた。しかし近年では、エイズ患者への治療拡大のための国際的支援の高まりに伴い、感染者の確認はもっと積極的に行なわれる必要が出てきた。その結果、従来の狭い意味でのVCTという考えを発展させて、Family VCT(ウガンダ)、Universal TC(誰にでも行なわれる検査とカウンセリング)(レソト)、Provider-initiated TC(医療スタッフが積極的に勧めて行なわれる検査とカウンセリング)(ケニア)といったような実施方法が取られる傾向にある。このようなHIV検査のルーチン化はWHOも2007年から推奨している。(若杉なおみ)
参考資料:Guidance on provider-initiated HIV testing and counselling in health facilities (WHO May 2007)
参考資料:Guidance on provider-initiated HIV testing and counselling in health facilities (WHO May 2007)
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