JR貨物UM8A形コンテナとは? わかりやすく解説

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JR貨物UM8A形コンテナ

(UM8A形 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/26 06:37 UTC 版)

UM8A形コンテナ(UM8Aがたコンテナ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)輸送用として籍を編入している12ft私有コンテナ無蓋コンテナ)である。

概要

無蓋コンテナ以外の他形式では、形式を表す1〜2桁の数字は全てコンテナの内容積で決定されているが、無蓋コンテナのみ床面積で付与されている。

これにより、本形式のコンテナ容積8 m3の算出は、厳密には端数四捨五入計算の為に、内容積7.5 〜 8.4m3の間に属するコンテナが対象となる[1]。また形式末尾のアルファベット一桁部位「A」は、コンテナの使用用途(主たる目的)が「普通品の輸送」を表す記号として付与されている[2]

特記事項

コンテナの高さは、形式によってドライコンテナと同等の高さがあったり、逆に1/8サイズの板型の様に八段(12ftの場合)又は、1/4サイズの薄型の様に四段(20ftの場合)に積み上げてやっとドライコンテナと同等の高さに達するなど、他形式ではタンクコンテナ以外では見られない様に、見た目が多種多彩に入り乱れているのも無蓋コンテナ形式の特徴となっている。

※ 417 〜 467(51個)および、469 〜 573(105個)までの156個の中から川崎市専用ゴミ輸送用コンテナ空き缶空き瓶)として、89個が割り当てられている。総重量4.0t。2013年より使用開始。

※ 震災がれき輸送終了後に139、158、297 を含む一部のコンテナは、伊豆大島土砂災害のがれき輸送に際して、日本通運および全国通運の両社[3]より、166個のコンテナを大島町が借り受けた[4]。またコンテナの上部四隅を切断して、代わりにツイストロック用ホールブロックを取り付けて、吊り上げ荷役に対応した海上輸送用として利用される事になった。

番台毎の概要

0番台

1 〜 20(20個)
日本石油輸送所有(三方運輸借受)、発電機輸送専用。総重量6.5t、自重1.5t。
後に一部三方運輸借受解除の上で、汎用品輸送に転用された。
21 〜 40(20個)
三方運輸所有、発電機輸送専用。総重量6.6t。
41 〜 56(16個)
日本通運所有、白土専用。総重量6.8t。
41のみ試作コンテナで細部が異なる。
57 〜 111(55個)※2021年6月現在、10個の欠番が発生している。[5]
全国通運所有、川崎市専用。空き缶空き瓶専用。総重量4.0t。1999年より使用開始。
112, 113
全国通運所有(セイコーエプソン借受)、廃プラスチック専用。総重量6.8t。コキ5500形式貨車積載禁止。
114, 115
日本環境鉄道輸送所有(ソリタ運輸借受)、廃棄物輸送容器専用。総重量6.8t。コキ5500形式貨車積載禁止。
116
日本通運所有、新日鉄住金大分製鉄所専用。総重量6.8t。
117 〜 126(10個)[5]
全国通運所有、川崎市専用。空き缶空き瓶専用。総重量4.0t。2009年より使用開始。
※ 57 〜 111(55個)内で発生していた10個の欠番補充分。
127
日東工業所有、キュービクル式高圧受電設備輸送専用。積載時はコキ50000形式コンテナ車積載禁止。
128 〜 467(340個)[6]
2011年10月頃に全国通運所有の落成を皮切りとして、日本通運所有の二社が入り乱れる形で、東日本大震災の震災瓦礫専用の前期型[注 1]として製作。自重2 t、荷重4.8 t、総重量6.8 t[6]。「心をひとつに がんばろう!東北」の文字入り。全個数が極東開発製造。
128
全国通運所有。
130、131
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
132
全国通運所有。
135、136
全国通運所有。
138
全国通運所有。
139[7]
全国通運所有。
140
全国通運所有。
141
全国通運所有。
146、147
全国通運所有。
148
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
151、152
全国通運所有。
153
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
158[8]
全国通運所有。
160
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
161
全国通運所有。
163
全国通運所有。
165
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。。
167
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
168
全国通運所有。
171
全国通運所有。
174
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
177
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
179
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
180
全国通運所有。
182
全国通運所有。
186、187
全国通運所有。
193
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
195
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
198、199
全国通運所有。
200
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
201
全国通運所有。
205
全国通運所有。
206、207
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
208
全国通運所有。
210
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
211
全国通運所有。
213
全国通運所有。
216
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
217
全国通運所有。
219 〜 221(3個)
全国通運所有。
222[9]
全国通運所有。
223
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
224 〜 226(3個)
全国通運所有。
227、228
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
230
全国通運所有。
233
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
234、235
全国通運所有。
237
全国通運所有。
240
全国通運所有。
242
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
243
全国通運所有。
250 〜 253(4個)
全国通運所有。
254
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
258
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
259
全国通運所有。
263
全国通運所有。
264
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
267
全国通運所有。
268
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
270
全国通運所有。
273
全国通運所有。
274
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
278
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
280 〜 282(3個)
全国通運所有。
285
全国通運所有。
286
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
290
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
293
全国通運所有。
295
全国通運所有。
297[8]
全国通運所有。
300
日本通運所有。
317
日本通運所有。
326、327
日本通運所有。
330
日本通運所有。
332、333
日本通運所有。
336
日本通運所有。
346
日本通運所有。
348
日本通運所有。
350、351
日本通運所有。
353
日本通運所有。
364
日本通運所有。
379
日本通運所有。
382
日本通運所有。
385、386
日本通運所有。
391
日本通運所有。
395[10][11]
日本通運所有。
※震災がれき輸送終了後に、JR貨物を通じて岩手県大槌町へ寄贈された。
399[10][11]
所有者名抹消。
※震災がれき輸送終了後に、JR貨物を通じて岩手県大槌町へ寄贈された。
400
日本通運所有。
403 〜 406(4個)
日本通運所有。
408[10][11]
所有者名抹消。
※震災がれき輸送終了後に、JR貨物を通じて岩手県大槌町へ寄贈された。
411
日本通運所有。
413
日本通運所有。
415
日本通運所有。
427、428
日本通運所有。
432
日本通運所有。
441 〜 443(3個)
日本通運所有。
461、462
日本通運所有。
464 〜 467(4個)
日本通運所有。
468
日東工業所有、『キュービクル式高圧受電設備』輸送専用。積載時はコキ50000形式コンテナ車積載禁止。
469 〜 638(170個)[6]
全国通運所有および、日本通運所有の二社が入り乱れる形で、東日本大震災の震災瓦礫専用の後期型[注 2]として製作。自重2.1 t、荷重4.7 t、総重量6.8 t[6]。「心をひとつに がんばろう!東北」の文字入り。全個が極東開発製造。
469
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
470
全国通運所有。
473、474
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
475
全国通運所有。
476、477
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
480、481
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
486、487
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
489、490
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
491
全国通運所有。
492
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
494、495
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
496
全国通運所有。
499
全国通運所有。
502
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
504
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
506、507
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
516、517
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
520
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
523 〜 525(3個)
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
527
全国通運所有。
528 〜 530(3個)
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
531
全国通運所有。
533、534
全国通運所有。
535、536
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
539
全国通運所有。→→→ジェイアール貨物北海道物流へ移転。
540、541
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
543
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
545、546
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
549
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
553、554
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
555
全国通運所有。
557
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
562
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
564
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
566、567
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
568
全国通運所有。
570
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
572、573
全国通運所有。→→→全国通運所有/川崎市専用使用に変更。
580 〜 582(3個)
日本通運所有。
586
日本通運所有。
591、592
日本通運所有。
594
日本通運所有。
599
日本通運所有。
615、616
日本通運所有。
622 〜 627(6個)
日本通運所有。
635
日本通運所有。
638
日本通運所有。



639 〜 650(12個)
日東工業所有、『キュービクル式高圧受電設備』。積載時はコキ50000形式コンテナ車積載禁止。
654 〜 656(3個)
日東工業所有、『キュービクル式高圧受電設備』。積載時はコキ50000形式コンテナ車積載禁止。
682
東京都所有
686、688
全国通運所有
705 - 708、717、719、721、723 - 725、728、730、731、734、759、776 - 778、789
東京都所有

1000番台

1001 〜 1015(15個)[5]
川崎市生活環境局(現・川崎市環境局)所有。1995年(平成7年)に極東工業が製造。粗大ゴミ専用コンテナ積載用アダプタ。
※東日本大震災がれき輸送終了後に、川崎市のコンテナによる輸送品目の変更によりすべて廃コンとなった。ちなみに、2021年6月の資料[5]にも記載なし。
1016 〜 1020(5個)[5]
川崎市生活環境局(現・川崎市環境局)所有。1996年(平成8年)に極東工業が製造。1001 - 1015のロットと構造的に同じ。
※東日本大震災がれき輸送終了後に、川崎市のコンテナによる輸送品目の変更によりすべて廃コンとなった。ちなみに、2021年6月の資料[5]にも記載なし。

9000番台

9001 〜 9060(60個)[5]
全国通運所有、川崎市専用。2013年(平成25年)製造。プラスチック製容器包装材用コンテナ。

10000番台

10001, 10002
日本環境鉄道輸送所有。産業廃棄物専用試作コンテナ。フックロール式のため、トラックへの荷下ろしの際、フォークリフト不要。

脚注

注釈

  1. ^ 最大の特徴は、段積用の四隅柱の上部位を切断してツイストロック用のホールブロックに付け替え改造ができる。これにより離島などでの大災害時のがれきを詰め込んで、四隅上部をクレーンでの吊り上げ荷役による内航船輸送が可能となる。詳しくは伊豆大島土砂災害を参照願う。
  2. ^ 最大の特徴は、段積用の四隅柱の上部位が従来の1,5倍ほど長くなった。これによりツイストロック用のホールブロックに付け替え改造はできなくなった。また後部積み込み口の鴨居横長部分の改良により、屋根上部との段差がなくなりフラットとなった。これにより、前期型では泥水やがれきくずなどがたまり清掃に苦労していたがこのフラット改良により、清掃効率が大幅に改善された。

出典

  1. ^ 貨車技術発達史編纂委員会 2008, p. 449.
  2. ^ 貨車技術発達史編纂委員会 2008, pp. 448–449.
  3. ^ 東京都環境局 2015, pp. 8–9, 「(1)事業開始準備」.
  4. ^ 東京都環境局 2015, p. 18, 「(3)本格処理開始後の推移」.
  5. ^ a b c d e f g 『トラベルMOOK 新しい貨物列車の世界』交通新聞社、2021年、39頁。ISBN 978-4-330-05421-6 
  6. ^ a b c d 『季刊ジェイ・トレイン』第53巻2014年 Spr.、イカロス出版、2014年、137頁、国立国会図書館書誌ID: 000003536217-i18330894 
  7. ^ 東京都環境局 2015, p. 9, 「図2-6 災害廃棄物用コンテナ(船舶輸送用に改造後)の積込み試験風景」.
  8. ^ a b 東京都千代田区議会議員 小林やすお公式HP[リンク切れ]
  9. ^ 東京都環境局 2015, p. 18, 「図3-16 コンテナ基地の運用状況」.
  10. ^ a b c 『JR貨物、大槌町にがれき輸送したコンテナなど寄贈』、LogisticsTodayニュース(2014年3月5日)付。
  11. ^ a b c 日本貨物鉄道株式会社から「災害廃棄物輸送列車の模型」など3点を寄贈していただきました。[リンク切れ]

参考文献

  • 貨車技術発達史編纂委員会(編著)『日本の貨車 技術発達史 明治5(1872)年〜平成16(2004)年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年3月。全国書誌番号: 21465967 
  • 東京都環境局大島町災害廃棄物処理事業記録 (PDF)」『災害廃棄物情報プラットフォーム公式ホームページ』国立環境研究所、2015年3月。2022年4月21日閲覧

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