ロンドン地下電気鉄道とは? わかりやすく解説

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ロンドン地下電気鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/30 06:09 UTC 版)

ロンドン地下電気鉄道(ロンドンちかでんきてつどう、英語: Underground Electric Railways Company of London Limited、UERL)は1902年に設立された、チューブと呼ばれる断面の小さなトンネルを使用した3つの地下鉄会社[注釈 1]を傘下にもつ持株会社である。今日でもロンドンでは地下鉄の代名詞となっているアンダーグラウンド(英語:The Underground)の名前を傘下各社の統一ブランド名として1907年から用い、1906年から1907年にかけて開業した傘下3社、ベーカーストリート・アンド・ウォータールー鉄道チャリングクロス・ユーストン・アンド・ハムステッド鉄道、及びグレート・ノーザン・ピカデリー・アンド・ブロンプトン鉄道の路線はロンドン地下鉄ベーカールーピカデリーノーザン各線の原型となっている。


注釈

  1. ^ ロンドンで「チューブ」はシールド工法で作られた地下鉄路線を指し、一般に地表より深いところに路線が構築されている。
  2. ^ ロンドンの地下鉄は、開削工法で建設された比較的浅い地下を走る半地表路線(英語:Sub surface)と、シールド工法で建設された大深度路線(英語:Deep lebel)に大別される。前者は19世紀に起源をもつ路線で、当時の技術の限界から、地下といってもふたをかぶせた掘割の中を走るもので、「半地表」の名前もここに由来している。後者は、当時最新のシールド工法を用いて建設されたが、当時のシールトンネル技術の限界から、トンネル断面積が狭く、車両も小型にならざるを得なかった。21世紀の技術水準からみれば20世紀初頭に開業した路線の深度は深いものではないが、開削工法でつくられた半地表路線よりは深いところを走るため、21世紀初頭でも大深度路線(Deep level tube)と呼ばれている。
  3. ^ 半地表地下鉄路線とは、開削工法で、地表近くに建設され、天井にふたをかぶせたものを指す。
  4. ^ ベーカーストリート・アンド・ウォータールー鉄道のリージェンツ・パークトラファルガー・スクエアエンバンクメント及びウォータールー、グレート・ノーザン・ピカデリー・アンド・ブロンプトン鉄道のフィンズベリー・パークアールズ・コートバロンズ・コート及びハマスミス、チャリングクロス・ユーストン・アンド・ハムステッド鉄道のトテナム・コート・ロード及びチャリング・クロスの各駅の地上構造物はレスリー・グリーンの設計によるものではなく、既存の地下鉄駅または地下道に併設されている
  5. ^ オーチス製のエレベーター[25]2基が直径23-フート (7.0 m)の穴に設置された[26]。各駅の予想利用人数によりエレベーターの設置基数が決められ、たとえばランベス・ノースには2基、 エレファント・アンド・カッスルには当初4基が設置されている[27]
  6. ^ アメリカ、イギリス、カナダなどにある特定の個人、法人、地域に適用される法律であり、日本の法律とはやや性格が異なるものであることに注意を要する。
  7. ^ モリソンは後に国会議員となり、運輸大臣英語版も歴任する。

出典

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