The All-Load Auto
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 05:49 UTC 版)
「フジ スーパーオート」の記事における「The All-Load Auto」の解説
1984年、豊和工業は米国S&W社向けに、フジオートの3インチマグナム装弾対応モデルであるM1000 スーパーの供給を開始した。M1000 スーパーは鋼鉄製の機関部と、3インチ薬室を持つ銃身を備えており、3インチマグナム装弾に対応していた。M1000 スーパー発売の1984年はS&W M1000輸出の最終年度であり、後に供給が行われたモスバーグでもM1000 スーパーは1986年と1987年の2年間しか販売されなかった為、現存数は一般のM1000と比べてもさほど多くはない。 しかし、S&W M1000 スーパーは『フィールド・アンド・ストリーム』誌が2007年に選出した「The 50 Best Shotguns Ever Made(今までに製造された散弾銃のベスト50)」では、1984年のたった1年しか販売されなかったにも関わらず、45位という順位で「歴代最高の50挺」のうちの一つとして選出された。 豊和工業はM1000 スーパーの開発に当たり、従来の2 3/4インチ(2.75インチ)薬室銃身を持つモデルで用いられていた、樹脂製ばねを持つプレッシャー・コンペンセイター・バルブの設計を改め、ばね機構にコイルばねを採用して従来よりも浮動中空ピストン部の内部容量をより積極的に可変させる構造を開発、先台を固定するエンドキャップもプレッシャー・コンペンセイター・バルブの積極的な伸縮に対応して、4つの通気孔が設けられた専用品が用いられる事になった。 その結果、M1000 スーパーはレミントンM1100やベレッタA300、イサカ-SKB M1300などの競合他社の3インチマグナム装弾対応モデルのどれもが成し遂げられなかった「3インチのフルマグナム装弾から2 3/4インチの軽装弾まで、銃身の交換やガスポートの調整を含む一切の手を加えずに機関部が回転する」という命題を達成、この事績は米国の散弾銃史上初のものであった。M1000 スーパーは、ブローニング・オート5を始め、数多くの「オートローダー」(Auto-Loader、半自動式散弾銃の意)をレビューしてきた選者のフィル・バージャイリーをして、「全ての装弾で作動する散弾銃」を意味するオールロード・オート(All-Load Auto)と言わしめた。 なお、他社の半自動式散弾銃でM1000 スーパーに相当する機能性を達成したのは、レミントン・アームズでは1987年のレミントンM11-87(英語版)、ブローニング・アームズ(FNハースタル)では1990年のブローニング・A-500G、ピエトロ・ベレッタでは1992年のベレッタAL390(英語版)、国産のミロクでは1994年のブローニング・ゴールド、SKB工業では1999年にウェザビー(英語版)に供給したウェザビー・SASの登場以降である。
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