ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヘンデル:組曲(クラヴサン組曲第1集から) | Suite HWV 430 | 作曲年: 1717-1720?年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | プレリュード Präludium | No Data | |
2 | アルマンド Allemande | No Data | |
3 | クーランド Couraute | No Data | |
4 | エアと変奏曲(調子のよい鍛冶屋) Air mit Variationen(Harmonious Blacksmith) | No Data |
作品解説
第5番 ホ長調 HWV430
第3番と対を成し、クーラントに変奏曲形式楽章が続く。変奏曲は《調子の良い鍛冶屋》として親しまれているが、この名前は19世紀に由来し、ヘンデルが蹄鉄工から変奏曲の着想を得たという逸話は事実無根である。また変奏曲形式楽章はハンブルク時代成立とされる独立したシャコンヌを、元のト長調から移調、改訂したもの。
プレリュードは出版用の新作である。動機の紡ぎ出しで書かれており、4声間での動機の応答と主旋律以外の声部の和音、楽章末のアルペッジョによるカデンツから成る構成は第6番と同じタイプ。
アルマンドではゼクエンツでの声部間の模倣など4声がポリフォニックに絡み合う。楽章前半部の一部の楽節は、後半部に回帰する(ex. 第27小節~、楽章末)。
クーラントは最上声の優位性や装飾の少なさ、一様なリズムがイタリア的特徴を与えるが、弱起や声部交換など、辞書的なイタリア風コッレンテの典型に当てはまらない点もある。前半、後半ともに上下声部の模倣で始まるのは第7番と共通。
エールは2部分リート形式。変奏技法は第3番とよく似ており、ドゥーブル1~4は声部交換、ドゥーブル5では上下声部が32分音符による1オクターヴの音階を交替し、最上声が2オクターヴ以上に拡大した音階を駆け下りて華やかに楽章を閉じる。
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