SEIRモデルとは? わかりやすく解説

SEIRモデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 00:54 UTC 版)

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SEIRモデル(エスイーアイアールモデル)は、感染症流行の数理モデルである。

モデルは

  • 感染症に対して免疫を持たない者 (Susceptible)
  • 感染症が潜伏期間中の者 (Exposed)
  • 発症者 (Infectious)
  • 感染症から回復し免疫を獲得した者 (Recovered)

から構成され、その頭文字をとってSEIRモデルと呼ばれる。

類似のモデルに潜伏期間を考慮しないSIRモデル、免疫獲得を考慮しないSISモデル、母体免疫派生を考慮したMSIRモデルなどが存在する。

モデル方程式系

モデルは以下の常微分方程式系で書き表される。

ただしtは時間、mは出生率及び死亡率、aは感染症の発症率、bは感染症への感染率、gは感染症からの回復率を表す。

またNは全人口を表し、

で定義される。通常Nは定数である。

解の振る舞い

数値計算によって得られる解は水痘はしかなどの実際の感染症流行を定性的には再現し、またその振る舞いはカオス的である[1]

参照

  1. ^ L. F. Olsen & W. M. Schaffer,Chaos versus noisy periodicty: alternative hypotheses for childhood epidemics, Science, 1990.

関連項目


SEIRモデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 14:13 UTC 版)

疫学における区画モデル」の記事における「SEIRモデル」の解説

詳細は「SEIRモデル」を参照 多く重要な感染症では、個体感染しているが、まだ発症していない潜伏期間存在するこの期間中個体区画E(exposed)にいる。 潜伏期間パラメータ a {\displaystyle a} を持つ指数分布確率変数であると仮定し(すなわち、平均潜伏期間は a − 1 {\displaystyle a^{-1}} )、また、出生率 Λ {\displaystyle \Lambda } が死亡率 μ {\displaystyle \mu } に等し人口動態存在仮定すると、モデル次のうになるd S d t = μ N − μ S − β I N S d E d t = β I N S − ( μ + a ) E d I d t = a E − ( γ + μ ) I d R d t = γ I − μ R . {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {dS}{dt}}&=\mu N-\mu S-\beta {\frac {I}{N}}S\\[8pt]{\frac {dE}{dt}}&=\beta {\frac {I}{N}}S-(\mu +a)E\\[8pt]{\frac {dI}{dt}}&=aE-(\gamma +\mu )I\\[8pt]{\frac {dR}{dt}}&=\gamma I-\mu R.\end{aligned}}} ここで、 S + E + I + R = N {\displaystyle S+E+I+R=N} であるが、 これは、出生率死亡率等しいという(縮退した)仮定のために一定であるだけで、一般的に N {\displaystyle N} は変数である。 このモデルについて基本再生産数R 0 = a μ + a β μ + γ {\displaystyle R_{0}={\frac {a}{\mu +a}}{\frac {\beta }{\mu +\gamma }}} である。 SIRモデル同様に、この場合においても、感染症の無い平衡解(DFE: N,0,0,0)とエンデミック平衡解(EE)があり、生物学的に意味を持つ初期条件とは独立に以下を示すことができる。 ( S ( 0 ) , E ( 0 ) , I ( 0 ) , R ( 0 ) ) ∈ { ( S , E , I , R ) ∈ [ 0 , N ] 4 : S ≥ 0 , E ≥ 0 , I ≥ 0 , R ≥ 0 , S + E + I + R = N } {\displaystyle \left(S(0),E(0),I(0),R(0)\right)\in \left\{(S,E,I,R)\in [0,N]^{4}:S\geq 0,E\geq 0,I\geq 0,R\geq 0,S+E+I+R=N\right\}} これは R 0 ≤ 1 ⇒ lim t → + ∞ ( S ( t ) , E ( t ) , I ( t ) , R ( t ) ) = D F E = ( N , 0 , 0 , 0 ) , {\displaystyle R_{0}\leq 1\Rightarrow \lim _{t\to +\infty }\left(S(t),E(t),I(t),R(t)\right)=DFE=(N,0,0,0),} R 0 > 1 , I ( 0 ) > 0 ⇒ lim t → + ∞ ( S ( t ) , E ( t ) , I ( t ) , R ( t ) ) = E E {\displaystyle R_{0}>1,I(0)>0\Rightarrow \lim _{t\to +\infty }\left(S(t),E(t),I(t),R(t)\right)=EE} を満たす接触率 β ( t ) {\displaystyle \beta (t)} が周期的に変化する場合DFEの大域的誘引性の条件は、周期的な係数を持つ以下の線形系 d E 1 d t = β ( t ) I 1 − ( γ + a ) E 1 d I 1 d t = a E 1 − ( γ + μ ) I 1 {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {dE_{1}}{dt}}&=\beta (t)I_{1}-(\gamma +a)E_{1}\\[8pt]{\frac {dI_{1}}{dt}}&=aE_{1}-(\gamma +\mu )I_{1}\end{aligned}}} が安定なことである(すなわち、複素平面における単位円内にフロケの固有値を持つ)。

※この「SEIRモデル」の解説は、「疫学における区画モデル」の解説の一部です。
「SEIRモデル」を含む「疫学における区画モデル」の記事については、「疫学における区画モデル」の概要を参照ください。

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