放射性廃棄物
英語表記:radioactive waste
放射性物質が含まれている廃棄物の総称。
原子炉施設、放射性同位元素使用施設などから発生する、放射性廃棄物には、気体廃棄物、液体廃棄物などがあり、放射性物質の濃度などで「低レベル放射性廃棄物:発熱の考慮不用」、「高レベル放射性廃棄物:発熱の対策必要」に大別される。
気体廃棄物(gaseous waste)には、主にキセノン-133、クリプトン-85、ヨウ素-131などがあり、これらの放射性希ガスは活性炭等の吸収を利用して除去処理を行う。
また、半減期の短いものは、減衰タンクで放射能を弱めて処理を行う。
液体廃棄物は、減容(蒸発濃縮)、固化(灰化)してセメント等と混合してドラム缶に詰め(セメント固化、アスファルト固化)、敷地内保管を経て処分される。
固体廃棄物(solid waste)には、使用済燃料の再処理工程でできる被覆管、また分離された核分裂生成物とアクチノイド元素を含む液体廃棄物(liquid waste)、液体廃棄物の処理で生じた高放射性沈殿物、廃イオン交換樹脂などがある。
これらは、高レベル放射性廃棄物としてホウケイ酸ガラスに固化(ガラス固化)してステンレス鋼製の容器(キャニスタ)に入れ、冷却貯蔵した後、地層処分することが計画されている。
放射性廃棄物
(RADIOACTIVE WASTE から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/21 06:00 UTC 版)
放射性廃棄物(ほうしゃせいはいきぶつ、英: radioactive waste)とは、使用済みの放射性物質及び放射性物質で汚染されたもので、以後の使用の予定が無く廃棄されるものを言う[1]。
原子力発電に代表される原子力エネルギーの利用に伴って発生し[注 1]、また医療[注 2]や農業、工業における放射性同位体(RI)の利用によっても発生する。
概要
放射性廃棄物はその定義から放射性物質を含む、すなわち人間にとって有害な放射線を放出しておりその取り扱いには一般に注意を要する。半減期が長いものは安定同位体に落ち着くまでに長い期間を要する。一口に放射性物質といっても発生源及びその性質などに応じて分類され処分方法も変わってくる。
原子力発電所から出る放射性廃棄物には、原子炉から取り出した使用済み核燃料、作業員が使用した衣服やこれの除染に用いた水などがある。使用済み核燃料の再処理工場からは、燃料棒の部品、燃料ペレットに含まれる核分裂生成物や、湿式によるウラン・プルトニウムの分離抽出の過程で発生した廃液などの放射性廃棄物が発生する。発生別により、ヨウ素を閉じ込めるための廃銀吸着剤、二次廃棄物(MOX燃料施設から発生するものも含む)等の内、ウラン燃料を加工する施設から発生するウランで汚染された廃棄物は特にウラン廃棄物と呼ばれる。軍事分野では、核兵器製造過程で生じた廃棄物や、耐用年数を過ぎ廃棄処分となった核兵器、耐用年数を過ぎ廃艦処分となった原子力潜水艦や原子力空母などがある。
日本における放射性廃棄物の分類
日本の国内法においては、核燃料物質であるかそれ以外の発生の放射性同位元素(radioisotope:RI)であるかの違いによってその取り扱いを規定する法律は異なる。なお、日本においては、放射性廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定義される「廃棄物」には原則として該当しない[2]。ただし、その放射性物質を含む廃棄するものの放射能のレベルがクリアランスレベル以下または規制除外対象であるなどといった場合は、法定上は放射性廃棄物とはみなされず産業または一般廃棄物として処理される。
法令に基づいた分類
日本において放射性廃棄物は根拠法令に依って(a)核燃料廃棄物と(b)RI廃棄物の二種類に大別することができる。さらにRI廃棄物は(b-1)研究RI廃棄物と(b-2)医療RI廃棄物に分けることができる[3][4][5]。
平成23年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて放射性物質汚染対処特措法が公布および施行されることとなり、その中で(c)事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の分類が新たに導入されることとなった[6][注 3]。環境省によれば、指定廃棄物は2022年9月30日時点で、10都県に計40万6931トンある[注 4][7][8]。
- (a)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に言う放射性廃棄物[注 5](核燃料廃棄物)
- (b)それ以外の法律によって規制される放射性廃棄物(RI廃棄物)
- (b-1)放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律における研究分野からのRI廃棄物(研究RI廃棄物)
- (b-2)医療法、薬事法、獣医療法及び臨床検査技師等に関する法律における医療分野からのRI廃棄物(医療RI廃棄物)
- (c)放射性物質汚染対処特措法による事故由来放射性物質に汚染された廃棄物(指定廃棄物及び対策地域内廃棄物)
IAEAの分類を参考にした慣習的な分類
日本において放射性廃棄物は、慣習的に、使用済み核燃料の再処理における溶解に使った硝酸を主とする廃液及びその固化体のみを指す高レベル放射性廃棄物(High Level Waste、HLW)[注 6]と、それ以外のものを指す低レベル放射性廃棄物[注 7]の二つに分類される[9]。なお、低レベル放射性廃棄物は、その中でアルファ放射体[注 8]を多量に含むものはアルファ廃棄物もしくはTRU廃棄物と呼ばれさらに区分される[9]。
| 廃棄物の種類 | 廃棄物の例 | 発生源 | 処分方法 | |
|---|---|---|---|---|
| 高レベル放射性廃棄物 | ガラス固化体 | 再処理施設 | 地層処分 | |
| 低レベル 放射性 廃棄物 |
高レベルの物 | 制御棒、炉内構造物、 放射化金属 |
原子力発電所 | 余裕深度処分 |
| 低レベルの物 | 廃液、フィルター、廃器材、 消耗品等を固形化 |
浅地中ピット処分 | ||
| レベルの極めて低い物 | コンクリート、金属等 | 浅地中トレンチ処分 | ||
| 超ウラン核種を含む廃棄物 (TRU廃棄物) |
燃料棒の部品、 廃液などプロセス廃棄物、 フィルター |
再処理施設 MOX燃料加工施設 |
特性に応じトレンチ処分以外の3段階 | |
| ウラン廃棄物 | 消耗品、スラッジ、廃器材 | ウラン濃縮 燃料加工施設 |
特性に応じ全4段階の処理 | |
| 研究所廃棄物 | 大学・企業等 研究機関 |
|||
| 放射性同位体(RI) 廃棄物 |
医療機関等 | |||
| 処分方法 | 廃棄物の例 | 封入容器 | 人工構造物 | 深度 | 管理期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 地層処分 | 高レベル放射性廃棄物 およびTRU廃棄物 |
ガラス固化体キャニスター | 多重人工バリア 鉄筋コンクリート構造物 |
300m以深 | 数万年以上 |
| 余裕深度処分 | 制御棒、炉内構造物 放射化金属および加工・再処理における プロセス廃棄物等 |
200リットルドラム缶等 | 鉄筋コンクリート構造物 | 50~100m | 数百年、 管理内容未定 |
| 浅地中ピット処分 | 廃液、フィルター 廃器材、消耗品等 |
セメント等で固化した廃棄物を入れた 200リットルドラム缶等 |
鉄筋コンクリート構造物 | 十数m | 約300年 |
| 浅地中トレンチ処分 | コンクリート、金属等 | 廃棄物のまま | 人工構造物無し | 約50年 |
「放射性物質として扱う必要の無い物」に関する制度・概念
放射性廃棄物とは、使用済みの放射性物質及び放射性物質で汚染されたもので以後の使用の予定が無く廃棄されるものを言うが、放射線の検出は物理現象の中でも最も鋭敏に検出できるものであることから、極端なことを言えばすべての廃棄するものを放射性廃棄物とすることができる。しかし、この場合、規制の対象となるものは膨大となり、規制制度自体が機能しなくなることにつながる。
このように、放射線防護に関する規制の枠組みの中にある放射性物質であっても、その規制自体をうまく機能させるためには、その量が微量であり人の健康に対する影響が無視できる、または規制をしても効果がほとんどないなどといった場合は、それを放射性物質として扱う必要の無い物としてその規制の枠組みから外しても良いという制度や概念が必要となる。
放射性物質を含んでいて廃棄するものであっても、それら制度や概念を適用することにより条件によって放射性廃棄物として規制外となれば、例えば廃棄物処理法でいう「廃棄物」として埋設処分するなどといったことができるようになる。
クリアランスまたは規制免除
人工放射性物質に起因する被曝線量が「自然界の放射線レベルと比較して十分小さく」また「人の健康に対するリスクが無視できるものである」ならば、規制の枠組みから外しても良いという考え方を「クリアランス(clearance)」と呼ぶ[10]。また、放射性物質として扱う必要のないものを区分するレベルを「クリアランスレベル(clearance level)」と呼ぶ[注 9]。
クリアランス制度が適用される放射性物質を含むものは、その定義より人の健康に対するリスクは無視できる程度であると言うことができる[注 10]。
1995年頃からIAEAの文書では、放射線防護上の規制体系に組み込むことを免除することを「規制免除(exemption)」、放射線防護上の規制下にあったものの規制を解除することを「クリアランス(clearance)」として区別するようになった[11]。
日本においては1997年から原子力安全委員会は、IAEAの技術文書[12]に示されたクリアランスレベル算出の考え方に基づき、発電用原子炉(軽水炉、ガス炉、試験研究炉)などを対象として委員会報告書をとりまとめた[13]。
規制除外
自然放射性物質[注 11]による被曝のように「規制が不可能で規制のしようがない」または「規制をしても効果がほとんどない」ならば、規制の対象にしないことを「規制除外(exclusion)」と呼ぶ[14]。
規制除外廃棄物は、その定義から規制の対象とはならないが、かといってクリアランス制度の対象とは限らないので人の健康に対するリスクが無視できる程度の廃棄物とは言い難い。
核燃料廃棄物の処理・処分
| 処分方法 | 廃棄物の例 | 封入容器 | 人工構造物 | 深度 | 管理期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 地層処分 | 高レベル放射性廃棄物 およびTRU廃棄物 |
ガラス固化体キャニスター | 多重人工バリア 鉄筋コンクリート構造物 |
300m以深 | 数万年以上 |
| 余裕深度処分 | 制御棒、炉内構造物 放射化金属および加工・再処理における プロセス廃棄物等 |
200リットルドラム缶等 | 鉄筋コンクリート構造物 | 50~100m | 数百年、 管理内容未定 |
| 浅地中ピット処分 | 廃液、フィルター 廃器材、消耗品等 |
セメント等で固化した廃棄物を入れた 200リットルドラム缶等 |
鉄筋コンクリート構造物 | 十数m | 約300年 |
| 浅地中トレンチ処分 | コンクリート、金属等 | 廃棄物のまま | 人工構造物無し | 約50年 |
核燃料廃棄物は、便宜上その発生源に応じてさらに次のように分類される[15]。
高レベル放射性廃棄物:使用済み核燃料の再処理における溶解に使った硝酸を主とする廃液及びその固化体。
低レベル放射性廃棄物
- 発電所廃棄物:原子力発電所の運転、保守、解体に伴って発生する廃棄物[注 12]。
- TRU廃棄物:MOX燃料加工や使用済み核燃料再処理の運転・保守の結果発生する超ウラン元素(TRU)で汚染された廃棄物[注 13]。
- 研究所等廃棄物:発電所ではなく、大学や研究機関の研究開発活動において核燃料物質で汚染された廃棄物。
このうち、人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがある高レベル放射性廃棄物とTRU廃棄物のうち半減期の長い放射性核種が一定量以上含まれるものは、深い地層への地層処分(第一種廃棄物埋設)が計画されている。他の、発電所廃棄物については、その特性により地表から三段階の深度による処分がされることとなっている[16]。
第一種廃棄物埋設:高レベル放射性廃棄物等の処分方法
核燃料廃棄物の内、高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物は地層処分されることとなっている[注 14]。特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づき原子力発電環境整備機構(NUMO)が実施主体となって処分する。
高レベル放射性廃棄物の処分方法については海洋投棄[注 15]、地上施設による長期保管[注 16]、氷床処分[注 17]、宇宙処分[注 18]、地中直接注入[注 19]など様々な方法が検討され一部は実施されたが、21世紀初頭においては地中埋設処分が各国で採用されている[18][17]。
第二種廃棄物埋設:低レベル放射性廃棄物の処分方法
低レベル放射性廃棄物の処分[19]には余裕深度処分、浅地中ピット処分、浅地中トレンチ処分の三つの処分方法がある[20]。トレンチ処分を除く処分はいずれも遮断型処分ではあるが、人工構造物(人工バリア)による完全な放射能の遮断を管理期間中継続させることは困難である。放射能の漏洩による影響を最小限にするために場所(地質・地層、水脈など)および地中深度などが考慮され処分基準となっている。
余裕深度処分
一般的であるとされる土地利用(住居などの建設)や地下利用(地上の構造物を支持する基盤の設置、地下鉄、上下水道、共同溝や地下室としての利用など)に対して十分に余裕を持った深度(地下50〜100メートル程度)に、コンクリートでトンネル型やサイロ型の人工構築物を作り、廃棄物を埋設する方法を余裕深度処分と呼ぶ[21]。シュラウド[注 20]、チャンネルボックス[注 21]、使用済み制御棒など主に原子炉の廃止措置に伴って発生する放射能レベルが比較的高いものが対象となる[23]。管理期間は数百年。処分・管理方法等については調査中である。
日本原燃は六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターにて余裕深度処分場の建設に向けた調査を行っている[24]。
浅地中ピット処分
数メートル程度の浅い地中にコンクリートピットなどの人工構築物を設置し埋設する方法を浅地中ピット処分と呼ぶ[25]。濃縮廃液や使用済みイオン交換樹脂、可燃物を焼却した焼却灰などをセメントなどでドラム缶に固形化したものなど、主に原子力発電所から排出される放射能レベルの比較的低いものが対象となる[26]。埋設後の管理期間は300〜400年が一つの目安とされている。
日本原燃の六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターで1992年から1号施設(覆土6m以上)、2000年から2号施設(覆土11m以上)が稼働している[27]。また3号施設(覆土15m以上)が建設中[28]。
浅地中トレンチ処分
浅い地中に素掘りの溝、つまりトレンチ(trench)に、人工構築物を設けないで廃棄物を直接埋設して処分を行う方法を浅地中トレンチ処と呼ぶ[29]。コンクリートや金属など、化学的、物理的に安定な性質の廃棄物のうち放射能レベルの極めて低い極低レベル放射性廃棄物が対象である[30]。50年程度の管理期間を経たのち、一般的な土地利用が可能になる[31]。
RI廃棄物の処理・処分(研究施設等廃棄物の処理・処分)
原子力施設や核兵器関連施設以外にも、原子力の研究施設や大学、医療分野や民間産業分野、農業分野などでも放射性物質を使用する場合があるので、放射性廃棄物は発生する。
RI廃棄物に含まれる代表的な放射性核種は、研究RI廃棄物としては 3H、14C、32P、35S などであり、医療RI廃棄物としては、99mTc、125I、201Tl などである。RI廃棄物(研究RI廃棄物および医療RI廃棄物)の大部分は日本アイソトープ協会が集荷し貯蔵している[32]。RI廃棄物等の処分については、2008年に処分実施主体が日本原子力研究開発機構に決まり、法律も改正されることとなった[33]。
放射性物質汚染対処特措法に規定される廃棄物等の処理・処分
東京電力福島第一原子力発電所の事故により大気中に放出された放射性物質による環境の汚染が生じることとなった。これによる人の健康または生活環境に及ぼす影響を速やかに低減するため、平成23年8月30日にいわゆる放射性物質汚染対処特措法が公布された(平成24年1月1日に全面施行)[34]。
この特措法に基づき、事故由来放射性物質によって汚染され、又はそのおそれがある廃棄物を特定一般廃棄物、特定産業廃棄物とし、その中でも汚染状態が8,000 Bq/kg を超える廃棄物は指定廃棄物と呼ばれ環境大臣が指定を行う。指定廃棄物は各県内で分散保管されており、将来的には国の管理する長期管理施設で各県ごとに集約する予定である[35][36]。廃棄物の焼却処理などにあたっての環境への影響については、1都15県のごみ焼却施設についてデータを収集・分析したりなどした上で、国立環境研究所によって確認されている[37]。
脚注
- ^ 原子力発電所および核燃料製造施設、核兵器関連施設などから排出される
- ^ 病院の検査部門から出るガンマ線源の廃棄などで排出される。
- ^ なお、それぞれの定義条文は以下のとおり
- 指定廃棄物:平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 第17条:特別な管理が必要な程度に事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の指定等.e-Gov法令検索. 総務省行政管理局
- 対策地域内廃棄物:平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 第13条:対策地域内廃棄物処理計画.e-Gov法令検索. 総務省行政管理局
- 特定廃棄物:平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 第20条:特定廃棄物の処理の基準.e-Gov法令検索. 総務省行政管理局
- ^ 岩手県1トン、宮城県2828トン、福島県38万2392トン(2017年から富岡町の最終処分場への搬入が進行中)、栃木県1万1343トン、千葉県3717トン、神奈川県3トン、東京都982トン、群馬県1187トン、新潟県942トン
- ^ 法律本体では「放射性廃棄物」ということばは使われておらず、「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物」で「廃棄しようとするもの」という言い回しで示されている。
- ^ IAEAの分類とは異なり、再処理廃液及びその固化体と同等の強い放射能を有する放射性廃棄物は含まれない。すなわち、高レベル放射性廃棄物はすべて核燃料廃棄物である。
- ^ 高レベル放射性廃棄物以外の放射性廃棄物が低レベル放射性廃棄物ということである。すなわち、ほとんどすべての放射性廃棄物は、その放射能の強度に関わらず、低レベル放射性廃棄物にあたる。
- ^ アルファ線を放出する核種
- ^ クリアランスによりリサイクルされるものは一般社会に流通されることになるため、クリアランスレベルは国によって大きく異なることのないよう、国際的な整合性が必要であることから、国際原子力機関(IAEA)及び欧州委員会(EC)を中心にクリアランスレベルの検討が進められている。[10]
- ^ 例えば、放射性セシウム(セシウムの放射性同位体)であれば、そのクリアランスレベルは1kgあたり100 Bq(0.1Bq/g)である。
- ^ NORM : Naturally Occurring Radioactive Materials と呼ばれる。なお、NORMのうち人為的に濃度が高められた自然放射性物質はTENORM(Technologically Enhanced NORM)と呼ばれる。[14]
- ^ 例:放射線管理区域などで中性子を吸収して放射化されたものや、炉心付近の資材、廃止措置が取られた発電所の解体に伴う廃棄物など
- ^ 例:再処理工場から発生する核燃料被覆管(ハル)、使用済燃料構造部材の端末部分(エンドピース)など
- ^ 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、昭和三十二年法律第百六十六号
- ^ かつて各国で実施されたが1993年に全面禁止
- ^ 一時的な中間貯蔵施設を除き未実施
- ^ ロンドン条約 (1972年)により禁止
- ^ 大気圏外にロケットで打ち上げ太陽系の引力圏外に放出する、もしくは太陽の重力に引き寄せさせる方法。かつて米が検討したがコストと不確実性から不採用
- ^ 地中直接注入 (Direct injection) とは、液体もしくは粉体を混ぜた流体の放射性廃棄物を、処分に適した地中に高圧で注入する処分方法である。1957年にソ連が調査を開始し、深度400メートルと1400メートル砂岩層、石灰岩層へ40年に渡り数千万立方メートルの低レベルから高レベル放射性廃棄物を注入処分した。アメリカでも、1970年代に10年間に渡りテネシー州のオークリッジ国立研究所の地下300メートルに7500立方メートルの低レベル放射性廃棄物が注入処分したが、環境汚染への懸念から中止した。高レベル放射性廃棄物の処分も検討されたが、これも汚染への懸念から計画は断念された。[17]
- ^ シュラウド(shroud)とは、沸騰水型原子炉の炉内構造物の一つで、炉心部を構成する燃料集合体や制御棒を内部に収容する円筒状の構造物を言う[22]。
- ^ 燃料集合体を覆っている金属製の角筒をチャンネルボックス(channnel box)と呼ぶ。
出典
- ^ 長崎・中山 2011, p. 4.
- ^ “廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二条 一項”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2017年6月16日). 2020年1月21日閲覧。 “2018年4月1日施行分”:(定義)
- 第二条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
- ^ 取扱い(1994) p.3
- ^ 1.RI・研究所等廃棄物を巡る状況(文部科学省)
- ^ 長崎・中山 2011, p. 29.
- ^ 放射性物質汚染廃棄物とは
- ^ “(東日本大震災12年 3・11の現在地)仮置き「3年の約束が」 最終処分場、候補地反発で棚上げ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2023年2月12日閲覧。
- ^ “(東日本大震災12年 3・11の現在地)指定廃棄物、処分進まず 放射性物質が拡散 福島県外2万トン:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2023年2月12日閲覧。
- ^ a b 土井(1993) p.42
- ^ a b 長崎・中山 2011, p. 66.
- ^ 放射性廃棄物としての規制免除についての考え方 - 原子力百科事典ATOMICA
- ^ TECDOC855(1996)
- ^ 原子炉クリアランス(1999)
- ^ a b 長崎・中山 2011, p. 67.
- ^ 長崎・中山 2011, pp. 6–7, 28–29.
- ^ 日本原燃「低レベル放射性廃棄物の処分方法」[リンク切れ]
- ^ a b 世界原子力協会 “Storage and Disposal Options”[リンク切れ]
- ^ “放射性廃棄物WG中間とりまとめ”. ʽ経済産業省ʼ. 2022年7月15日閲覧。
- ^ 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第二種廃棄物埋設
- ^ “核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の第二種廃棄物埋設の事業に関する規則(昭和六十三年総理府令第一号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2019年7月1日). 2020年1月21日閲覧。 “2019年7月1日施行分”の第一条の二にてそれぞれ定義されている。
- ^ 余裕深度処分 - 原子力百科事典ATOMICA
- ^ “シュラウドとは(詳細)”. 東京電力. 2026年3月19日閲覧。
- ^ 長崎・中山 2011, pp. 128–130.
- ^ “余裕深度処分の調査・研究”. 日本原燃. 2025年2月26日閲覧。
- ^ 浅地中ピット処分 - 原子力百科事典ATOMICA
- ^ 長崎・中山 2011, p. 127.
- ^ “埋設設備の構造”. 日本原燃. 2025年2月26日閲覧。
- ^ 「日本原燃運営の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」に建設中 『3号埋設施設』の工事状況が公開「1、2号の経験をしっかり踏まえて安全に操業できるように」」『青森テレビ』2024年7月10日。
- ^ 浅地中処分 - 原子力百科事典ATOMICA
- ^ 長崎・中山 2011, p. 126.
- ^ トレンチ処分 - 原子力百科事典ATOMICA
- ^ 長崎・中山 2011, p. 28.
- ^ 独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律
- ^ 放射性物質汚染廃棄物とは(環境省)
- ^ “廃棄物関係ガイドライン”. 環境省. 2025年2月26日閲覧。
- ^ “国が設置する長期管理施設の安全性”. 環境省. 2025年2月26日閲覧。
- ^ 概要版 p.3
参考文献
- 全般
- 長崎 晋也、中山 真一(共編)『放射性廃棄物の工学』オーム社〈原子力教科書〉、2011年。
- 広瀬 研吉『わかりやすい原子力規制関係の法令の手引き』大成出版社、2011年。
- 核燃料廃棄物
- 土井 和巳『そこが知りたい 放射性廃棄物 −用語解説付−』日刊工業新聞社、1993年。
- RI廃棄物(研究施設等廃棄物)
- 『研究分野における放射性廃棄物の取扱い』(社)日本アイソトープ協会、1994年。
- 文部科学省研究開発局 原子力計画課放射性廃棄物企画室 (2011), RI・研究所等廃棄物に関する安全規制の現状と今後の課題について
- 特定廃棄物(指定廃棄物、対策地域内廃棄物)
- 放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分 (第四版(改定版) ed.), (2014)
- 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター, 放射性物質を含む廃棄物の適正な処理処分
- 環境省 (2012), 指定廃棄物の今後の処理の方針
- 環境省廃棄物・リサイクル対策部, 100Bq/kg と 8,000Bq/kg の二つの基準の違いについて
- 「放射性物質として扱う必要の無い物」に関する制度・概念
- 原子力安全委員会 放射性廃棄物安全基準専門部会 (1999), 主な原子炉施設におけるクリアランスレベルについて[リンク切れ]
- IAEA (1996), “Clearance levels for radionuclides in solid materials - Application of exemption principles, Interim report for comment”, IAEA TECDOC-855
- 経済産業省 (2012), 原子力発電所外に適用されている放射能に関する主な指標例
関連項目
- 放射性物質 - 放射性核種 - 放射能 - 放射線 - 半減期
- 放射性廃棄物処理設備
- 使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約
関係組織・団体
- 日本原子力研究開発機構 (JAEA)
- 日本原燃 (JNFL) - 低レベル放射性廃棄物埋設センター
- 原子力環境整備促進・資金管理センター (RWMC)
- 電力中央研究所 (CRIEPI)
- 国立環境研究所
- 使用済燃料再処理機構 (NuRO)
- 国際廃炉研究開発機構 (IRID)
外部リンク
- 全般
- 放射性廃棄物について - 資源エネルギー庁
- 原子力環境整備促進・資金管理センター
- RI廃棄物(研究施設等廃棄物)
- 研究施設等廃棄物の埋設処分 - 文部科学省
- 埋設事業センター - 日本原子力研究開発機構
- 放射性物質汚染対処特措法に規定される特定廃棄物
- 放射性物質を含む廃棄物に関するQ&A ~入門編~ - 国立環境研究所
- 放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト - 法令リンク集 - 環境省
- その他
- RADIOACTIVE WASTEのページへのリンク