RABe524形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/13 03:15 UTC 版)
「スイス国鉄RABe523形電車」の記事における「RABe524形」の解説
スイス国鉄とトレニタリアの共同出資により設立されたTILOでは、スイス国鉄のAC15kV16 2/3Hz区間とトレニタリアのDC3000V区間の両方で使用可能な機体を用意することとなり、製造されたのがRABe524形である。本機は001-019号機が4車体、101-111号機が6車体となっており、6車体の機体の各車体は前位側からA-F-E-D-C-Bと呼ばれているほか、本機には4車体の機体がETR150形、6車体の機体がETR524形というイタリア形式名も設定されており、4車体の機体の各車体は前位側からETR151-ETR154-ETR153-ETR152となっている。 パンタグラフはD(001-019号機)もしくはF(101-111号機)の屋根上にDC3000V用の集電装置を搭載しているが、母線回路は交流区間用のものと共用であり、主開閉器以降で回路が分かれている。主変換装置はRABe523形と同じBORDLINEシリーズの交直流両用機種であるCC 750 MSを搭載しているが、これは交流用のCC 750 ACと直流用のCC 750 DCを組合わせたもので、直流区間ではインバータにより架線からの直流を一旦交流に変換して主変圧器へ入力し、主変圧器からの走行用出力以降は交流区間と同様に主変換装置で主電動機を制御する。また、RABe523形では使用されていなかった主変換装置のブレーキチョッパ回路を活かして主に直流区間で定格出力1基当たり600kW、編成2400kWの発電ブレーキを併用することが可能となっている。 主変換装置が大型化したため、RABe523形と比較して両先頭車の動台車上の機械室が拡大されて高床部の客室が無くなっており、結果的に100%低床車となっているほか、同じく両先頭車の乗降口が2箇所から1箇所となって窓扉配置が21D5となっている。 4車体の001-019号機の車体塗装はRABe523形のものを基本に、車体前面から側面上辺部にかけての赤帯部に緑帯が追加されているほか、側面窓下にも赤と緑の細帯が追加されている。また、車体の側面下部左側にスイス国鉄のマークとロゴがTILOのマークに変更されて側面上部右側には「Treni Regionali Ticino Lombardia」のレタリングが入るほか、正面下部中央にもTILOのマークが、スイス国鉄およびトレニタリアののマークとロゴが側面下部右側に小さく入れられている。なお、ジュネーブ近郊線で運行される機体はRABe523形と同一の塗装となっている。 また、6車体の101-111号機の車体塗装は4車体の001-019号機のものより簡素化されて、車体前面から側面上辺部にかけての赤帯部の緑帯と、側面窓下にも赤と緑の細帯が省略されているほか、側面左側編成端部にイタリア語で6両編成を示す表記が入れられている。
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