Praziquantelとは? わかりやすく解説

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(−)‐プラジカンテル

分子式C19H24N2O2
その他の名称2-(Cyclohexylcarbonyl)-1,2,3,6,7,11bβ-hexahydro-4H-pyrazino[2,1-a]isoquinolin-4-one、(R)-(-)-プラジカンテル、(R)-(-)-Praziquantel、(-)-プラジカンテル、(-)-Pragiquantel、(-)-Praziquantel、(-)-プラジクアンテル
体系名:(11bR)-2-(シクロヘキシルカルボニル)-1,2,3,6,7,11b-ヘキサヒドロ-4H-ピラジノ[2,1-a]イソキノリン-4-オン、2-(シクロヘキシルカルボニル)-1,2,3,6,7,11bβ-ヘキサヒドロ-4H-ピラジノ[2,1-a]イソキノリン-4-オン


プラジカンテル

分子式C19H24N2O2
その他の名称プラジクアンテル、EMBAY 8440、Praziquantel、2-(Cyclohexylcarbonyl)-1,2,3,6,7,11b-hexahydro-4H-pyrazino[2,1-a]isoquinolin-4-one、Embay 8440、Biltricide、Pyquiton、ドロンシット、Droncit、ビルトリシド、ピキトン、エンベイ8440、プラジカンテル、PZQ、2-(Cyclohexylcarbonyl)-1,3,4,6,7,11b-hexahydro-2H-pyrazino[2,1-a]isoquinoline-4-one
体系名:2-(シクロヘキシルカルボニル)-1,2,3,6,7,11b-ヘキサヒドロ-4H-ピラジノ[2,1-a]イソキノリン-4-オン、2-(シクロヘキシルカルボニル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピラジノ[2,1-a]イソキノリン-4-オン


プラジカンテル

(Praziquantel から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/04 22:59 UTC 版)

プラジカンテル
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • Only when clearly needed (lack of sufficient data in humans)
法的規制
  • U.S.: Rx-only (human use), over-the-counter (veterinary use)[1]
投与経路 経口
薬物動態データ
生物学的利用能比較的小さい
代謝hepatic
半減期0.8~1.5時間 (主な代謝物は4~5時間)
排泄主に尿
識別
CAS番号
55268-74-1
ATCコード P02BA01 (WHO) QP52AA01 (WHO)
PubChem CID: 4891
DrugBank EXPT02728
ChemSpider 4722 
UNII 6490C9U457 
KEGG D00471  
ChEMBL CHEMBL976 
化学的データ
化学式C19H24N2O2
分子量312.411
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プラジカンテル (praziquantel) は、吸虫駆除剤の一つである。代表的な商品名はビルトリシドである。化学式はC19H24N2O2で、分子量は312.41 g/molである。

歴史

プラジカンテルはドイツの製薬企業バイエル寄生虫学グループにより、1970年代中頃に開発された。世界保健機関は本薬を、医薬品の入手が困難な開発途上国で最小限必要な医薬品として、WHO必須医薬品モデル・リストの1つに採用している。

薬物動態

プラジカンテルは消化器系によって、よく(80%程度)吸収される。初回通過代謝でほとんどが代謝され、少量が体循環へと移行する。そのため血漿半減期は短く、正常な腎・肝機能をもつ成人で、0.8-1.5時間である(代謝産物は4-5時間)。肝機能に重篤な障害をもつ患者 (Child-Pugh B/C) では、半減期は3-8時間となる。プラジカンテルと代謝産物は尿として排泄され、経口服薬から24時間以内に70-80%が尿中に検出される。このうち代謝されずに排出されるのは0.1%未満である。プラジカンテルはシトクロムP4503A4により代謝される。Cyp450 3A4に効果をもつ薬剤(フェニトインリファンピシンアゾール系抗真菌薬など)は、プラジカンテルの効果にも影響を及ぼす。

プラジカンテルは住血吸虫症に大きな効果をもつ。カーター・センター (Carter Center) によると、6か月間プラジカンテルを服用することで、住血吸虫による器官の損傷の90%が治癒したとする研究があるという[1]

作用機序

正確な作用機序は現在のところ理解されていないものの、プラジカンテルは寄生虫(住血吸虫)細胞膜のカルシウムイオン透過性を上昇させる。このことで寄生虫は収縮し、麻痺に至る。寄生虫の残骸は除去されて、循環系に移行するか、免疫系によって破壊される(ファゴサイトーシス)。他の作用機序として、虫卵の分解・障害がみられる寄生虫もある。

プラジカンテルの別の作用機序として可能性があるのが、培養寄生虫におけるアデノシン取り込みの阻害である。このことは、住血吸虫や、プラジカンテルが同様に効果をもつ条虫類や多包条虫などが、プリンを合成できないことと関連している可能性がある。

効能・効果

肝吸虫症肺吸虫症横川吸虫症

日本住血吸虫症にも有用であるが、日本では住血吸虫症に対する効能は承認されていない)

副作用

多くの作用・副作用は、寄生虫が死ぬときに内容物が放出され、宿主の免疫系が活性化されることにより生じる。一般に、寄生虫の負荷が大きいほど、副作用も頻繁に生じ、かつ大きくなる傾向がある。

中枢神経系
頻繁に生じるのはめまい、頭痛、倦怠感である。眠気や疲労感、空間識失調を生じることもある。ほぼ全ての患者が、寄生虫が駆除されるのに伴い、中枢神経系内での脳嚢尾虫症を経験する(頭痛、既往症の悪化、クモ膜炎、髄膜炎など)。これらの副作用により死亡することもある。脳嚢尾虫症患者は、治療のあいだは入院することが望ましい。副作用は副腎皮質ホルモンの投与により緩和される。
消化系
約90%の患者が腹痛を感じ、吐き気や嘔吐を伴うこともある。下痢が生じ、疝痛を伴う場合もある。下痢は発汗発熱血便を伴う場合がある。
肝臓
肝臓の酵素(ASTALT)の無症状的・一過的な上昇が、しばしば生じる(最大で27%程度)。肝障害による副作用は、いまのところ報告されていない。
過敏症
じんましん発疹瘙痒感、白血球中の好酸球増加を認めることがある。
その他
下部背部痛、筋肉痛、関節痛、発熱、発汗、多種の不整脈、低血圧など。

服用

医師の指示により、異なるスケジュールで服用される。1錠だけ、あるいは1錠を分割して1日服用するだけで充分な場合もある。

併用禁忌

リファンピシン(結核症、ハンセン病の治療薬)と併用すると本剤の血中濃度が極度に低下する。

商品名

  • ビルトリシド(バイエル) 600mg錠(ヒト用)
  • Cesol錠
  • Cysticide錠
  • プロフェンダー(バイエル)
  • ドロンシット(バイエル)
  • ブロードライン(メリアル) 獣医用
  • D-ワーム (Farunum) 獣医用
  • Tape Worm Tabs (Trade Winds) 獣医用
  • Cestoved (Vedco) 錠・注射液 獣医用
  • PraziPro (Hikari) 水槽用

脚注



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