Phylloscopus ijimaeとは? わかりやすく解説

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飯島虫喰

読み方:イイジマムシクイ(iijimamushikui)

ヒタキ科渡り鳥

学名 Phylloscopus ijimae


イイジマムシクイ

(Phylloscopus ijimae から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/19 11:11 UTC 版)

イイジマムシクイ
イイジマムシクイ Phylloscopus ijimae
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: ムシクイ科 Phylloscopidae
: ムシクイ属 Phylloscopus
: イイジマムシクイ P. ijimae
学名
Phylloscopus ijimae
(Stejneger, 1892)[2][3]
和名
イイジマムシクイ[2][3][4][5][6]
英名
Ijima's leaf warbler[2][3]
  黄:繁殖地
  青:越冬地
イイジマムシクイ(トカラムシクイを含む)の分布図

イイジマムシクイ(飯島虫喰[4]Phylloscopus ijimae)は、スズメ目ムシクイ科ムシクイ属に分類される鳥類[7]

分布

日本台湾フィリピン[1]

冬季になるとフィリピンへ南下し越冬すると考えられ、1947年ルソン島ラマオで6羽の標本が採集されている[8]

日本では繁殖のため夏季に伊豆大島から青ヶ島までの伊豆諸島トカラ列島中之島に飛来(夏鳥)する[3]。冬季には伊豆諸島や南西諸島で発見例がある[8][3]。伊豆諸島の個体群は春季に海上から静岡県沿岸部に飛来した後に南下して伊豆諸島へ渡り、秋季に紀伊半島四国山岳地帯、大隅半島稲尾岳では8-10月、主に9月に飛来)を経由して南西諸島へ南下していると推定されている[8]。後述するようにトカラ列島に飛来する個体群を別種とする説が提唱され、2026年にトカラムシクイPhylloscopus tokaraensisとして新種記載された[9](「#分類」参照)。

形態

全長11.5センチメートル[3]。翼長6 - 7センチメートル[3]。上面は淡オリーブ緑色、下面の羽衣は黄白色[3]。頭頂を正中線上に入る筋模様(頭央線)がない[3][8]。内側から5-8枚目の初列風切には、羽軸よりも外側の羽毛に切れ込み(外弁欠刻)が入る[8]

後肢はピンクがかった淡褐色や橙褐色[8]

分類

種小名ijimae飯島魁への献名[4]

以前はセンダイムシクイの亜種とされていたこともある[3]

トカラムシクイ

DNAの分子系統学的解析では、伊豆諸島の個体群とトカラ列島の個体群では遺伝的距離が別種レベルで大きいという解析結果が出ていた[8][10]2026年3月18日、山階鳥類研究所をはじめとする研究チームは、両個体群を比較した結果、体の大きさや鳴き声の相違があること、さらにDNA解析で280 - 320万年前に分岐したことを確認し、トカラ列島の個体群をトカラムシクイPhylloscopus tokaraensisとして新種記載した[9][11][12]

生態

スダジイタブノキからなる高木層や亜高木層の被度が高い常緑広葉樹林などに生息する[3]

食性は動物食傾向の強い雑食で、昆虫クモなどを食べるが果実種子を食べることもある[5]。樹上を移動しながら獲物を捕食するが[5][6]、停空飛翔しながら獲物を捕食することもある[3]

繁殖形態は卵生。広葉樹の樹上やアズマネザサに球状の巣を作り、4 - 7月に3 - 4個の卵を産む[3]ホトトギス托卵されることもある[3]

人間との関係

森林伐採や道路工事による繁殖地の破壊などにより生息数は減少している[3]。主要な繁殖地であった三宅島では2000年の噴火により約60%の森林が消失あるいは影響を受け、本種への影響も懸念されている[3]。繁殖地よりも、不明である越冬地の環境破壊の方が生息数減少の原因となっている可能性も考えられている[3]。日本では1975年に国の天然記念物に指定されている[5]

環境省では、第4次レッドリスト(2020年改訂)までは絶滅危惧II類として評価されていたが[3]、2026年の第5次レッドリストではIB類に引き上げられた[13]

絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト[13]

参考文献

  1. ^ a b BirdLife International. 2025. Phylloscopus ijimae. The IUCN Red List of Threatened Species 2025: e.T22715353A154684860. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2025-2.RLTS.T22715353A154684860.en. Accessed on 19 March 2026.
  2. ^ a b c 日本鳥学会 「イイジマムシクイ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会、2012年、289-290頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 山本裕 「イイジマムシクイ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい、2014年、218-219頁。
  4. ^ a b c 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、205頁。
  5. ^ a b c d 加藤陸奥雄、沼田眞、渡辺景隆、畑正憲監修 『日本の天然記念物』、講談社、1995年、672、675頁。
  6. ^ a b 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥類III』、平凡社、1986年、157頁。
  7. ^ 山形則男・吉野俊幸・五百澤日丸=写真、五百澤日丸・山形則男=解説『新訂 日本の鳥550 山野の鳥』文一総合出版、2014年、206頁。ISBN 978-4829984000 
  8. ^ a b c d e f g 『BIRDER』第25巻 3号、文一総合出版、2011年、26、36、41頁。
  9. ^ a b Takema Saitoh, Daria Shipilina, Canwei Xia, Lijun Zhang, Shin-Ichi Seki, Urban Olsson, Per Alström, Discovering and protecting cryptic biodiversity: A case study of a previously undescribed, vulnerable bird species in Japan, PNAS Nexus, Volume 5, Issue 3, National Academy of Sciences, 2026, pgag037, SI Appendix 58 pp., https://doi.org/10.1093/pnasnexus/pgag037.
  10. ^ 関伸一「トカラ列島で繁殖するイイジマムシクイ隔離集団の分布,生態,形態および遺伝的特性」『山階鳥類学雑誌』第56巻第1号、山階鳥類研究所、2024年、33-50頁。https://doi.org/10.3312/jyio.56.33.
  11. ^ 45年ぶりに鳥類の新種発見!?—トカラ列島で独自に進化を遂げた希少種トカラムシクイ—」『森林総合研究所』2026年3月18日。2026年3月18日閲覧
  12. ^ 鳥の新種をトカラ列島で確認、国内ではヤンバルクイナ以来45年ぶり…「トカラムシクイ」と命名」『読売新聞』2026年3月18日。2026年3月18日閲覧
  13. ^ a b 山本裕「イイジマムシクイ」、環境省 編『第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類』環境省、2026年、357-361頁。

関連項目




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