PRレーティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 03:47 UTC 版)
6x86はインテルのPentiumより命令対命令間の基本部分を改良して効率的な処理を行っていた点と、インテルやAMDよりバスのクロックが速いものを使用している点から、サイリックスとその競合のAMDはお互いに、インテルより製品を比較した場合、議論の的になるが、より有利なPRレーティングの評価方法を発達させてきた。133MHzで動作する6x86は一般的なベンチマークにおいて166MHzのPentiumより僅かに早く、そのバージョンの6x86には6x86-P166+と表示されていた。 Pentium以外の製品に"P166"や"P200"の文字を使用することに対して、インテルは法律的な行動を起こし、サイリックスはその名前の後ろに"R"の文字をつけることで対処した。 PRレーティングは、業務アプリケーションの様な浮動小数点演算を使用しない場合の値であり、サイリックスのチップはインテルのものより一般的に良い評価となるが、同一クロックにおいて浮動小数点演算の性能を見るとインテルのものより遅く、浮動小数点演算を多用する最新の3Dゲームを動作させる目的ではPRレーティングは破綻すると議論の的になっていた。 インテル互換プロセッサで最大のシェアを占めていたAMDも賛同し、AMD K5プロセッサでPRレーティングを採用していた。しかしPRレーティングが破綻したことで今後この様な性能表記を行わないと公言し、AMD K6では採用しなかった。しかし、AMDは再び対Pentium 4で劣勢になり、Athlon XPで同様の性能表記であるモデルナンバーを導入し、公約を破った。もっとも、その後高クロック動作に特化したNetBurstアーキテクチャでのクロック表記の有利さを背景として、Athlon XPでのモデルナンバー採用を揶揄したインテルも、マーケティング上実クロック表記では不都合なCoreアーキテクチャの採用に当たって、実クロックでの性能表記を事実上廃止してモデルナンバーを使用するシステムへ移行しており、現在では実クロックでの表記は性能比較の上ではほとんど意味のないものとなっている。
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