NPTをめぐる考察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 20:29 UTC 版)
「ニュークリア・シェアリング」の記事における「NPTをめぐる考察」の解説
非加盟国とNATO内の批判として、NATOのニュークリアシェアリングは「核保有国」と「非核保有国」相互での核兵器の直接・間接的な移転及び受け入れの双方を禁じている核拡散防止条約(NPT)第1条と第2条に違反しているとする見解がある(ちなみにNATO加盟国のうちドイツとイタリアが非核保有国である)。これに対してアメリカ政府は、以下のような解釈を取っている。 核爆弾及び核コントロールの移転は許されない ただし許されないのは戦争勃発の時点までであり、戦時にはNPT条約の規制は及ばない したがって、NPTに違反はしない しかしながら、核兵器を「保有していない」NATO各国のパイロット及び人員はアメリカの核爆弾を投下するために配備されており、技術的な核兵器に関する情報の移転が含まれている。仮にアメリカ側の主張が法的に正しいものとしても、平時におけるそのような作戦は、NPTの精神と目的に反するように思われるとする議論がある。実質的に核戦争の為の準備が非核保有国によって行われていると主張している。 NPT条約の交渉中にNATOのニュークリア・シェアリング合意は秘密事項であった。これらの議論はいくつかの国々には開示され、ソ連も含まれていた。開示された国との間ではNATOの合意が違反ではない扱いを受けることが交渉されていたが、1968年に締結されたNPTに署名したほとんどの国々が、その時点では合意の存在とその解釈を知る事は無かった。
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