NERVAエンジンの開発
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「NERVA」の記事における「NERVAエンジンの開発」の解説
その後、フィンガーはすぐにNERVAエンジンの開発のためにエアロジェットとウエスチングハウスを選定した。SNPOは、NERVAエンジンの技術をロスアラモス国立研究所に依存していた。SNPOは、52インチNERVA NRXの開発の基礎として、ニュージーランド固有種の飛べない鳥キーウィにちなんで名付けられた825秒7万7000ポンドのスラスタKIWI-B4核熱ロケットを選んだ。ローバー計画の第2フェーズはPhoebus、第3フェーズはPeweeと呼ばれ、より高出力(4000MW)高密度かつ長寿命の燃料を実証したが、これらの計画はNERVAには用いられなかった。NERVAの設計(NERVA NRX)は、KIWIに基づいて行われたが、アポロ計画の試験としてPeweeが始まる頃までにはニクソン政権により予算が削減されたことから、月と火星に人間を送る計画は、無期限に延期されることとなった。 NERVAに関する設計や製造等のほぼ全ての研究は、ロスアラモス国立研究所で行われた。試験は、SNPOによってネバダ核実験場で行われた。ロスアラモス国立研究所は1960年代にKIWI及びPhoebusエンジンの試験を何度か行っていたが、NASAのNERVA NRX/EST (Engine System Test)のエンジンの試験は1966年2月に初めて行われた。その目的は、以下の通りである。 外部電源なしでエンジンの始動、再始動ができることを確認する。 様々な条件で、始動、停止、冷却、再始動時の制御システムの特徴(安定性やモード)を評価する。 広い運用範囲でシステムの安定性を調査する。 多数回再始動した時のエンジンの部品、特に原子炉の耐性を調査する。 全ての試験の目的は成功裏に達成され、最初のNERVA NRXは、フルパワーでの28分間を含む2時間近く稼働し、以前のKIWIの稼働時間を2桁近く上回った。
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