NCWコンセプトの導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 14:33 UTC 版)
「ネットワーク中心の戦い」の記事における「NCWコンセプトの導入」の解説
アメリカ海軍は、艦隊戦闘実験において、NCWコンセプト採用時とPCWコンセプト(在来型)採用時の相対比較を行うことにより、NCWの有用性を検討した。この結果、平均的な意思決定サイクルは43分から23分に短縮され、任務遂行に要する時間は50%減少、射撃の有用性は逆に50%増大し、艦隊の防御網を突破した敵舟艇数は1/10に減少したのである。これによってNCWコンセプトの有用性は立証され、2003年11月、ドナルド・ラムズフェルド国防長官は統合作戦コンセプト(CCJO)を認可し、これによってNCWコンセプトのアメリカ全軍への導入が決定された。 しかし、NCWコンセプトの導入には、各級指揮官への教育、交戦規定の策定、C4Iシステムの整備など、多大な労力が必要となる。このことから、NCWコンセプトの導入は段階的に進められており、2010年までにNCWコンセプトに則った作戦を実行可能とし、全面実用化は2030年を目標としている。 なお、アメリカ統合軍は現在、NCWを実現する情報基盤として全地球情報グリッド(Global Information Grid, GIG) の整備を進めているほか、アメリカ陸軍のフューチャー・コンバット・システム (FCS)、アメリカ海軍の共同交戦能力 (CEC) は、NCWコンセプトを導入した戦闘コンセプトとして開発されている。また、特にNCWコンセプトの元祖であるアメリカ海軍は、1990年代より次世代艦艇の総合的開発計画としてSC-21計画を進めていたが、NCWコンセプトに基づいて計画を全面的に見直し、ミサイル巡洋艦『CG(X)』 - ミサイル駆逐艦『DD(X)』 - そして沿海域戦闘艦『LCS』 の組み合わせという新方針を策定するに至った。
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