Melville Davisson Postとは? わかりやすく解説

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ポースト・メルヴィル・デイヴィスン(Melville Davisson Post)

1869年(明2)、アメリカウエストヴァージニア州のハリスンカウンティ生まれ。西ヴァージニア大学法律修めたのち、刑事弁護士として活躍
1896年(明29)に発表した「ランドルフメースンの奇計」が評判になるが、一方で法律弱点教え犯罪者教唆するものとして避難浴びる。
1911年(明44)の「神の使者」から発表されアブナー伯父ものは、民主主義確立しようとする時代古きよき西部舞台とし、捕物帳のような味わいがある。
1914年(大3)には「魔女使い魔」を「メトロポリタン」に発表
1918年(大7)、「アンクルアブナーの叡知」を発表
1919年(大8)、「サタデーイブニングポスト」に発表したFive Thousands Dollar Reard」がOヘンリー記念賞受賞
1923年(大12)、「新趣味」に「金剛石」が村越啓一郎によって訳される
1924年(大13)に出版したWalker of the Secret Service」の主人公同名の人物により訴えられ民事裁判となるが、勝訴する。
ポーヴァンダインを繋ぐアメリカ探偵作家位置づけられる。当代一の人作家だった。
1930年(昭5)、落馬が元で死去



メルヴィル・デイヴィスン・ポースト

(Melville Davisson Post から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/01 04:54 UTC 版)

メルヴィル・デイヴィスン・ポースト

メルヴィル・デイヴィスン・ポーストMelville Davisson Post,1869年4月19日 - 1930年6月23日 )はアメリカ推理作家法律家である。名探偵 “アブナー伯父(アンクル・アブナー)” の生みの親として知られている。

経歴

1869年ウェストヴァージニア州ハリスン・カウンティの富裕な農場に生まれる。ウェスト・ヴァージニア大学で文学、法学を修め、卒業後は弁護士となる。

1896年、悪徳弁護士ランドルフ・メイスンを主人公とする短編集『The Strange Schemes of Randolph Mason』を発表して小説家としてデビュー。法の抜け穴を突くメイスンを主人公とした同シリーズの内容には賛否両論あったものの、ポーストは一躍流行作家となる。

犬と一緒に

1903年、ヨーロッパへの船旅の途次で知り合った未亡人、アンと結婚した。1905年には長男をもうけたが、腸チフスに罹りわずか1歳半で死亡、傷心のポーストは法曹界から引退し、悲しみを癒すため夫妻でヨーロッパ周遊の旅に立った。

帰国後、作家専業となったポーストは数多くの作品を執筆、1911年6月3日の「サタデー・イブニング・ポスト」には、名探偵アブナー伯父の初登場作品となる「天の使い」を発表する。その後 “アブナー伯父もの” は計22編発表され、開拓時代のヴァージニアを舞台に数々の難事件を解決するアブナー伯父の活躍を描いた同シリーズは、第26代大統領セオドア・ルーズベルトも愛読したといわれるほどの成功を収め、作家としてのポーストの名声を不動のものとした。

しかし、私生活では1919年に夫人が肺炎により他界、晩年は孤独だったという。寂しさを紛らわせるためか乗馬に熱中していたが、1930年6月10日に落馬事故を起こし、それがもとで同年6月23日に死去した。

作品

アブナー伯父

  • 1918年 アンクル・アブナーの叡知 Uncle Abner ─Master of Mysteries─ - アメリカ西部を舞台にしたポーストのミステリ代表作
  • 1928年 ヒルハウスの謎 The Mystery at Hillhouse - アブナー伯父もの唯一の中編
    • 他の未収録3短編と併せ上記の日本版[2]「アブナー伯父の事件簿」(創元推理文庫)に収録

ミステリ

  • 1896年 ランドルフ・メイスンと7つの罪 The Strange Schemes of Randolph Mason - ポースト最初のシリーズキャラクターである、悪徳弁護士ランドルフ・メイスン登場[3]
  • 1920年 The Sleuth of St. James's Square - ロンドン警視庁のヘンリー・マーキス卿もの。「新青年」ほか戦前の雑誌に和訳短編あり。
  • 1924年 Walker of the Secret Service - アメリカ情報部ウォーカー部長もの。「探偵文芸」などの戦前の雑誌に和訳短編あり。
  • 1928年 ムッシュウ・ジョンケルの事件簿 Monsieur Jonquelle! - フランス人の警視総監を探偵に据えた連作。
    • 『ムッシュウ・ジョンケルの事件簿』 熊木信太郎訳、論創社〈論創海外ミステリ〉、2018年
  • 1930年 The Silent Witness - ブラックストン大佐もので没後出版。「新青年」ほか戦前の雑誌に和訳短編あり。

その他の小説

  • 1901年 Dweller in the Hills - ウエスタン小説。日本語未訳。
  • 1910年 The Gilded Chair - ロマンス小説。日本語未訳。

脚注

  1. ^ 両社での収録作および順序は異なる
  2. ^ 英文原書(短編集)には未収録
  3. ^ 「ランドルフ・メイスンと7つの罪」(高橋朱美訳、長崎出版、2007年)があるが絶版

参考文献

  • 『アブナー伯父の事件簿』(東京創元社)戸川安宣解説

関連項目


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