貞孝公主墓
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/05 14:14 UTC 版)
貞孝公主墓(ていこうこうしゅぼ)は、渤海第3代王・大欽茂の四女・貞孝公主の墓である[1][2]。
概要
中華人民共和国吉林省和竜市にある龍頭山古墓群に所在する[2][3]。1980年の調査により発見された[2][4]。
墓室は塼及び石製の[5]、奥行3.1メートル幅2.1メートルの長方形で高さは3.4メートル[6]、平行持ち送り式の天井を持ち[5]、墓道の長さは7.1メートル[6]、封土は幅が南側5.75メートル・北側3.3メートルの方形状で上に塔があるのが特徴である[6]。(概略図は出典ご参照[7])
墓室及び墓道の壁面には12人の人物画が描かれており[8][2][9]、渤海王室の内宮を表現したものとみられ[10]、貴重な発見となった[11][2]。(概略図及び写真は出典ご参照(東潮 ほか 2012)[2])
塼で墓室を築き、墓室の壁には12人の人物像が描かれており[12]、墓からは墓碑、陶俑顔部の破片、金銅製金具・釘、鉄製釘などが出土した[6]。
墓碑は、楷書体の漢字で728字刻まれており[2]、渤海第3代王・大欽茂の四女・貞孝公主の墓であること[2]、同次女の貞恵公主の妹であること[2]、792年に死去し同年冬に埋葬されたこと、享年36歳であったこと、夫に先立たれ幼女を育てて貞節を守っていたことなどが記されている[10][2][1][12]。
墓は盗掘されていたが、墓のなかから男女各一体分の人骨が発見され、推定年齢も符合することから、夫婦の合葬墓と推定された[12]。墓の構造や壁面の状況などは唐の墓制と共通点が多く、そうすると、夫は唐の文物・制度に精通していた人物か、あるいは渤海王の一族で唐に宿衛していた経験のある人物ではないかとみられる[12]。
王承礼(吉林省博物館館長)は、渤海文化は独立的な渤海独自の民族文化という主張は誤った見解との認識を示しており、実例として、貞恵公主墓と貞孝公主墓の比較を通じて貞恵公主墓は高句麗文化の影響を示しているが、貞孝公主墓は唐文化の影響を示しており、唐に対する渤海の隷属化が進行したと主張している[13][14]。
貞恵公主墓および貞孝公主墓墓誌銘文は、『詩経』『礼記』をはじめとする古典に出典をもつ語句によって構成されている[15]。
脚注
- ^ a b 姜成山 2014, p. 145.
- ^ a b c d e f g h i j 考古中国网 (2019年3月5日). “【考古词条】铁器时代 · 渤海贞孝公主墓” (中国語). 每日头条. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 東潮 ほか 2012, p. 2.
- ^ 姜成山 2014, p. 85.
- ^ a b 姜成山 2014, p. 147.
- ^ a b c d 姜成山 2014, p. 146.
- ^ 姜成山 2014, p. 148.
- ^ 姜成山 2014, pp. 146–147.
- ^ 東潮 ほか 2012, pp. 2–3.
- ^ a b 東潮 ほか 2012, p. 3.
- ^ 姜成山 2014, p. 3.
- ^ a b c d 田村晃一「「海東の盛国」渤海の文化(2005年度春期東洋学講座講演要旨)」『東洋学報』第87巻第2号、東洋文庫、2005年9月、67頁、CRID 1050845763831700608、 ISSN 0386-9067。
- ^ 王承礼『唐代渤海‘貞惠公主墓志’和‘貞孝公主墓志’的比較硏究』吉林省社会科学院〈社會科學戰線〉、1982年。
- ^ 東北アジア歴史財団 編『동아시아의 발해사 쟁점 비교 연구』東北アジア歴史財団〈동북아역사재단 기획연구 29〉、2009年9月、182頁 。
- ^ 石井正敏『日本渤海関係史の研究』吉川弘文館、2001年、143頁。 ISBN 4642023631。
参考文献
- 姜成山『渤海王国の社会と国家 : 在地社会有力者層の検討を中心に』 桜美林大学〈博士(学術) 甲第71号〉、2014年。 NAID 500000729982 。
- 東潮, 市元塁, 大谷育恵「東アジア古代服飾の図像学と考古学」『服飾文化共同研究最終報告』、文化学園、2012年3月。 hdl:10457/1383 。
関連項目
「Mausoleum of Princess Jeonghyo」の例文・使い方・用例・文例
- Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
- は of の誤植です.
- を off と誤植する.
- あいまい母音 《about, sofa などの /ə/》.
- 副詞的小詞 《on, in, out, over, off など》.
- 迂言的属格 《語尾変化によらず前置詞によって示す属格; たとえば Caesar's の代わりの of Caesar など》.
- çon of garlic [humor]. それにはガーリック[ユーモア]がちょっぴり必要だ.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Speaker of the House of Commons 下院議長.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Committee of Ways and Means 歳入委員会.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- (違法罪―a sin of commission―に対する)怠惰罪
- 『each』、『every』、『either』、『neither』、『none』が分配的、つまり集団の中の1つのものを指すのに対し、『which of the men』の『which』は分離的である
- 『hot off the press(最新情報)』は『hot(最新の)』の拡張感覚を示している
- 『Each made a list of the books that had influenced him』における制限節は、リストに載った本を制限節で定義された特定の本だけに制限する
- 臨床的鬱病を治療するのに用いられる三環系抗鬱薬(商品名ImavateとTofranil)
- 『sunshine-roof』は『sunroof(サンルーフ)』に対する英国の用語である
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