MPEG-4 システム(第1部)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 01:30 UTC 版)
「MPEG-4」の記事における「MPEG-4 システム(第1部)」の解説
マルチメディアデータをファイルや記録メディアに保存したり、ネットワーク上で伝送するには、動画と音声毎に別々に符号化した符号化データの統合(多重化)と同期のための仕組みが必要となる。この多重化方式を規定するものがシステムである。なお、システムによって多重化される以前の動画像や音声のバイナリデータをエレメンタリストリーム(ES: Elementary Stream)と呼ぶ。 動画像と音声のエレメンタリストリームを多重化するという目的においては、MPEG-1やMPEG-2のシステムに近いといえるが、MPEG-4についてはオブジェクト符号化という概念があるという点で異なる。MPEG-4においては、オーディオ、ビジュアル(ビデオ)のデータは各1つのオブジェクトとして扱われ、これらのオブジェクトを多重化・同期するのがシステムの役割である。なお、MPEG-4の動画像(ビジュアルおよびAVC)や音声のエレメンタリストリームの多重化には、MPEG-4システムの他にMPEG-2トランスポートストリーム(MPEG-2 TS)を用いることも可能であり、地上デジタルテレビジョン放送の1セグメント放送ではAVCとAACの伝送にMPEG-2 TSが用いられる。 さらに、複数のオブジェクトを組み合わせて扱うことを可能にするためのシーン記述のための仕様として、VRML97をベースとしたBIFS(Binary Format for Scenes)が規定されている。例えば、人物や背景の動画および音声をそれぞれ別個のオブジェクトとして符号化し、それらを重ね合わせて表示したり、ユーザが任意にオブジェクトを動かしたりできるようなアプリケーションを作ることが可能である。しかし、このようなオブジェクト符号化は、一般向けに実用化されていないのが現状である。 オブジェクト符号化の概念の導入やBIFSなどにより、MPEG-4システムの内容が肥大化してしまったため、ファイルフォーマット(MP4)に関しては後述のPart 14として独立して規定されている。ちなみに、ネットワーク上での伝送に関しては、Part 8および RFC 3640 で規定されている。 なお、バイナリフォーマットであるBIFSを容易に扱えるようにするため、XML準拠の記述形式として、Extensible MPEG-4 Textual Format in XML (XMT)がPart 11で規定されている。
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