M12/1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 07:11 UTC 版)
「BMW・M12/13エンジン」の記事における「M12/1」の解説
1968年にBMWが最初に開発したM12で、排気量が1600㏄で当時のF2選手権を意識したエンジン。ボア×ストークは、84×71である。 当時のF2選手権のエンジン規定は、1967年から1971年まで「自然吸気の6気筒以下で前年度の生産が最低500台のシリンダブロックを持つ排気量1600㏄以下のエンジン」という規定であった。このエンジン規定下では、コスワース・FVAが圧倒的に強かった。そこでBMWは、打倒FVAということで開発したが、実戦へ投入されたかは、不明。(1969年と1970年のF2のヨーロッパ選手権において、「BMW270-M11」が参戦している記録があるが、このM11とM12/1との関連が執筆時には、判別がついていない) M12/1のシリンダヘッドは、4バルブのペントルーフ型燃焼室のDOHCであるが、プラグホールが3ヶ所ある。これは、火炎伝播を改善させるため、複数点火プラグによる着火を試みた。しかしながら 当時の複数着火方法では、異常燃焼が発生し期待した効果が得られなかったので、1本着火に戻している。以降の展開エンジンでも点火プラグホールは、3ヶ所設置されているが、中央の1ヶ所のみ使用している。 吸排気ポートに関しても、放射状吸排気を試した。放射状吸排気は、燃焼室内でのスワールを積極的に引き起こすために、吸気と排気ポートを対角線状に配置した。(例:吸気を右前と左後、排気を右後と左前)そのため 吸気管はシリンダヘッド上面から入る形になっている。しかしながら、吸排気パイプの配置が複雑化するので以降のエンジンでは、この放射状吸排気を取りやめ、直列4気筒エンジンでは、常識的な右側吸気/左側排気の通常の吸排気システムを採用した。
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