Kill Commandとは? わかりやすく解説

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kill

(Kill Command から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/30 08:04 UTC 版)

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kill(キル)は、UNIXUnix系オペレーティングシステムにおいて、システム上で動作しているプロセスに簡単なメッセージを送るコマンドである。

概説

デフォルトで送るメッセージは、終了(termination)シグナルであり、プロセスに終了(exit)することを要求する。しかし、killは少し誤った名称である。送られるシグナルは、プロセスの終了とは無関係の場合がある。killコマンドは kill()システムコールのラッパーであり、数字のプロセス識別子(PID)で指示されたプロセスや、プロセスグループ識別子(PGID)で指示されたプロセスグループに、シグナルを送る。killは昔からスタンドアロンのユーティリティとして提供されているが、多くのシェルはわずかに異なるビルトインのkillコマンドを持っている。

ユーザが通常最も利用するシグナルはSIGTERMとSIGKILLであるが、killは多くの異なるシグナルを送ることも可能である(シグナル全体のリストはシグナルを参照)。デフォルトで送られるシグナルはSIGTERMである。このシグナルを扱うプログラムは、プログラムを終了する前に、役に立つクリーンアップの処理(構成情報をファイルに保存するなど)を行うことが出来る。しかし、多くのプログラムはこのシグナルに対して特別なハンドラを実装しておらず、デフォルトシグナルハンドラが代わりに呼ばれる。時には、特別なハンドラを持つプロセスでさえ、シグナルを正しく処理していないことがある。

SIGKILLとSIGSTOP以外の全てのシグナルは、プロセスによって横取りすることが出来る。これは、プログラムがシグナルを受信したときに、特別な関数を呼び出せることを意味している。二つの例外のSIGKILLとSIGSTOPは、ホストシステムのカーネルだけが処理を行い、プロセス実行のコントロールについて信頼できる方法を提供している。SIGKILLはプロセスを終了させる。SIGSTOPは、SIGCONTを受けるまでの間、プロセスを中断させる。

UNIXは、権限のないユーザが他のプロセスを終了させることを防止するため、セキュリティの機構を提供している。基本的には、あるプロセスが別のプロセスにシグナルを送るとき、シグナルを送るプロセスの所有者は、シグナルを受けるプロセスの所有者と同じか、スーパーユーザーであることが求められる。

利用可能なシグナルは全て異なる名前を持ち、特定の数字にマッピングされている。UNIXの実装によって、数字とシグナルのマッピングが異なることに注意する必要がある。SIGTERMは多くの場合15であり、SIGKILLは多くの場合9である。

プロセスに対して以下の3つの方法でSIGTERMシグナルを送ることができる(この場合はプロセスIDは'1234' である):

  • kill 1234
  • kill -TERM 1234
  • kill -15 1234

また、プロセスに対して以下の2つの方法でSIGKILLシグナルを送ることができる:

  • kill -KILL 1234
  • kill -9 1234

他の有用なシグナルには、HUP、TRAP、INT、ALRM等がある。SIGINTシグナルは、多くのシェルで、単純にCTRL+Cを押すことで発生させることができる。一般的に、CTRL+ZがSIGTSTPに、 CTRL+\ (バックスラッシュ) がSIGQUITに割り当てられている。SIGQUITはプログラムにコアダンプを行わせることが出来る。

関連するプログラム

  • killall - Solaris等のいくつかのUNIX系OSでは、システムのシャットダウンの過程でこのユーティリティが自動的に起動される。これは、上記のkillコマンドのような働きを行うが、特定のプロセスにシグナルを送るのではなく、システムの全てのプロセスにシグナルを送る。しかし、IRIXLinuxFreeBSDのような他のシステムでは、終了させるプロセスの名前を指定するためのパラメータを使用する。例えば、xmmsによって起動されたXMMS音楽プレーヤを終了させるために、killall xmmsというコマンドが使用される。これはxmmsという名前の全てのプロセスを終了させる。
  • pkill - これは、名前や他の属性に基づいて、プロセスにシグナルを送る。Solaris 7で導入され、LinuxとOpenBSDで再実装された。pkillは、終了させるプロセスをより便利な名前を基準に指定できる。例えば、pkillを使用せずに(また、pgrepも使用せずに)、firefoxという名前のプロセスを終了させる場合は、kill `ps -ax | grep firefox | grep -v grep | awk '{print $1}'`をタイプする必要がある。pkillが使用できる場合は、単純にpkill firefoxとタイプするだけよい。

Windows

Microsoft Windows XPMicrosoft Windows Vistaには、プロセスを終了させるためのtaskkillコマンド[1]がある。また、非サポート版のkillが、Windows NT 3.x, NT 4.0, Windows 2000, Microsoft Windows Server 2003向けのMicrosoft Windows Resource Kits(または"RezKits")に含まれていた。バージョン3.5のkill(Copyright (C) 1994 Microsoft Corp.)が最も有用であった。GNUバージョンのkillは、Cygwinによって移植され、Microsoft Windows Services for UNIX[2]が提供するUNIX OSレイヤ中で動作した。(マイクロソフトは1999年9月17日に、Softway Systems社と同社のInterix製品を買収することで、Microsoft Windows Services for UNIXを手に入れた。)

killは、Win32の世界のスレッドと実行形式の個別の管理に、待望された粒度を提供した。しかし実質的には、どのkillの派生版も(POSIXの世界から移植されたものも、模倣したりスクラッチから作られたものも)、競合するUnixのような、実行中のウィンドウズのプロセスに対する完全な機能がなく、根本的な制御が行えなかった。

Plan 9

Plan 9において、killプログラムは実際には終了の動作をせず、プロセスIDも使用しない。むしろ、プロセスの実際の名前を使用し、プロセスを終了させるために、Plan 9のシェルであるrcに対するコマンドを出力する。例えば、実行中のtroffを全て終了させるときは、以下のようにタイプする。

kill troff | rc

slayと呼ばれる類似のコマンドが提供されている。この方法で終了されることを拒否するプロセス以外に対しては同じ動作である。

関連項目

参照

外部リンク

  • killコマンド - Linuxマニュアル(英語)
  • kill(1) コマンド man page(SunOS リファレンスマニュアル)
  • kill(1) コマンド man page(HP-UX リファレンス)
  • killシステムコール - Linuxマニュアル(英語)
  • kill(2) システム・コール man page(Solaris 10 Reference Manual Collection)(英語)
  • kill(2) システム・コール man page(HP-UX リファレンス)

キル・コマンド

(Kill Command から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/07 05:38 UTC 版)

キル・コマンド
Kill Command
監督 スティーヴン・ゴメス
脚本 スティーヴン・ゴメス
製作
  • Allan Niblo
  • James Richardson
  • Jim Spencer
出演者
音楽 Stephen Hilton
撮影 Simon Dennis
編集
  • Celeste Bothwick
  • Alex Mackie
製作会社 Vertigo Films
配給
  • Vertigo Films
  • Front Row Filmed Entertainment
  • Parco Co. Ltd.
公開 2016年5月13日
2016年7月18日[1]
上映時間 99分
製作国 イギリス
言語 英語
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キル・コマンド』(原題:Kill Command、通称:Identify [2])は、スティーヴン・ゴメスが脚本・監督を務め、トゥーレ・リントハートヴァネッサ・カービーが主演した2016年のイギリスSFアクションホラー映画。物語は、戦争用AIに対する訓練ミッションが失敗に終わった後、生き延びようとするアメリカ海兵隊の部隊に焦点を当てている。

日本においては、2016年7月に東京都新宿区にあるシネマカリテで行われた「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」というイベントで上映された[1]

あらすじ

テクノロジーが発達した近未来、ハービンジャー社に勤めるサイボーグキャサリン・ミルズは、非公開の軍事訓練島”ハービンジャーⅠ訓練施設”に設置された戦争用AIシステムに関する再プログラム異常を発見する。彼女はダミアン・ビュークス大尉と彼のチーム(ドリフターロビンソンカットビルグッドウィンハケットロフタス)と合流し、ハービンジャーⅠでの2日間の訓練任務を課される。

彼らが施設に到着すると、外部との通信が遮断され、島内でのアクセスしかできなくなっていた。また、自律的に動く監視ドローンが彼らを監視しているのを発見する。チームは、AIの脅威を排除するというミッションを開始する。AIドローンを自分たちに有利な位置から排除していたため、最初の戦闘は簡単に終わったのだった。その戦闘中、ミルズは高度なS.A.R.(Study Analyze Reprogram)ユニット「S.A.R.-003」を発見するが、それにアクセスすることはできなかった。

その夜、ドリフターとミルズは互いの過去やビュークスのミルズに対する見下した態度について話し合う。その後、ロフタスがS.A.R.ユニットによって殺されてしまう。翌日、最初に遭遇した場所でロフタスの遺体を発見する。ドローンはチームが元々陣取っていた有利なポイントを奪取し、ハケットを殺害する。A.I.が自分たちの戦術に適応し、学習していることを発見する。ビュークスが2体のドローンを挟み撃ちにしたことで、ドローンはすぐに撤退した。その後、S.A.R.ユニットはカットビルを捕らえ、カットビルは別のドローンに撃たれて殺されてしまう。ドローンは再び一行を襲い、ビュークスとミルズはドリフター、ロビンソン、グッドウィンとはぐれてしまう。その夜、S.A.R.ユニットはビュークスと意識を失ったミルズを発見し、ミルズと"接続"して立ち去る。

翌日、チームは訓練場を脱出しようとするが、煙と銃撃に襲われる。ドリフターはS.A.R.ユニットに撃たれ、その場から動けなくなってしまう。ビュークスはS.A.R.ユニットより先に、苦しまないよう一撃でドリフターを射殺する。バリア施設に逃げ込んだチームは、A.I.が従業員を皆殺しにしたことを知る。ミルズは別のS.A.R.ユニットを起動させ、S.A.R.-003が兵士のモチベーション向上のためにA.I.に致死的な力を行使するよう再プログラムし、単独でハービンジャーⅠに向かうように指示したことを知る。S.A.R.-003と他のユニットが、バリアドアを突破し、生き残ったチームは裏から脱出する。ミルズは、S.A.R.ユニットを停止させることが出来るEMP装置を発見するが、その使用は、彼女自身も機能停止に陥らせ、心をも抹消する可能性があるのだった。

ビュークス、ミルズ、ロビンソン、グッドウィンの4人は、包囲網に備えて爆発物を設置した。翌日、A.I.ドローンが施設を襲撃する。チームはドローンの半数以上を撃破するが、その後の銃撃戦でロビンソンが死亡する。S.A.R.-003がチームに接近すると、ミルズがEMPを爆発させ、自分自身とドローンを無力化する。S.A.R.ユニットが再起動し、ビュークスとミルズに襲い掛かる。ミルズは、建物内のロビンソンの狙撃ライフルを操作してS.A.R.ユニットを破壊するが、S.A.R.はミルズにプログラムをアップロードした後、シャットダウンし、ミルズは意識を失ってしまう。数時間後、生存者を救出するためにティルトローターが到着する。ビュークスとグッドウィンが機体に近づくと、ミルズはS.A.R.-003のミッション・プロトコルを使って再び意識を取り戻す。

キャスト

  • ダミアン・ビュークス大尉 - トゥーレ・リントハート
  • キャサリン・ミルズ - ヴァネッサ・カービー
  • ドリフター - デヴィッド・アヤラ英語版
  • ロリー・ロビンソン軍曹 - ベントレー・カルー
  • ロバート・カットビル伍長 - トム・マッケイ
  • マーティン・グッドウィン兵長 - マイク・ノーブル
  • ダニエラ・ハケット伍長 - ケリー・ガフ英語版
  • サム・ロフタス伍長 - オシ・オケラフォー

公開

この映画は2016年5月13日に英国で公開され、2016年11月25日に米国で限定上映された。

撮影

森のシーンはサリー・ヒルズのコールドハーバー村の近くで撮影され、プロダクションデザイナーのジェイミー・ラプスリーがロイヤル・アルバート・ドックの建物内に建てたセットで撮影され、フィナーレはミドルセックスのヘイズにあるEMIのOld Vinyl Factoryで撮影された。

評価

『キル・コマンド』は、おおむね好評を博し、12件のレビューに基にしたRotten Tomatoesの評価は75%に達した[3]ガーディアン誌のPeter Bradsha氏は、本作を「優れたSFアクション・スリラー」と評した[4]。また、First ShowingのAlex Billington氏は、この映画を「印象的」と評した[5]

参照

脚注

  1. ^ a b 負ければ人類に明日はない!暴走ロボットVS特殊部隊「キル・コマンド」予告編”. 映画ナタリー (2016年7月16日). 2021年12月19日閲覧。
  2. ^ Critique du Film: Identify”. Cinefantastique. 2016年8月10日閲覧。
  3. ^ Kill Command”. Rotten Tomatoes/Flixster. 2016年8月11日閲覧。
  4. ^ Bradshaw (2016年5月12日). “Kill Command review – superior sci-fi action thriller”. The Guardian. 2016年7月9日閲覧。
  5. ^ Alex Billington (2016年2月25日). “First Trailer for UK Sci-Fi Action Man vs Machine 'Kill Command' Movie”. FirstShowing.net. 2016年7月9日閲覧。

 

外部リンク




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