Kh-55 (ミサイル)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Kh-55 (ミサイル)の意味・解説 

Kh-55 (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 01:55 UTC 版)

Kh-55
ウクライナ空軍博物館のKh-55。尾部下側のエンジンポッドは展開していないか付いていない。
種類 空対地ミサイル空中発射巡航ミサイル
製造国 ソビエト連邦/ ロシア
設計 ラドゥガ設計局
性能諸元
ミサイル直径 0.514m
ミサイル全長 6.04m
ミサイル全幅 3.1m
ミサイル重量 1,250kg
射程 2,500km
推進方式 ターボファンジェット
誘導方式 地形等高線照合および慣性誘導
飛翔速度 Mach 0.48–Mach 0.77 (588.02–943.28 km/h)
テンプレートを表示

Kh-55ロシア語: Х-55)は、ソビエト連邦ラドゥガ設計局が開発した空対地ミサイル空中発射巡航ミサイル西側諸国においては、アメリカ国防総省(DoD)識別番号としてはAS-15NATOコードネームとしては「ケント」(Kent)と呼ばれた。

概要

1976年に開発が開始され、1982年にTu-95MSに搭載されて就役。同年代に開発され、世界的によく知られているアメリカトマホーク巡航ミサイルや、AGM-86の影響を少なからず受けていると見られており、それらは外見や弾頭の威力、射程などからうかがうことができる。

通常はTu-95や、Tu-160といった戦略爆撃機に搭載され、戦略核兵器の運搬手段として用いられる。Tu-95の場合、機種にもよるが爆弾倉内6連ロータリーランチャーに6発、外部に10発の最大16発程度、Tu-160では12発を搭載することができる。

発射されると、胴体中央の主翼と胴体尾部の尾翼と伸展式フェアリングと胴体尾部内に収納された引出式のターボファンエンジンを展開し(主翼扉とエンジン扉があり、展開中だけ開いて、展開前と展開後には閉じて隙間を無くす)、エンジンポッドを下側にした状態で推進する。

500kgの通常弾頭型の他核弾頭型は200ktの威力を持ち、射程は約2,500kmである。

また、潜水艦発射型および車輌による地上発射型も開発されている。

派生型

Kh-55(articles 120)
Kh-55OK(articles 121)
Kh-55SM(articles 125)
弾体左右にコンフォーマルタンクを装着。弾体最大幅0.77m、発射重量1700kg、射程3000km。弾頭はHE 500kgのみで核弾頭型はなし。
RK-55「グラナート」
艦・地上発射型。GRAUインデックスは3K10であった。地上発射型はSSC-X-4「スリングショット」(Slingshot)[1])、水中発射型はSS-N-21「サンプソン」(Sampson)のDoD識別番号・NATOコードネームを付された。
Kh-65SD
戦術巡航ミサイル。Kh-55SMで取り付けたコンフォーマルタンクを一体化したデザインに。弾体最大幅0.77m、発射重量1600kg。SALTⅡの戦略空中発射ミサイルの範疇外とするため射程を500~600kmに低減。Su-27MやSu-35にも搭載可。
Kh-65SE
対艦型。射程250~280km
スーマール(Soumar)/ホヴェイゼ(Hoveizeh)
Kh-55を基にイランが開発した地対地巡航ミサイル。尾部にロケットブースターを追加したことで陸上から発射可能。「ホヴェイゼ」は「スーマール」の派生型で射程1,200km。
Quds-1(クッズ(コッズ)-1)
イエメンのフーシ派が開発した(2019年7月に存在を公表)地対地巡航ミサイル。原型よりやや小型で簡略化されている。射程2,000km(推定)。

運用国

ロシア

イラン

中国

退役国

 ウクライナ

  • イランに売却。

脚注

参考文献

  • 文林堂 世界の傑作機No.147 ツポレフTu-160ブラックジャック p.77~78

関連項目



「Kh-55 (ミサイル)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Kh-55 (ミサイル)」の関連用語

Kh-55 (ミサイル)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Kh-55 (ミサイル)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのKh-55 (ミサイル) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS