K端末エミュレータとは? わかりやすく解説

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PRIMERGY 6000

(K端末エミュレータ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/10 14:39 UTC 版)

PRIMERGY 6000
別名 USAC NetGLOBE9000III
開発元 富士通
種別 オフィスコンピュータ
発売日 2000年5月 (24年前) (2000-05)[1]
販売終了日 2018年3月 (6年前) (2018-03)
OS ASP
CPU Intel Pentiumシリーズ
前世代ハード GRANPOWER 6000
(GP6000シリーズ)
次世代ハード Cloud Service for オフコン
エフサステクノロジーズが提供するIaaS型のクラウドサービス

PRIMERGY 6000(プライマジー6000)は、富士通がかつて販売していたオフコンの名称。CPUにインテルのPentiumシリーズを採用。2000年5月に発表され[1]、2018年3月末で販売が終了した。販売パートナーの内田洋行が使っていた商品名はUSAC NetGLOBE9000III。

概要

FACOM Kシリーズ(K-200シリーズ,K-600シリーズ,FUJITSU K-6000シリーズ)[2]GRANPOWER 6000(GP6000シリーズ)[3]の後継となるオフコン。上位互換性が高いので、FACOM Kシリーズからのユーザーが永い間蓄積してきた経営資産を、オープンシステム等で再構築(レガシーマイグレーション)するよりは容易に継承することが可能。GP6000シリーズ以降はインテルCPUを採用するなど、低コスト化を図っている。また、オープンシステムとの親和性もあり、Javaなどオープン系ソフトウェアの動作、企業間の電子データ交換eコマース)や携帯機器にも対応したWebコンピューティング機能、電子帳票のメール自動配信機能など、現在の業務システムに求められるソリューションも提供されている。なお、オープンシステム(特にWindowsサーバ)と異なり、ウイルス感染などのセキュリティ上のリスクは非常に低い。

OSとして ASP (FACOM Kシリーズの中盤までは CSP)が動作し、主要言語は COBOL GSQLに対応した富士通のCOBOL互換言語)。なお、COBOL GとJavaのプログラム間でデータ連携もできる。

Oracle等の他のRDBMSとの連携を図るため、PRIMERGY 6000はRDBMSとしての側面も持っている。Symfoware6000と呼ばれるPRIMERGY 6000のOSの中核部分に統合されているRDBMSを利用することができた。IBM iにおけるDB2 for IBM iと同様の関係である。Symfoware6000は、かつてのFX-RDBRDB/6000の後継機能にあたる。尚、Symfoware Serverとは、コマンド体系など共通面も多い。但しPRIMERGY 6000には「1フィールドに全角文字と半角文字が混在できない」「文字コードに富士通独自の JEF を採用している」などの仕様があるため、他のRDBMSとの親和性が高いとは言い難い。

システム管理者のコンソールにはFMGシリーズ、利用者はFMGシリーズKシリーズ端末エミュレータWindows上で動作する端末エミュレータ)、Webjetウェブブラウザ上で動作する端末エミュレータ)、MeFt/Web ProWebアプリケーションフレームワーク)などを用いる。

なお、富士通のIAサーバの冠ブランドであるPRIMERGYを掲げているが、PRIMERGY 6000PRIMERGY(富士通のPCサーバ)の間には、動作互換性はない。

2014年4月から富士通のデータセンター上でオフコン用OSであるASPでの動作環境をエミュレーションするIaaS型のクラウドサービス「FUJITSU Cloudオフコンサービス」(現在の「Cloud Service for オフコン」)を開始した[4]

2018年3月、PRIMERGY 6000シリーズが販売終了。以降、富士通からは上記のクラウドサービスを後継サービスとして案内している。

2023年3月、PRIMERGY 6000シリーズの最終モデルであるPRIMERGY 6380B/6580B/6780B/6980Bの富士通によるメーカー保守が終了した[5]

2024年4月、PRIMERGY 6000シリーズの後継となる「Cloud Service for オフコン」のサービス提供元が、富士通からエフサステクノロジーズに移管された。

課題

MOデータの移行

富士通のオフコンは、2007年3月に販売終了したPRIMERGY 6000/50まで、長らくMOが標準で本体に内蔵搭載されてきたが、2006年11月に販売開始したPRIMERGY 6000/60からはDVD-RAMドライブが標準で本体に内蔵搭載された代わりに、MOドライブは本体に内蔵搭載されなくなった。富士通は同時期にMOドライブの製造を打切り、さらに2012年3月にMOドライブのサポートも打切っている。また、PC用の富士通製MOドライブは、Windows 7以降の動作サポートをしていない。 かつて、PRIMERGY 6000では、MOへデータを保存する運用が一般的であったため、大量のMOデータを抱えるユーザーも少なくない。現在、MOへ保存したデータを参照するには、富士通製MOドライブとWindows Vista以前の古いPCを中古市場などで調達して移行作業する等の、不便な運用を余儀なくされている。

IBM形式フロッピーディスクデータの移行

現在、富士通のオフコンのフロッピーディスクは、DOS形式が採用されているが、かつてのFACOM Kシリーズでは、メインフレームとの互換性のため、IBM形式が採用されていた。 かつてのFACOM Kシリーズで保存したIBM形式フロッピーディスク上のデータは、そのままでは、PRIMERGY 6000では読取不可能である。なお、PCにて「F*TRAN」(富士通製のフロッピーデータ変換ソフトウェア)等を用いてDOS形式に変換すれば、PRIMERGY 6000で読取することは可能である。

2005年に発生した一斉フリーズ

2005年9月5日の午後3時に、OS「ASP」のV15かV16を搭載した PRIMERGY 6000(GRANPOWER 6000)が一斉にフリーズする事態が発生した。翌日以降も午後3時になると毎日フリーズする、基幹系システムとしては前代未聞の深刻な不具合であった。[6][7]PRIMERGY 6000 は、かつてよりユーザー側で修正パッチをダウンロードし適用する方法をとらず、PRIMERGY 6000 についての知識を持つSECEが修正パッチを適用する方法をとっていたため、緊急時に一斉に対応することが難しく、結果的に障害発生より丸一日経過しても復旧できなかったユーザーも多数存在した。なお、この障害とは別の修正パッチを適用していたサーバにはこの障害は発生しなかった。かつて、オフコンはユーザーインターフェースが扱いにくいなどの欠点がある反面、PCサーバやUNIXサーバなどのオープンシステムとは比較にならない程、堅牢性と信頼性が高い利点がある、と言われていた。しかしこの不具合の発生により、オフコン全般に対する評価が大きく揺らぐことになった。

関連項目

  • FACOM
  • GRANPOWER
  • PFU - 前身であるユーザック電子工業が1984年に PRIMERGY 6000 の前身であるFACOM Kシリーズを実質的に開発
  • 内田洋行 - かつてユーザック電子工業(現在のPFU)の販売代理店であった経緯で PRIMERGY 6000 を USAC NetGLOBE9000III ブランドにて販売
  • 山田邦子 - PRIMERGY 6000 の前身であるFACOM Kシリーズのイメージキャラクタ(1988年〜1992年)

脚注

  1. ^ a b 【富士通】 FUJITSU PRIMERGY6000シリーズ”. IPSJコンピュータ博物館. 2021年4月3日閲覧。
  2. ^ FACOM Kシリーズを実質的に開発したユーザック電子工業(現在のPFU)の販売名は USAC2001シリーズ,USAC8800シリーズ(販売代理店は内田洋行)
  3. ^ 内田洋行・PFUの販売名は USAC NetGLOBE9000,USAC NETGlobe9000II
  4. ^ オフコンをクラウド化した富士通の意図”. ITmedia エンタープライズ (2014年3月31日). 2021年4月3日閲覧。
  5. ^ 2025年2月現在、PRIMERGY 6000シリーズの最終モデルなどの第三者保守を請け負うベンダーは存在する。(富士通製品の第三者保守サービス”. ブレイヴコンピュータ. 2025年2月10日閲覧。
  6. ^ 「GRANPOWER6000シリーズ」「PRIMERGY6000シリーズ」の障害に関するお知らせ - 富士通
  7. ^ OSの障害で5日午後3時に富士通の一部オフコンが異常停止 - 日経コンピュータ

外部リンク




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