JR福知山線脱線事故を受けた見直し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 00:47 UTC 版)
「日勤教育」の記事における「JR福知山線脱線事故を受けた見直し」の解説
2005年(平成17年)にJR福知山線脱線事故では、事故を起こし死亡した運転士が過去に日勤教育を受けていた。運転士は当日事故前に伊丹駅で72mのオーバーランを起こしたが、2回目の日勤教育を恐れて車掌にオーバーラン距離を短く報告するよう要請していた。 2007年(平成19年)2月1日に開かれた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の意見聴取会において、JR西日本副社長の丸尾和明は「日勤教育が事故原因と結びつけるのは不適当」と日勤教育の有益性を主張したが、同委員会が6月28日に公表した最終報告書では事故原因について「事故を起こした運転士がミスによる日勤教育を懸念しながら運転していたため、注意がそれて事故に至った可能性が高い」とし、車掌が輸送指令に報告する無線の内容に気を取られるあまりブレーキ操作が遅れたことに言及した。 同報告書において日勤教育は「精神論的な教育に偏らず、再教育にふさわしい事故防止に効果的なものとするべき」とされたこともあり、JR西日本では再教育を運転シミュレーターや添乗指導といった実践的内容に改め、期間についても最長7日に短縮するなど全面的に見直しを実施。教育内容の決定権者は区長ではなく元運転士らで構成する「指導監」に変更した。 また、オーバーランや遅延など直接事故に繋がらないミスについては懲戒処分の対象から外すなどした結果、同社における日勤教育の件数は事故前の2004年(平成16年)の608件から2013年(平成25年)は184件へと減少した。
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