JIS規格に基づく分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 23:30 UTC 版)
日本工業規格では用途別にグリースを7種類に分類している。各分類項ではグリースの成分、性能、および稠度番号が定められている。 用途別種別稠度番号使用温度範囲(℃)低荷重高荷重衝撃水との接触適用例一般用グリース 1種 1号、2号、3号、4号 -10 - +60 適 否 否 適 一般低荷重用 2種 2号、3号 -10 - +100 適 否 否 否 一般中荷重用 転がり軸受用グリース 1種 1号、2号、3号 -20 - +100 適 否 否 適 汎用 2種 0号、1号、2号 -40 - +80 適 否 否 適 低温用 3種 1号、2号、3号 -30 - +130 適 否 否 適 広温度範囲用 自動車用シャシーグリース 1種 00号、0号、1号 2号 -10 - +60 適 適 適 適 自動車シャシー用 ホイールベアリンググリース 1種 2号、3号 -20 - +120 適 否 否 適 自動車ホイールベアリング用 集中給油用グリース 1種 00号、0号、1号 -10 - +60 適 否 否 適 集中給油式中荷重用 2種 0号、1号、2号 -10 - +100 適 否 否 適 集中給油式中荷重用 3種 0号、1号、2号 -10 - +60 適 適 適 適 集中給油式高荷重用 4種 0号、1号、2号 -10 - +100 適 適 適 適 集中給油式高荷重用 高荷重用グリース 1種 0号、1号、2号、3号 -10 - +100 適 適 適 適 衝撃高荷重用 ギヤコンパウンド 1種 1号、2号、3号 -10 - +100 適 適 適 適 オープンギヤ及びワイヤロープ用 各分類項について説明する。 一般用グリース1種 ― 増稠剤にカルシウム石鹸を用い、耐水性が高いグリース。1号、2号、3号、4号で滴点はそれぞれ80℃以上、85℃以上、85℃以上、90℃以上であり、熱に弱い。水洗耐水度(38度、1時間)は質量分率20%以下。水分の規定上限が存在する。 2種 ― 増稠剤にナトリウム石鹸を用い、耐熱性が高いグリース。滴点は170℃以上。水に弱い。水洗耐水度の規定は無い。 転がり軸受用グリース1種 ― 主に基油と増稠剤から成り、機械的安定性、耐水性、および防錆性が良好なもの。 2種 ― 1種の特性に加え、低温性が優れているもの。 3種 ― 2種の特性に加え、耐熱性が優れているもの。 自動車用シャシーグリース1種 ― 増稠剤にカルシウム石鹸を用い、耐荷重性と圧送性が良好なもの。 自動車用ホイールベアリンググリース1種 ― 主に基油と増稠剤から成り、耐熱性、耐水性、機械的安定性および耐漏洩性が良好なもの。 集中給油用グリース1種 ― 増稠剤にカルシウム石鹸を用い、圧送性が良好なもの。 2種 ― 主に基油と増稠剤から成り、圧送性、耐熱性、耐水性、および機械的安定性が良好なもの。 3種 ― 増稠剤がカルシウム石鹸で極圧添加剤が配合されており、圧送性と耐荷重性が良好なもの。 4種 ― 極圧添加剤が配合されており、圧送性、耐熱性、耐荷重性、および機械的安定性が良好なもの。 高荷重用グリース1種 ― 二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤が配合されており、耐荷重性、機械的安定性および耐熱性が良好なもの。 ギヤコンパウンド1種 ― 主に基油とアスファルトから成るもの。
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