IDS/IPS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:27 UTC 版)
「サイバーセキュリティ」の記事における「IDS/IPS」の解説
IDS(Intrusion Detection System、侵入検知システム)は不正侵入の兆候を検知し、管理者に通知するシステムである。IPS(Intrusion Prevention System、侵入防止システム)も不正侵入の兆候を検知するところまではIDSと同様だが、検知した不正を自動的に遮断するところに違いがある。両者を合わせてIDPSという場合もある。センサーないしエージェントと呼ばれるアプライアンスないしソフトウェアを利用して通信などの情報を集める事により不正を検知する。センサーやエージェントの集めた情報は管理サーバに送られ、管理サーバ側でも複数のセンサー・エージェントの情報を相関分析する事で不正を検知する。 IDPSは以下の4種類に分類できる: 分類センサー・エージェントの主な設置・インストール場所ネットワークベースIDPS ネットワーク境界 無線IDPS 監視対象の無線ネットワークの通信範囲内や、無許可の無線ネットワーク活動が行われている懸念のある場所 NBA(Network Behavior Analysis) 組織内ネットワークフローの監視ができる場所、もしくは組織内と外部ネットワークの間の通信フローの監視ができる場所 ホストベースIDPS 攻撃を受けやすい公開サーバや機密情報が置かれているサーバなどの重要ホスト。その他PCのようなクライアントホストやアプリケーションサービスにもインストールされる。 ネットワークベースのIDPSとNBAはどちらもネットワークを監視する点では共通しているが、前者は主に組織LANと外部ネットワークの境界などネットワーク境界に設置され、境界をまたぐ通信を監視するのに対し、NBAは組織LAN内に設置され、LAN内の通信を監視する点に違いがある。 ネットワークベースIDS、IPSを略してそれぞれNIDS、NIPSと呼ぶ。同様にホストベースIDS、IPSをそれぞれ略してHIDS、HIPSという。 ネットワークベースのIDPSのセンサー設置方法としては、監視対象の通信が必ず通る場所にIDPSを設置するインライン型と、監視対象の通信が必ず通る場所にスパニングポート、ネットワークタップ、IDSロードバランサ等を設置する事で監視対象の通信をコピーし、コピーした通信をIDPSで監視する受動型がある。攻撃の遮断や回避のようなIPSとしての機能を利用する場合はインライン型が必須である。 インライン型の場合、ファイヤーウォールが攻撃と考えられる通信を遮断するのでファイヤーウォールの前に設置するか後ろに設置するかで取得できる情報や、IDPSへの負荷が異なる。ファイヤーウォール前後両方を監視するためにIDPS機能とファイヤーウォール機能がハイブリッドになった製品もある。 受動型はネットワークの複数箇所の通信をコピーして集約した上で解析できるという利点がある。例えばファイヤーウォールの前後およびDMZの通信を全てコピーして解析するといった行為が可能になる。
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