HPLC法
HPLC法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/22 20:19 UTC 版)
高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いた分配係数の求め方は「OECD Test Guideline 117」に規定されており、log Pow が 0 から 6 までの試料に適用できる。 HPLCの固定相にはODS などのアルキル基で修飾したシリカゲル(逆相カラム)を、移動相には水を使用する。試料は固定相(アルキル基)と移動相(水)間で分配しながら移動していくため、HPLC での保持時間と log P の間には強い相関がある。したがって、分配係数が既知の物質であらかじめ保持時間と log P の相関を調べておけば、調べたい物質の保持時間を測定することで log P を推測できる。 HPLC法では、既知物質のデータさえ揃っていればフラスコ振盪法にくらべはるかに迅速に分配係数を決定でき、不純物等の影響も少ない。一方、水への溶解度が低いものやカラム担体と反応するもの、錯体など測定中に分解する可能性があるものには適用できないため、予めおよその化学構造や物性がわかっている必要がある。また、分配係数は既知試料データからの回帰分析によって算出するため、分配係数が既知の複数の物質が必要なこと、構造が大きく異なる化合物では相関係数が異なるため、比較しにくいことなどが欠点である。
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