HPによる買収とItaniumへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 14:45 UTC 版)
「タンデムコンピューターズ」の記事における「HPによる買収とItaniumへの移行」の解説
2001年、ヒューレット・パッカード (HP) もPA-RISCから(もともとHPも設計に加わっていた)Itaniumへ移行することを選択した。コンパックとHPが合併を発表すると間もなく、類似する製品ラインの統合整理の計画が発表された。この議論を呼んだ合併は2002年5月に正式に行われた。統合には痛みを伴い、DECやHPの独自文化は破壊されたが、NonStop部門とその顧客を維持することの重要性はわかっていた。 言ってみればタンデムは、HPに触発されて創業し、HPをライバルとして成長し、HPに吸収されることで故郷に帰ったようなものだが、そのHPはかつてのHPと同一ではなかった。 NSKベースのNonStop製品をMIPSからItaniumへ移行させると、HP Integrity NonStop サーバというブランドで販売することになった。この場合の "Integrity" はHPのサーバが以前から使っていた名称であり、タンデムの Integrity シリーズとは無関係である。 Itanium 2 (McKinley) はクロックレベルでロックステップ実行することはできない。そのため Integrity NonStop ではもっと長い時間間隔、割り込みの時点やソフトウェアの中間同期ポイントでチップの状態比較を行う。中間同期ポイントは分岐命令を数えて n 回目の分岐で自動的に同期ポイントに入るようになっており、NonStop用コンパイラが長いループの中に明示的に挿入している。マシンには二重化または三重化の冗長性を持たせることができ、2個または3個の物理プロセッサで1つの論理プロセッサを構成する。三重化版は最も高い信頼性を求めている顧客向けである。この新たなチェックポインティング方式をNSAA (NonStop Advanced Architecture) と呼ぶ。 スタックマシンからMIPSへの移行のときのように、顧客のソフトウェア資産はソースを書き換えることなく移行された。ネイティブモードのソースコードは再コンパイルによりItanium向けのオブジェクトに変換。さらに古いネイティブでないソフトウェアは、スタックマシン向けのオブジェクトのままである。これはMIPSの際と同様にコード変換技術を使って自動的にItanium上に移行された。 Integrity NonStop はHPの品揃えの中でも最も大規模で高信頼性を求める顧客に対応している製品である。OSは NonStop OS と呼ばれるようになっており、Javaサポート、Visual Studio や Eclipse といった開発環境の統合といった拡張がなされている。
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